今日は、
の車検です。
お店まで、私の足で(ちょこっと早足で)10分くらいなので、
代車は借りず、車を預けて徒歩で家に戻りました。
その帰り道のこと。
電車道を歩いていると、ビニール製の手さげ袋をさげた老人が前からやって来ます。
その老人は、何度も後ろを振り返っては何か怒鳴っていました。
『やばい・・・変な人かも』
すぐに入れる横道がなかったので、なるべく目をあわさないように
すみやかにすれ違うべく足を速めると、
老人はまた後ろを振り返り、大声で怒鳴りました。
「○ッキー!早く来い!!
」
老人が怒鳴った方向を見ると、なんと!ビーグルっぽいワンちゃんが線路内を歩いています。
驚いたことに、老人は飼い犬のリードを外して散歩させていたのでした。
「○ッキー!なにやっとるだ!!
」
老人が何度も呼んでいるのですが、犬の方は何か気になるものがあるらしく、
なかなか老人の言うことを聞きません。
『あぶないんじゃないかなぁ・・・』と心配になった時、
嫌な予感的中。
踏み切りの警報機の音が聞こえてきました。
「で、電車が
」
私が気づくのと同時に、老人もそれに気づいたようで
「○ッキー!!早く来い!!」
さすがに、焦って犬を呼ぶと、ようやく犬は線路内から出てきました。
ほっとして通り過ぎようとしたら
「中に入るなって言っとるだろうが!!!」
という怒鳴り声の後、『バシッ』と嫌な音が・・・
音からすると、手に持っていたビニール製の手さげ袋で犬を殴ったようです。
思わず振り向くと、老人はもう背を向けていて、先に歩き出していました。
『なんだよ!リード外して散歩させるあんたが悪いんじゃないか!
』
と腹を立てながら犬を見ると、その場から動こうとせず、老人の背を見ています。
その間にも、老人はどんどん歩いていき、犬との距離が広がるばかり・・・
しかし、動こうとしない犬。
『ど、どうしたの
?い、痛いの?怒ったの?嫌気がさしちゃったの?
それともびっくりして動けないの?』
と不安に思ってみていると、10メートルほど歩いてようやく老人は振り返り、
犬に向かってまた怒鳴りました。
「○ッキー、早く来い!!
」
犬は、急いで後を追うかと思いきや、おもむろに老人の後を追って歩き出しました。
なんだか、無性に犬の後姿が哀れで、涙が出そうになった私なのでした。
どうか・・・犬はリードにつないで散歩させてください