午後1時から瞑想会を始める直前に、2件のメールが入ってきました。
ひとつはしとりんが病室を移動したというものと、もうひとつは訃報でした。
訃報とは、みちしるべが小規模多機能ホーム時代であったときのご利用者さんが、
昨日(26日)に亡くなられた、という知らせでした。
知らせてくれたのは当時のケアスタッフでした。
ご利用者さんは男性(Kさん)70歳代のアルツハイマー型認知症の方でした。
13年前に発症したので50代で若年性のアルツハイマー病にかかったことになります。
Kさんは しとりん ととっても仲良しでしたので、
まるでボーイフレンドとガールフレンドのような仲でした。
瞑想会が終わってからすぐにしとりんの面会に行きました。
病室が変更し、新しい部屋に入ってみると、
前の病室より広く明るく気持ちのよい部屋でした。
「良い部屋で良かったね」と話しました。
午前中に点滴の針交換の間にシャワーを浴びてぐったりしているとこに、
突然お部屋を移ってほしいとのことだったそうです。
「看護助手さんが、取り合えず荷物を運んでくれたのだけど整理してないの」
と言うので、さっそく荷物をきちんと整理して使いやすいようにしました。
そしてKさんが亡くなられたことを伝えました。
すぐにしとりんは泣き出してしまいました。
それほど強い信頼関係で結ばれていて、
スタッフ(しとりんは相談員)と利用者という関係を超越していました。
当時のKさんを受け容れられる事業所はみちしるべしかなく、
他のデイサービスへ行っても、
「ここは僕のいるところじゃない!」と途中で怒って帰られてしまうのでした。
「kさんは逝ってしまったけど、私のお腹には新しい命がいるのね」
としみじみ話していました。
「あ、荷物がひとつだけ前の病室に忘れているね」
と気づきました。
「看護師さんに言って取ってきてくれるように頼んでくるね」
とナースステーションへ行きました。
婦長さんが取りに行ってくださいました。
「じつはね、死産だった方がいて、1番奥の病室に変更したの。それでしとりんさんに変わってもらったんです」
ということを話されました。
天寿をまっとうされた方の死と、
生まれてくることなく天に帰られた赤ちゃんの死と、
同時に二つの訃報を聞いた日でした。