光のみちしるべ ~愛だけが現実~

私たちは皆、神様の子供。
内なる神の分光を輝かせましょう。
5次元の光のピラミッドがあなたを待っています。

プロフェッショナル ~オリジナルこそ命~ ⑩

2007年04月29日 09時35分52秒 | プロフェッショナル
その訃報は前職の知的障害児通園施設の施設長からだった。
ある晩、勤めを終えて帰ると電話が鳴った。

「じつはマー君のお母さんが亡くなったんだ」
「えっ、本当ですか?」
「しかも自宅で首を吊って自殺だったんだ」
「‥‥‥」
私は絶句した。言葉が出てこなかった。

「どうして自殺したんですか?」
と尋ねると、
「今年卒園して養護学校に入学してから、
担任の先生とうまくいってなかったようだ。
話が出来ないまま、いろいろなことを一人で抱え込んでしまったのだろう」
「そうですか‥」
「マー君はあなたが担当していたから連絡したんだけど、
葬儀には行くかい?行くならば時間と場所を伝えるけど」
私はちょっと思案したのち、
「いえ、私はもうそちらの職員ではないから、ご遠慮します」
と答えた。
「そうかい、そうだね。あなたはもう私たちの職員じゃあないから無理することないよ」
そう言って電話は切れた。

マー君は私が就職2年目に担当した子供だった。
知的発達の障害が認められ、5歳になっても言葉を発することがなかった。
お友達と一緒に遊ぶこともなく、一人で遊んでいるだけだった。
お母さんと二人暮らしの母子家庭であり、生活保護を受給されていた。

お母さんは私と会うと、
「先生、うちのマーが滑り台やジャングルジムの高い所に上ったら、
落ちないように一緒に上ってね」
と口癖のように言っていた。
事実、その通りに一緒に上っているのを見ると、
「先生、私の言ったこと、ちゃんと覚えていてくれたのね」
ととても嬉しそうにされていた。
少しずつマー君にもお母さんとも関係が築いてきた頃、
ある晩の8時頃、何処で調べたのか私の家に電話を掛けてきたことがあった。

「先生、マーはこれからどうなるんでしょうか?
それを考えると毎日不安で寝られなくて‥。
先生、今から家に来てくれない?
相談したいこともあるから‥。
園ではなかなか話が出来ないから‥」
という内容だった。

本来ならば勤務時間は終わっているから、
時間外に家庭訪問することは上司の許可なくして行くことは有り得ない。
まして上司と相談もしていない。
本当に相談があれば、後日時間をとって園でゆっくり話を伺えばいい。
それなのに、緊急性を感じた私は車に乗って、マー君の家まで出かけた。

ところが、玄関先に現れたのは、マー君とお母さんだけでなく、
ステテコ姿でいかつい顔の男性だった。
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黒メダカとコーヒー

2007年04月26日 06時33分52秒 | 認知症介護
最盛期には30匹以上いたメダカが、6匹に減ってしまっていた。
このことがずっと気になっていた。
水槽内のメダカたちは心なしか寂しそうに見えた。

の水曜日、体験農園での農作業を変更し、
男性ご利用者さんと一緒に車に乗って、
近隣のお店までメダカを買いに出かけた。

お店の2階には、熱帯魚や金魚、たちが元気に泳いでいる。
その中にビニール袋に入った黒メダカちゃんたちがいた。
10匹がその中で元気に戯れていた。

「へぇ、こんなふうにして売っているんですか?」
とちょっと驚きの表情のKさん。
二人で店員さんから水槽に入れる際の注意点を聴いた。

このお店にはKさんと時々来ては、
ピーちゃんのエサを買ったりしている。
この間は、農園で履く長くつを一緒に探してもらった。

レジで会計を済ませると、
私たちは脇目めふらず、同じ2階にある喫茶店へ一直線。
カウンターに陣取り、しばしコーヒーの香りに酔う。
ちょっとした“男の隠れ家”である。
この日は黒メダカをカウンターの上において、
観賞しながらのひとときとなった。

みちしるべに戻ってからビニール袋ごと水槽に入れ、
温度調整をしてから、
Kさん自身の手で水槽に黒メダカを放流していただいた。
楽しそうな表情で泳ぐ様子を見つめるKさんの横顔が印象的だった。

黒メダカちゃんたち、元気に泳いでくれよ!
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共同体としてのみちしるべ(2)

2007年04月25日 06時25分35秒 | 認知症介護
ある朝、朝礼を始めたその瞬間、電話が鳴った。
(あっ、誰かお休みなのかな?)と思った。
電話に出た相談員が、「あら~、久しぶり!」と嬉しそうな声。
(誰なのかなぁ?)と気にしつつも朝礼を続けた。

その声は、以前ご利用されていたS子さんからだった。
みちしるべのことを思い出されて、ご自宅から電話したらしい。
相談員に近況報告を楽しそうにされていた。

様々な事情でみちしるべの利用者でなくなっても、
こうして時々電話を掛けてきてくれるのは嬉しい限りだ。
みちしるべならではである。
たとえ利用していなくとも、
私たちにとっては利用者のままなのだから。
何か精神的な結びつきを感じさせてくれる。

おりしも全く他の方で、
一旦利用終了したものの再び利用したい、
との電話が担当ケアマネさんからあった。

共同体としてのみちしるべ。
寄合所としてのみちしるべ。
もう一つの在宅としてのみちしるべ。
単なるデイサービスではない“みちしるべ”が、ここにはある。
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選  挙

2007年04月21日 07時14分43秒 | Weblog
東京都知事選挙に続いて、区議会議員・区長選挙が佳境に入っている。

候補者の声も一段と熱が入ってきた。

送迎中も沢山の候補者の選挙カーとすれ違う。

ご利用者の中には、すでに期日前投票を行った人がいる。

その方が言うには、期日前投票のほうが職員の対応が親切なのだそうだ。

(なるほど、そうなのか)と思った。

明日の投票日は、ご利用者の方々も投票に行くことだろう。

都知事選のときも「投票に出かけてきました」と連絡帳に書いておられた。

私も明日は朝一番に投票しに行ってきます。
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どんなに

2007年04月15日 08時13分24秒 | 認知症介護
どんなに多くの資格を取っても、

どんなに多くの研修を受講しても、

どんなに有名な講師の話を聴いても、

一番鍛えて成長させてくださるのは、ご利用者の皆様。

身を持っていろいろなことを教えてくださる。

それが自分の糧となり財産となり、血と肉となる。

だから私は現場から離れない。

迷わず走れ、そして飛び込め。

ご利用者と向き合うことは自分と向き合うこと。

自分から逃げるな。

眼をそらすな。

すべては現場にある。

すべての答えは現場にある。

現場に “みちしるべ” がある。
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共同体としてのみちしるべ(1)

2007年04月15日 05時38分53秒 | 認知症介護
ある日の夕方、送迎の帰り道にNHKラジオを聴いていたら、
とあるNPO法人の理事長さんがニートについて語っていた。
その話の中心は、どのようにしたら自立支援プログラムに参加していただけるか、
ということだった。
プログラムに参加する以前に、家まで迎えに行っても出て来てくれないというのだ。

「あなたたちを社会に適応させて自立できるようにしますよ、
なんていう上に立った気持ちでいたら、誰も来てくれませんねぇ」
「やはり、相手の自尊心を尊重するということですか?」と女性アナウンサー。
「自尊心を尊重するという言葉も上に立った見方なんです。
そういう思いで迎えに行っても誰も家から出て来てくれないんです」
「はあ‥、ではどのようにすればいいのですか?」
「これからの社会には是非ともあなた方の力が必要なんです。
あなたのお力をお借りしたいんです、
という気持ちで接しないと家から出て来てくれません。
事実、ニートと呼ばれる若者たちが益々増えて、
そのまま30代、40代へと進んでいったら社会の大きな損失なんですよ。
これからの日本を支えていく人たちなんですから」

このことは、認知症の人たちの送迎でも同じことがいえる。
家族に代わって介護してあげますよ、なんて気持ちで迎えに行ったら、
誰も送迎車に乗ってはくれない。

「この日本にはまだまだ皆さんの力が必要なんです。
是非ともその力を貸してください」

というへりくだった気持ちで臨まなければ、誰もみちしるべに来てはくれない。
実際、行く理由がない。
誰も介護してもらおうと思って来ていない。
そんなことは大きなお世話なのである。

しかし、自分を必要とする場所で力を発揮し、人に感謝されるならば、
楽しくお喋りをし、腹の底から笑って人と触れ合えるのであれば、
自然と皆が集まって来るのである。
誰が上でも下でもない。
皆、平等なのだ。
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みちしるべとUFO

2007年04月11日 06時14分53秒 | UFO
ところで、みちしるべの周辺はUFOの多発地帯です。
何を突然そんなことを言うのかと驚かれると思いますが、
私自身、みちしるべを立ち上げてから、
すでに10回以上ヘンテコリンなものを目撃しています。

音もなく形を変えながら異常に早く飛んでいく飛行機やヘリコプター。
大福を真横から見たような形の飛行船。(民家の屋根すれすれに浮かんでいる)
空高く上っていく赤とブルーの球体。
電信柱ぐらいの高さをジグザグに飛んでいく発光体。
他のスタッフも不思議なものを見ています。

先月は、UFO研究家で有名な矢追純一氏が、
大○生○病院横の道でUFOウオッチングしてました。
声をかけようかと思いましたが送迎車の運転中だったのでやめました。

そんなこんなで、みちしるべにお出でいただいたときは、
ちょっとだけ空を見上げると不思議体験が出来るかも・・です。


  
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ピーちゃん、元気になる!

2007年04月10日 06時35分01秒 | ピーちゃん
エサも普通に食べられるようになりました。

鳴き声もかつての力強さが戻ってきました。

まだ油断はできなけど、ほっと一安心です。



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ピーちゃん、快復に向かい始める

2007年04月08日 18時42分27秒 | ピーちゃん
昨夜から寝ずの看病で(というのはうそだが)、

少しずつ元気になってきました。

お昼頃から餌を食べるようになり、

鳴き声も聴けるようにまで快復してきました。

ピーちゃん得意のダンスも踊るようになり、まずは一安心です。

今夜も星に願いを。。。


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ピーちゃん、病院へ行く

2007年04月08日 09時27分22秒 | ピーちゃん
昨日1日様子を見ていたけど、なかなか快復する兆しが見えないので、
夕方、スタッフと一緒に近所の病院へ連れて行った。

おそらく、ピーちゃんよりも私のほうが緊張していたと思う。
何せ、病院は好きなところではない。
出来るならば動物病院とて関わり合いたくない。
しかし、ここはピーちゃんのためだ、思い切って車をすっ飛ばした。
(といっても3分ほどで着いちゃったが‥)


診察室に現れたのは30代ぐらいの男性医師だった。
優しい女医さんを想像していた私は、ちょっぴりがっかりした。

ピーちゃんを一目見るなり、
「最近、卵を産んでいませんか?」と尋ねられたので、
「先月、4~5コ産みましたが、それが何か?」と答えると、
「あ~、やっぱりそうですか、ピーちゃんは栄養失調です」
「え?栄養失調???」
「はい、小鳥は自分の身を削って卵を産むようなものだから、
今、栄養失調の状態になっています。ちょっと体重をはかってみましょう」
というとピーちゃんを連れて別室へ消えてしまった。
「はい、30グラムしかありませんね」と言いながら、すぐ戻って来た。

「旦那さんにしちゃうから、その気になって産んでしまうんですよ」
「そうなんです。私のことが一番好きみたいで‥」と涙ぐむ私‥。
いつの間にか、ピーちゃんの恋人になってしまって、いつも求愛されていたからなぁ。。。
体重は40グラムぐらいあっていいそうだ。


というわけでエサの種類の選び方と与え方、
そして保温の方法などのレクチャーを受けて帰ってきた。
お店にも行って、栄養抜群のエサとヒーターも買って来た。


さあ、これで元気になってくれよ、愛しのピーちゃん。。。


  
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ピーちゃん、ダウン

2007年04月07日 10時28分30秒 | ピーちゃん
みちしるべのアイドル、ピーちゃんの具合が3日前から良くない。

吐いたり、下痢が続いたりしている。

とうとう今日は止まり木に止まっているのも苦しそうだ。

エサ箱の中でくるまって寝ている。

「ピーちゃん、死んじゃうのかな‥」

とスタッフが心配そうにつぶやく。

「そんなことはないよ」と答えつつ胸の内は心配だ。

ピーちゃん、早く元気になっておくれよ。

 
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さくら満開

2007年04月03日 06時38分13秒 | Weblog
桜が満開ですね。
大泉学園駅からのバス通りは、
まるで桜のトンネルのようになっています。

送迎の運転をしながら、
デジカメを持ってくればよかったなぁと思いました。
信号待ちのときに撮れるからね。
そうでなくとも携帯でよかったか‥。

お花見に行きたいけど今日は雨だなぁ。
たくさん散っちゃうかなぁ。

「お花見は酔っ払いが多いから嫌い」と言うM子さん。
たしかに酔っ払って醜態をさらけ出し、
周囲に迷惑をかけるのはよくない。

私ならお団子と花笠踊りがあれば、それだけでいい。
花笠音頭は桜の下で踊ってこそ映えるというもの。
特養ホームで働いていた頃は、お花見でよく踊ったもんだ。
最前列で見ていたお年寄りが、
「あんた、そんなに笠をくるくる回して目が回らないの?」
と踊っている最中に話しかけられたっけ。
一杯飲んで踊ったら、間違いなく目が回ります。。。

みちしるべではお花見でなくとも、
ご利用者さんとしょっちゅう踊っています。
今日も踊ろうかな。
あなたも一度見に来る?
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プロフェッショナル ~オリジナルこそ命~ ⑨

2007年04月01日 09時29分50秒 | プロフェッショナル
自分が身に付けたリハビリの知識、技術、経験のすべてを注ぎ込んだ。
また施設内の寮母さんたちのリハビリに対する理解も十分に浸透していたので、
Hさんのリハビリにはとても協力的だった。
リハビリを行っているとき、
介助員である私の仕事を代わってくれることもあった。

励ましの言葉と温かい見守りの中、Hさんは懸命にリハビリに打ち込んだ。
きつい訓練のときも明るく前向きに取り組んでくれた。
Hさん自身も歩けなかった人が歩けるようなった場面を、
何度もこの施設で目の当たりにしている。
だから、自分自身も歩けるようになると信じたに違いない。

そんな全員の思いが一つとなったとき、
何ともあっけないほどHさんは歩けるようになってしまった。
多少左足を引きずるものの、杖歩行で自立レベルまで到達してしまったのだ。
杖を使ってスタスタと歩くその姿は奇跡でも何でもなく、
驚きもせず、当然のことのように周囲は受け止めた。
ほんの2ヶ月間の出来事だった。

こんなことってあるのだろうか。
これには他ならぬ私自身が驚いていた。

「よしこうなったら、お世話になったS病院の先生にお礼に行こうぜ」
とリハビリスタッフに提案した。
「もう歩くことは出来ません」と宣言した医師のもとへ連れて行こうというのだ。

「先生、どんな顔をするかな?」
「さぁ、何とも思わないんじゃない?」
「自分が言った言葉は覚えてないよ、きっと」

そんな私たちの思いをよそに、Hさんは相変わらずニコニコ顔だった。
S病院の診療時間外に薬を受け取り行く用事があったので、
Hさんを一緒に連れて行った。
S病院に到着して、事務所でその医師を呼び出してもらった。
数分後、歩いているHさんを見るなり、立ち止まったままフリーズしてしまった。

そして、一言、
「あ・る・い・て・い・る・・・・」と小さい声で言うと、
おもむろに歩き始めて事務室の奥に引っ込んで行ってしまった。

(やったぁ!)と私は小さなガッツポーズを決めていた。
Hさんは、「先生、何も言わず行っちまったよ」と、
消え去った方向を指差しながら笑っていた。
帰りの車の中では大爆笑だった。

しかし、そんな私の浮かれた気持ちを打ち砕くかのように、
ある訃報が入ったのだった。
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