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山は動いたのか…JR不採用問題


 3月4日 朝日新聞横浜版

 昨日(4日)の新聞紙上で国鉄から継承されたJRへの不採用問題での政府解決案が与党3党及び公明党の手でまとまったと言う報道がなされていました。2月17日付のブログでもご紹介しましたが戦後最大の労働問題とまで言われたこのJR不採用問題も、いよいよトンネルの明かりが見えてきた様です。
 しかしこの20数年の時間はあまりにも長い道のりだったことは誰しもが認めるものだと思います。自分の生き方を通したい。自分の信念を通したい。そんな人が国労と言う組織に残って国鉄分割・民営化に反対してその見せしめの様に不採用となったわけです。武士の鏡が赤穂浪士四七士なら、あえて自分の信念を通すために茨の道を選んだ1047名の組合員は労働者の鏡とも言えるとも思います。
 私自身、20数年前。国鉄改革の嵐が吹き荒れる中、思い続けたのは親方日の丸でぬるま湯に浸かっていた今までの体質を脱却するために時代の流れもあり、民営は致し方ないとしても(それは経営陣に対してでもあるし、自分自身にも自問自答した課題でもありました。)、先人が築き上げた日本全国への鉄路のネットワークを否定する分割には絶対反対でした。全国を分断してそれぞれの地域会社を作れば当然の様に利害が生じます。その利害の象徴が長距離列車であるのではないかと思ったのです。そして分割の弊害が数年後には現れ、20年も経てば長距離列車と言えば日本で数本となり国鉄末期に比べ大幅な減少となってしまったことで私の理論は正しかったと自負しております。
 この弊害は在来線だけにとどまらず新幹線にも現れています。東京-西鹿児島(鹿児島中央)間が新幹線で結ばれてもJR3社の思惑(経営方針)が絡み合って東京から九州の南端まで新幹線が直通で走(らせられない)れない(正確には計画さえも出来ない)現実として浮き出てきています。さらに言えば全国一社制であったなら新青森発鹿児島中央行の新幹線列車も定期列車の設定は無理にしてもイベント列車で設定可能だったのかもしれません。


 3月4日 読売新聞横浜版

 今回の解決案が具体的なったひとつの理由が、これから深刻な事態になるであろうJALの再雇用問題あると言われています。JALの再建案のひとつの柱が大幅な人員削減による人件費軽減なのですが、実際に離職した人をこの大不況下でどう再雇用していくがが全く具体性が示されない現在、先例で良く似た事例のJR不採用問題が解決しなければJAL再建案の足枷になりかねないと言う危機感が政府にあったのではないか?と言われています。
 さて、この解決案ですが1047名にとって全てを解決する訳ではありません。これから長すぎは冬を本当に終わらすためにいろいろな困難が待ち受けていると思います。仕事自体、この20年で大きく変わってしまいました。20年前は手作業でコツコツと積み上げた仕事は省略されるか機械化されてしまっています。今、職場に戻ればカルチャーショックを受ける事は間違いないと思います。政府・会社に勝利して誇らしげに元職場に戻ったとしても、その後に待ち受ける現実は厳しいと言わざるおえません。また、労使関係も国労とは和解したはずのJR各社は依然、国労差別が平然と行き続けています。どんなに汗を流しても昇進試験差別や職場配属差別は未だに生きています。「国労組合員に責任のある作業はさせない。」と平然と発言する管理者はある意味正直でまだ、マシです。労働組合への差別などしていないと平然と言い張る管理者は影でいろいろな事をこじつけて差別しています。こともあろうかセクハラ騒動を捏造されて職場で辛い立場になった方も知っています。そんなJR各社の体質に、この解決案はゴールではなく新しい大きな運動のスタート点ではないかと思う次第です。そしてこの現実はついつい浮かれてしまう自分を戒でもあるのです。

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