緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

一瞬の風になれ

2007年11月24日 | つれづれ

先週、久しぶりに本屋さんに立ち寄りました。
思わず手にとった本。
「一瞬の風になれー佐藤多佳子」
3冊の本。
吉川英治文学新人賞
07年本屋大賞
極上の青春スポーツ小説。

読み始めると加速がついて
やめられなくなってしまいました。
顔は涙でぐちゃぐちゃになりながら・・

サッカーで有名な兄を持ち、
サッカーから転向して
公立高校の陸上部に入った新二が
同じ部の親友連の走りに憧れ、
信じる仲間とともに
切磋琢磨していく様子・・


走馬灯のように
私の10代のころ・・
次男のバスケ・・
頭に駆け巡りました。

兄が怪我をする2巻は
大学時代、レッスン場で靭帯を切ったこと
次男がバスケの試合中に靭帯を切ったこと
思い出しながら、泣いていました。

吐くほど、練習をする次男。
バスケ命の次男。
「スゲー、キツイ練習でさ~」って
時々見せる陶酔したような表情。

キツイ練習なんて非合理じゃん・・なんて
理屈をこねてみたりしながら
運動部に入らなかった私にとって
次男を見るたびに、
理解できないな~
なんて、思っていました。

新二にとって
一期一会のようなリレーや短距離。
コンマ数秒を縮めていく様や
バトンを渡し、渡されながら繋がりを感じる様を読んで
今、そのまっさかりにいる次男を
あらためて羨ましいと思いました。

思い出せば、私も実は
中学時代陸上の選抜メンバーでした。
ヤル人がいないからと、かり出された高飛び
イッチョ前に背面飛びをやっていました。
平凡な記録で地区大会どまりでした。

新二や連を追いながら
重い日々を忘れ
風のようになった自分に
心地よさを覚えました。

たまたま本屋さんで手に取ったこの本に
出会えてよかったと思います。


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2 コメント

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スラダンでしょ (三児の母)
2007-11-26 14:54:08
私も読みました。本当にいまどきの子どもたちなのに、走ることにも生きることにもまっすぐで、いいなあ。スラダンの陸上版、といってうちの子どもにも薦めました。
返信する
やっぱり、そう感じました?! (aruga)
2007-11-26 21:44:37
嬉しいなあ~三児の母さんも同じものを感じたと知って!さらに、新二は、スラダンの桜木につながるものを感じました。

子供さん達は、スラダン、一瞬の風~はどんな感想だったのでしょうか。我が家は、今次男が2巻を読んでいます。感想はまだ教えてくれません。
返信する

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