終末期医療を取り扱っている研究班や
関連学会から集まり、総合討論会が開かれました。
「いま終末期医療をどう考えるか?」
その中で
“救急医療における終末期医療のあり方に関する特別委員会”
の委員長である昭和大学の救急センター長の有賀先生から
救急現場での延命治療の中止などの
手順を盛り込んだガイドラインが紹介されました。
・・と・・ 会場にいた弁護士さんから
治療の中止が法律に抵触している可能性があると
指摘がありました。
それに対し・・・
救急の有賀先生は
「我々は、お天道様に正直な医療をやっていきたい
と思っています。
法律の線と私たちがお天道様に正直だと感じる線は
違うのではないかと思っています。
3年間議論を重ねてきました。
法律家からも注意を喚起されたことがあります。
でも、私たちが正直にやったことが
問題を生じるとしたなら
堂々とお裁きにあおうじゃないかと思います。
そのためにも、きちんと遡って、判断に耐えうるように
記録を残すことに重きを置きました。
これから半年間広く意見を聞き
現場に則して 経時的に書き換えていきます。」
つまり、
医療と法律の線引きに差がある現状から考えれば
医療者がその良心に基づいて真摯な医療を行ったとしても
それが法律に抵触することは起こりえることです。
医療の専門家としてあるべき選択をしたことが
法律的に問題を生じるのなら
法律に甘んじるのではなく
法廷に出てでも、訴え続けていく・・
という主張でした。
会場から大きな拍手が起こっていました。
最近のマスコミの医療たたきや
福島の大野事件のような不当逮捕といった出来事は
医療に萎縮をもたらせ、真の医療人から
無意識のうちに保身になっている現状にあります。
だから、この救急の有賀先生の言葉は
とても力強く、原点に立ち戻らせてくれたと
会場にいた医療者の多くが感じたのだと思いました。
医療者としての良心に基づいた医療の実現・・
ヒポクラテスの誓いってどんなだったかなあと
思い出していました・・
ちなみに、同じ苗字なのですが・・
特に、私は関係はありません・・残念ですが・・
フーテンの寅さんが言いそうな台詞ですね。救急の有賀先生のご意見、興味深く読ませていただきました。
ところで、緩和ケアの有賀先生、「お天道様に正直な医療」とは、「患者さんのための医療」とどういう関係にあるのでしょうか?同じものでしょうか、もし違うとしたらベン図で書くと、どうなるのでしょう?
考えていたら頭がごちゃごちゃになってしまいました。変な質問で失礼。
我々はその勇気を持たねばならないと思いました。
あと有賀先生と救急の有賀先生(とても有用なポケットブックでお世話になっています)の関係の謎がやっととけました。
謎でしたか・・光栄です。