緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

海潮音 わすれなぐさ

2014年03月17日 | つれづれ

海潮音から


            

   わすれなぐさ      ヰルヘルム・アレント  
                上田敏 訳  (海潮音より)

ながれのきしの ひともとは
みそらのいろの みづあさぎ
なみ、ことごとく くちづけし
はた、ことごとく わすれゆく

川の流れの岸辺に咲く一本の(一株の)勿忘草
空色の水浅黄
波が口づけするかのように打ち寄せては
しかしながら、忘れ去ったかのように引いていく







ドナウ川の岸辺にさく花を
恋人のために摘もうとして
川に流されたルドルフが叫んだ言葉
Vergiss-mein-nicht! (Forget-me-not)
から付けられた名前が 
勿忘草でした。


人生の出来事も
波のように
訪れては去っていく・・

でも、心の芯には
忘れないでほしい
忘れないでいるからね

そんな気持ちがみずあさぎの色に
感じられるのです。


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