緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

国民皆保険の弊害

2006年09月28日 | 医療

9月25日に書いた18回生同窓生のインタビュー記事から。 何故、日本とアメリカでは治験参加の数が大きく差が開いているのかという問題に対して・・

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日本の医療制度は国民皆保険で、この枠組みの中でスタンダード治療が押し付けられてしまうともいえます。 
アメリカは、基本的には民間保険だから、オプションが沢山あって、ディスカウントが利くもの、利かないものもあります。 そこで、提示された治療を受けるよりも、臨床試験を受けるという気持ち、自由が生まれます。 FDAがアメリカ国内未承認薬の臨床試験を全部管理できているから、全米臨床試験のデーターベースが網羅され、患者も自由にアクセスすることが可能であることも自由選択を可能にしているとも述べられていました。

もちろん、医師がスタンダード治療と未承認薬の治療と意義を説明できない現実も挙げられていました。

この前者の保険の違いということについてですが、よく患者さんから、いいようにやってくださいとか、先生にお任せしますとか、こんなことは税金でやってもらわなければとか、聞いてはモヤモヤしていました。 この国民皆保険だからという言葉に、とても納得できました。 皆保険だから黙っていてもスタンダード治療が受けられる、という意識だったのですね。 
自己選択、自己決定しない人がおり、いざ何か起こるとあわててそんなはずではなかったと言うような場面が、以前に比べれば少なくなったとはいえ、あることは否めません。 医師の説明義務を求められることは当然のことです。 が、それを自分の選択や決定に繋いでいくことが難しい患者さんも中にはいらっしゃり、本当に日本は過渡期だなあと思います。 
長男はアメリカの小1を修了していますが、自分を説明するトレーニングを小さな時から受けていたなあと思います。 自分で意思表示をし、決定し、自分に責任を持つには学校教育から意識した体制を敷かなければ変わらないだろうと思います。 ただ、このファジーな所が、日本人のアイデンティティーだとしたら、あえて変える必要も無いのでしょうか。 それでは、国際間を渡り歩けないかもしれませんが・・

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