肝障害があり、アンモニアが上昇始めると
意識障害を認めるようになります。
これを、肝性脳症と呼びます。
肝性脳症は、肝臓の状態だけではなく、
それを悪化させてしまう誘因があります。
便秘、感染症、腸管内出血、脱水、
低K血症(利尿剤ラシックスでカリウムが低下することがあるので、
アルダクトンを併用するわけです)、
薬剤ー特に、ベンゾジアゼピン・・わかりやすく言えば、眠剤です。
がんがあって、オピオイド(医療用麻薬)を投与していると
便秘になっていることが多いのですが、
アンモニアを下げる薬剤が下剤としても有用なので、
アンモニアが上昇しそうな患者さんの便秘対策には、
モニラック(ラクツロース)を積極的に投与しましょう!
●アンモニアを下げる機序
ラクツロースは、ガラクトースとフルクトースの合成2糖類。
大腸細菌は、これらから乳酸を産生し、大腸内のPHを下げます。
それにより、アンモニアの吸収を抑制します。
10~20ml/回 一日2~3回
ただし、がん性腹膜炎があると腸管に狭窄を生じている可能性がありますので、
これではちょっと多い場合があります。
●下剤としての機序
糖類下剤に分類されます。
この合成2糖類は、高浸透圧であることから、水を腸管内に引きます。
また、分解されたのちの酸が、腸蠕動を刺激すると言われています。
10ml/回 ひとまず一日1回 朝または昼に内服し
腹痛がでないことを確認します。
内服後数時間でもよおす場合が多いので
眠前ではなく、日中の内服がよいでしょう。
糖類なので、
糖尿病の患者さんの場合は血糖値に注意が必要です。
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個人名と思われましたので、あえて頂いたコメントはアップさせて頂くことは控えております。
文面から、きつい状況が伝わってきます。
疼痛の原因がパンコーストによるものなのか、膜性のものなのか、内臓痛によるものなのか、やはり診察することなく判断ができることではないのです。
ですから、現状が本当にできることはないのか、もっと違うアプローチがあるのか、ここでの内容の限りではお伝えすることはできないのです。
よい症状緩和は病態評価がどこまでできるかにかかってきますので、診察することが何より重要なのです。
来院して頂くことが可能であれば、拝見し、ご意見させて頂くことはできようかと思います。
ブックマークの上から3番目をクリックして頂ければ、外来情報を見て頂く事が可能かと思います。
医療者からみて、きちんとできていないのではないかと予想される場合は、その限りではないと思います。
ご家族が、きちんとできなかったと思われる様な場合は、難しいことが多いと思います。
ただ、
>死の受け入れが難航
とは、大切な人を亡くした場合、程度に差はあれども、皆さん、死を受け入れることはそう簡単にできることではないと思います。
難航というより、いわゆるグリーフワークが、自然なものである場合と、病的なものになる場合との差と理解された方がよいと思います。
一つ教えていただきたいのですが、
終末期にきちんと患者さんとお別れができなかったご家族は死の受け入れが難航したりするかたは多いでしょうか?
ワタシがずっと心に引っ掛かっているものはそれではないかと今日ふと思ったんです。
ご指摘の通りだと思います。
腎障害が進むと、マグネシウムの排泄は悪くなりますが、それも意識下にないことがあり、緩和ケアチームは広くスクリーニングの役割も担っていると感じています。
ですから、内科一般の知識は重要ですね。
肝腎障害を意識しないで、いつものように酸化マグネシウムを出していたなどということがないようにしなければと改めて思った次第です。