緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

川村優希さんの、AYA世代「今を生きる」メッセージ

2017年07月09日 | 医療

(写真は、大会公認アンバサダー佐伯先生の撮影で、
川村優希さんのご了解のもと、アップさせて頂いています)

九州の豪雨、いかがでしょうか。
被害に合われた方、
お亡くなりになられた方、
心からお見舞い申し上げます。
どうか、これ以上被害が広がりませんように。

6月24日(土)パシフィコ横浜では、
市民参加セッションを開催しました。

「拝啓 若者たちへ〜AYA世代の今を“生きる”ことを考えよう」




冒頭の挨拶で、
アクシデントがあり、
これには、ちょっと驚きが・・





ゲストは、川村優希さんと小泉進次郎さんでした。

川村優希さんは、
医師でタレントとしても
活躍していらっしゃいます。

ただ、この日の川村さんのお話は、
いつもとは違っていました。

初めてお話しされる
がんサバイバーとしての
体験でした。



1年以上前になりますが、
マギーズ東京の
チャリティーパーティに
参加させて頂いていた時、
鈴木美穂さんを挟んで
同じテーブルだったのが、
川村優希さんでした。

大学の入学の健康診断で見つかった
悪性リンパ腫 ステージⅣだったそうです。

翌年の日本緩和医療学会学術大会のことを
その席で、少しお話ししたことを思い出します。



名刺だけお渡しして・・・

しばらくたって、
このセッションの2時間の流れの
シナリオを書き、
その中で、お話を頂くことについて
ご相談させて頂きました。

サバイバーとしてのご自身を、
どのように公表していくか、
それまでも、お考えになっていたそうです。

ただ、折しも同じ事務所の小林麻央さんが
がんであることを公表されたころでしたので、
お仕事への影響もあるでしょうから、
ご自身のお気持ちにゆだねることとしました。



ただ好奇の元、話すのではなく、
AYA世代とともに、
生きることを考える、
意味あるものとして
捉えて頂けたように思います。
そして、
マネージャーさんにもご確認くださいました。

しかしながら、お立場を考えると、
思いを馳せても、届き切らないほどの
葛藤がおありだったことでしょう。

川村優希さんのオフィシャルプログ
優希100%なカルテ

に、ご自身の言葉でつづられています。



ああ・・あの時、あるサバイバーの方から言われた
「患者が自分の体験を話すことは
 つるの恩返しなんです。
 痛みを伴うことなんですよ。」
ですから、けして無理をなさいません様に
と、お伝えしたことを
記憶に留めてくださっていました。





6月22日の記事から
=====以下、引用============

市民参加セッションのテーマである『今を生きる』すごく素敵な言葉ですよね(*^^*)

 
過去にどんなことがあっても、未来が不安でも、
私たちには今この瞬間を生きる命が与えられている。
それだけで当たり前でなく特別なこと。
 
 
がんによって失ってしまったものや手に入れられなくなったものを数え上げたらきりがないけれど、
そうではなく、私はいま自分が与えられているものに気付き、感謝をする生き方をしています。
そのように生き方を変えました。
 
 
そのことも今後、少しずつ伝われば良いなと思っています(o^^o)

==========================
同ブログ このあと!
https://ameblo.jp/yuyu-yu-ki/entry-12287123069.html



川村優希さん、とても静かな方って
印象をお持ちの方が多いですよね。
以前、踊る!さんま御殿!!に出演されていた時、
あのさんまさんとの掛け合いにも、静かでした。

それは、もの静かなのではなく、
治療の後遺症で
肺に放射線を2回照射されているそうで、
息切れしやすいのだと思います。

このことも、市民参加セッションの
後のブログに書いていらっしゃいました。

色々なことがおありだったのでしょう。


生き方を変えた・・・と
お話しをしてくださいましたが・・


それには、どれほどエネルギーが必要だったことか・・

川村さんの勇気に
沢山の方が、改めて生きることを
振り返ってくださったことと思います。
抜いてくださった羽を無駄にしないよう
若い方、患者さんとともに
一緒に生きることを考えつつ、
私自身も真摯に生きていこうと思います。


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