緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

肺転移の影は何処に

2007年02月21日 | 医療

有棘細胞がんが臀部にでき
放射線治療をなさった方がいたのですが
放射線皮膚障害が強く出て
疼痛コントロールの依頼が来たのは
もう2年ほど前のことでした。

肺転移を疑わせる陰影があり
厳しいなあという話を主治医に
した記憶があります。

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今日の医長会議の合間。
担当診療科の医長に
恐る恐る尋ねました。

「その後、外来にはいらっしゃっていますか?」

「実は、とてもお元気なんです。
 あの時は、どうなることかと危惧してたのですが・・
 肺の影も大きさは変わっていないのです

当時、疼痛コントロールに
オキシコドン徐放剤を100mg以上投与していました。
「今、20mgまで減量できています。
 放射線障害もとてもよくなってきて・・
 局所再発の怪しいところも無いわけではないのですが・・
 この調子でいけば、中止もできそうです」

オピオイドの量が決まれば
基本的には担当診療科の医師にバトンタッチします。

早期からの緩和ケアの特徴だと思うのですが
長期間オピオイドを内服する方が増えてきました。
でも、特段耐性がつくこともなく
安定していることも多いものです。
そして、状況に応じて、中止も可能になることがあります。

痛みに対して、オピオイドを投与するということは
どんどん量が増えることもなく(耐性も着かず)
身体状況が落ち着けば、やめることもできる(依存も出ない)
本当に安全であることを教えていただいたような気持ちでした。

それにしても、がん治療は行っていません。
肺の影は転移ではなかったのか
それとも、身体的に落ち着いているから進行していないのか・・

疼痛を緩和するだけで副交感神経優位になりますから
免疫改善につながります。
よい状態に体をしてあげる事は本当に大切なことです。

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2 コメント

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オピオイド≠終末期の薬 (S製薬M山)
2007-02-22 21:17:35
こんにちは。
最近、先生の病院のレジデントから「良くなったのでオキシコドンの投与を終了しました。もちろん漸減しましたよ。」とお声をかけていただくことが増えました。
このような情報をいただくと、心の底から嬉しくなります
返信する
年度末の憂鬱 (aruga)
2007-02-22 23:45:26
>もちろん漸減しましたよ
昔、ブチっと切ってしまった上の方の方が・・
一番勉強してくれているレジが、年度が明けると入れ替わり、振り出しになることが多く、その上の指導医のスキルアップがこれからの課題・・です。
返信する

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