緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

クリスマスにあたり振り返ること

2012年12月24日 | つれづれ

今日は、クリスマスイブ
昔、読んでいた聖書をゴソゴソと取り出してきました。
英語のものには、単語の意味など書き込みが色々・・





明日、長男が帰ってくるので、
クリスマスの夕食に、
仕事から帰ってきてすぐに食べられるように
数品作り置きをしておきました。

その一つ。
ハムのムース

薄切りバケットをカリカリに焼いて
このムースをのせて食べると美味しいのです~






大切な方から、素敵なプレゼントを頂きました。

ご家族が旅立たれて10年近くになります。
先生のような医師を育ててください・・
と、宿題をくださった方でした。

こうした出来事が、
クリスマスの内省の時を私に与えてくれます。



見えないものに気づけるように・・
と書いた、3年前の記事。
改めて、心に刻みたいと思います。




*以下、再掲です******



今日は、病院の西側の窓から、
夕焼けに染まった地平線に
くっきりと富士山の影を
それは、美しく見ることができました。


ある方がこんな風に話してくれました。




下の子が小学校のとき、がんであることがわかり
自分の人生は多分、子供が高校に入るころ、転機になるだろうと思いました。

ですから、中学校受験を勧め、高校受験がないところを選びました。

中学に入ったら、正確な病名を伝えることにしました。

そして、病状を時に伝えてきました。



子供が高校に進み、今、やっと3割位のバトンを渡せたように思います。

まだ、十分ではないかもしれないけれど、しかたありません。

そろそろ、近くなってきました。





衝撃でした。
10年近く、どのような気持ちで母として、お子さんに接していらしたのだろう。

天命を悟りつつも、懊悩する日々・・

まるで、十字架を背負って10年近く歩み続けられた姿が
二重に映ったように思えました。





最近、思惟の境地で思うこと・・

目に見えないものを、
大切なものとして、
気づくことが出来ていますように。


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6 コメント

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親の思い (レンコン)
2009-12-25 12:43:16
私は健康で4人の子供を育て上げてきましたが、子を思う親の気持ちはとてもよくわかります。母から子へ。命のリレーなんですよね。自分の生きてきた色んな思いを折りに触れて子どもに伝えて行く。そして、それが大人になった時、子供の中で芽生えてまた次の世代に培われていく。母は特に血肉を分けて我が子を育てるわけですから、強くなるんだと思います。でも、時としてもろく崩れてしまう時もありますけどね。この方の人生を考えた時に思わずグッときてしまい、言葉がでませんでした。苦しい時を経て自分の人生を受け入れ、前向きに生きていかれた事、そして、この話が聞けた事を私も決して忘れずにまた子どもに伝えて行きたいと思いました。ありがとうございます。
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子もまた・・・ (こぶた部屋の住人)
2009-12-25 23:19:40
病気と真正面から向き合える勇気と、子の成長を自分の命の残りに重ねる苦しさを思えば、言葉になりません。
昨夜、47歳のお母さんが静かに旅立たれました。
彼女には、高校生の女の子と、22歳の息子がいました。女の子は、すぐパニックになるお父さんをよくサポートして、最後までお母さんのそばで気丈に介護をしていました。
私が知っている限り、彼女が人前で泣いたのは、お母さんが亡くなってからです。
昨夜は彼女がお母さんの死に化粧をしたそうです。とてもきれいでした・・

どんな思いでこの数年間、母の病気をみていたのかと思うと、一人の母として胸がいっぱいになります。

彼女の母もまた、子へのバトンを渡し続けたのでしょうか・・・?
彼女は、バトンをしっかりと胸に抱えていたのでしょうか・・・?

時々。苦しむ人のそばにいる事が、とても辛くなります。

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Unknown (jun)
2009-12-25 23:42:40
ご無沙汰しております。再び先生に(勝手に)話しかけたくなりました。しばらくパソコンを開いても、なぜだかここにこられませんでした。毎日があっという間にすぎて、と思ったけれど、まとめ読み(!?)したら、1か月ちょっとだったので、なんだか追いつけた気がして嬉しくなりました。昨日も今日の今もぽつり職場に残っていましたが、読んで気分がよくなりました。セイコサンも蝸牛もいろいろ色々、素敵なお話をありがとうございました。やはり、感謝です。
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コメントありがとうございます (aruga)
2009-12-27 15:47:03
レンコンさん
レンコンさんの、強くもあり、優しくもある母としての姿勢に心打たれます。記事に書かせて頂いた気持ちをくみ取ってくださり、本当にありがとうございました。

こぶた部屋の住人さん
ブログ訪ねさせていただきました。
「かなわない思い」という記事をコメントに重ねながら拝読させて頂きました。
悲しいけれども、言葉にできない優しさを感じます。
丁寧なケアを受けることができたご家族は、ご自分達の中にある力を目覚めさせていかれるものだなあと思いました。

junさん
こんにちは。
お立ち寄りくださり、そして、コメントを残してくださり、本当にありがとうございます。
頂いた言葉を励みに、また、しばらく書いていけそうです。
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成長のタネ (わかめちゃん)
2012-12-26 17:52:17
人は、大事な人と別れたり、離れたりした時、相手が例え生きていたとしても、とても悲しいのです。そして、どうにも出来ないこととして受け止め、受け入れることが出来るようになった頃、思い出を探すことができるのだと思います。そして、すぐではないかも知れませんが、「気づき」に出会うのかも知れません。

お母さんが遺してくれたもの・・・「勉強しなさい」であるかも知れないし、人として生きていくうえで、もっと大切なものであるかも知れない・・・

それに気づけるようになることが、成長の種なのですよね。
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わかめちゃん (aruga)
2012-12-31 23:22:11
気づくことが、成長の種・・・本当にそうですね。
感性を磨くことが、自分を育ててくれるのですね。コメント、ありがとうございました。
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