緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

緩和ケア病棟の同窓会

2011年06月08日 | 医療

ある時、後述の丸口さんからメールが来ました。

ん。んん・・・ なんだろう・・・

で、お目にかかってみたところ、

「6月4日の土曜日は、夕方から時間空けておいてくださいね」

とのこと。



12年前に2年半ほど勤務していた国立がんセンター東病院
(今は、国立がん研究センターとなっていますが)
の、緩和ケア病棟に勤務していた人達で集まる会があるので・・
ということでした。

12年を引き算して眺めてください。

焦点はあっていないように見えるかもしれませんが、
ほどよいシャドーイングということで・・・
クリックすると大きくなります。

当時、患者さんから、
「ここの緩和ケア病棟の看護師さんは、皆本当にきれいだけど
 私たちの慰めのために、面接でそんな方を選んでいるのですか?」
と、真顔で聞かれたことがありました。

「面接で意図的にそうしているのではないのですが、
 痛みを抱えた方のケアに関わりたい、
 人を支える仕事をしたい
 と感じている方は、皆綺麗になるのですよ」
って答えた記憶があります。

何て素晴らしい回答でしょう!!!
ね。そう思わない?! 

懐かしい方ばかり。
まったく一緒に働いたことがない方もいらっしゃいましたが、
全然違和感がないのです。
時が違っても、
変わらないコンセプトで病棟が運営されていたからでしょう。

頂いた名刺を見て、
そういえば、大御所が
「芽ってかいて、”め”ってよまないスタッフがいてね・・」
なんて、退職された後の看護師さん達が
当時の日常会話の中に登場していたなあって
思い出したりしました。






彼女たちは、本当に、素晴らしい医療スタッフでした。

でも、その素晴らしさに、私は明らかに甘んじていました。




その証拠に、離れた後が大変だったこと、大変だったこと・・

緩和ケア病棟の看護師さん達は、
みごとなまでに、看護のプロでした。
医師とはあくまで対等のパートナーでしたから、
議論すると本当に勉強になりました。

その流れで一般の病院にうつると、
”一般病院の看護師さんは
何故、小さな医師を目指そうとするのだろう
専門職のパートナーじゃないの?”
なんて、思うのですが、
看護のプロフェッショナルというより、
医師の指示が確実に実行できる看護師さんが評価され、
看護力に対する見方を
まずはリセットせざるおえませんでした。

当時、患者さんの支援は
できる看護師さんが先にどんどん進めてくださっていたため、
私は、相当楽をしてしまっていました。
ですから、離れた後が、
暗中模索・・・

まさしく、自己研鑽の旅でした。

苦労はしましたが、
その甲斐あって、
今では、患者さんがどんな状況であっても、
何らかの突破口を見出す力をつけることができたと思っています。

今、彼女たちと一緒に働くことができるならば、
きっと、あなたは いい医者だ
と言ってもらえるように成長したと思っています。

当時は、それほど医師として幼かったと思います。
そのことを思い出すことができたことが
今回、多くの方にお目にかかった甲斐があったというものでした。

(今回の同窓の仲間は、がんセンター東病院の緩和ケア病棟には現在は誰も残っておりません。
 この記事は、現在の病棟の質を保証するものではありませんので、あしからず・・)




今回・・ さらに・・・
いかに幼かったかということを思い出すだけに留まらず、
いかに年をとったか自覚することとなりました。

なんと、私、会場について
財布を忘れていることに気が付きました。

あちゃ~ 

自宅から1時間かけて会場についたにもかかわらず、
全然、気が付いていなかったのです~

お~っと、来たか、短期記銘力障害 ♪♪

で、参加費を、当時の病棟婦長で、今がん研究センターの看護部長の
丸口さんに すみません!!とばかりに8000円お借りして、
何とか楽しい会に参加することができました。

いや~

お恥ずかしい・・ 

失笑・・





成長と老化を自覚した
本当に・・・
意味ある会でした・・・

トホホ・・ 


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4 コメント

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先生らしい?らしくない?(^_^;)(笑)。 (PANDAの妻)
2011-06-08 01:02:39
お財布をお忘れにぃ~?!なぁ~んだか、先生らしくなぁ~い感じが…(^_^;)。でも、お会いしてお話をしてみたら、お茶目な先生かも(^^)!なんて、思ってしまいました。(^_^)。


昨年秋、移転するということで、25年ぶりに出身大学に足を踏み入れました。
私の為にわざわざ迎えに来てくれた同級生と後輩。
2人と会った途端に、時間が25年前になるのが、嬉しくもあり、不思議さもあり。
でも、大学構内は確実に年月を重ねていました。

自由と自己拘束の闘いをしながらの学生生活は、青春でした。
ドラマよりリアルなこと、たくさんありましたし(^_^;)。
すっかり思い出です。

歳を感じることは…、毎日、娘の幼稚園の送り迎えでしっかり自覚しております(^_^;)。
返信する
PANDAの妻さん (aruga)
2011-06-09 23:31:20
こんにちは~
病院の中では、あちこちに物を忘れてきて、探すのが大変で、大変で・・などということがあります。
スケジュール管理も、手帳に頼っていますが、書くのを忘れそうになることも・・

昔を出会う時間って、いいものですね。
風景が年を取っているって、わかります!!!本当に、そうですよね。建物が古ぼけてきたり、木が茂っていたり!
返信する
有難うございました。 (ALL)
2011-06-15 21:08:16
国際で患者としてお世話になり、先日もご一緒出来て大変嬉しかったです。

遅ればせながら、改めてお礼申し上げます。

私は、腰椎椎間板ヘルニアでPCUを退職後、中小規模の病院,医院などで勤務しました。

圧倒的劣等生の私ですが、様々な驚愕と恐怖体験を致しました。
確かに、医療にレベルが存在していました。

そこで生きて行かなくてはならないので、心折れながらも、基本ラインの義務改善を数々してきました。

この日の先生のお話をお聴きして、力を頂きました。

看護師兼患者として、医療で傷つく事もあり、途方にくれる思いをしました。

いつかまた現場で、この経験を生かしたいと思っています。
その為の力も頂きました。
有難うございました。

先生も、くれぐれもご自愛なさってください。
益々のご活躍を応援しております。
返信する
コメントありがとうございました。 (aruga)
2011-06-17 22:51:38
ALLさん(・・・って、ALLを乗り越えた方へとした方が適切ですねぇ)

突然の病院での再会から、何年経ったことでしょう。
よくぞ、乗り越えられました。
到底、心は及ぶことはできないような出来事が幾つもおありだったことと思います。
でも、また、再々会できたのは、そうした出来事があったからこそに違いありません。
また、お目にかかりましょうね。
その為にも、健やかにいられますように!
返信する

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