緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

死の終りに冥し

2023年11月19日 | つれづれ
11月初め
高野山は紅葉が進んでとても綺麗でした。

紅葉が進んでとても暖かで
20度はあったでしょうか。
とても過ごしやすい晴天でした。

その翌週には
初雪。。

今は
0度の日もあるようです。





生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終りに冥し

西暦830年頃の空海の著書
『秘蔵法鑰』の序論は、この言葉で結ばれています。



輪廻転生。
その始まりの生はどこにあったのかわからず、死の行方も奥が深くわからない。



ある寺院の解説には次のように書かれています。

自分はどこから生まれ、どこへ死んでいくのか、生まれるとは何か、死とは何かと言う一大事を、人はなおざりにして何も考えずに人生をおくっている。
とても有名な空海の言葉。密教の教え「輪廻転生」とは、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道を巡る迷いの再生である。人は迷いの世界を巡り、暗闇の中から抜け出せない学習能力の無き者。そろそろ自分の一生に、宇宙大の世界観を当てはめ、輪廻から離脱しようではないか。


仁和寺のページには・・
いくら生まれ変わっても、その前を知らないように死を繰り返しつつ、そのあとも知らないのが私達のようです。それどころか今生かされているこの世のことも、自分の事は自分が一番よく知っていると思い込んでいるようですが、それさえも危なっかしい錯覚のようです。



何と深い言葉・・
ただただ胸打たれ

生の始めに暗く、死の終りに冥し

その人生をどう送りきるか、ただただ真摯に誠実に歩みを続けるしかない自分に正直に律していこうと思いつつ下山した秋の日でした。





それにしても驚いたことが・・

高野山では、どんな宗教を持っていても、望めばご供養していただけること。





私にとって、今回は先祖供養の旅でもありました。
朝のお勤めに参加して、単回でご供養を行っていただくことも可能でした。
(一人2000円のご供料)


それだけではなく、
永代供養を行っていただけることもわかりました。

一人一人の亡くなった日と俗名だけでも、戒名がわからなくてもご供養していただけます。
家をまとめて、〇家としてご永代供養していただくこともできます。

名前や〇家として記帳し、それを永代的にご供養していただく方法もあれば、
喉仏等の遺骨を納骨堂に収めていただきご供養していただく方法(これが驚く程、お安いご供料で)、ご位牌を作って永代供養を行う方法もありました。




私の生家は真言宗で、遠方にあって思うようにお墓参りができない私にとって、罪深さや申し訳なさをずっと感じ続けてきたのですが、とても救われた気持ちでした。

宿坊として泊めていただいた寺院では、誰もが知っているお名前の方のご位牌があり、その中にご位牌を置いていただくことをご相談でき、永代的にご供養を続けていただくことが叶いました。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (bakenekodiary_tango)
2023-11-19 20:04:27
空海様のお言葉が、とても心にしみます。
返信する
Unknown (しましま)
2023-11-19 21:27:22
「自分はどこから生まれ、どこへ死んでいくのか」など考えたのは思春期に一瞬あったかもしれませんが、大人になって久しい今は大体毎日ぼーっと生きています。

しかし「毎日を真摯に誠実に」というのは、知らず知らずのうちに心がけているように思います。その方が死ぬ日が来た時に後悔しないように思うからです。
こんな感じでいいのでしょうか。
返信する
Unknown (e3693)
2023-11-19 21:35:29
@bakenekodiary_tango さん

そうですよね。
本当に。

aruga
返信する
Unknown (e3693)
2023-11-19 21:49:11
しましまさん

過酷な修行を一生かけて取り組んで亡くなって仏になるのではなく、生きているうちでも即仏になることができるという教えだそうで、少しでもその道に寄せていくことが大切なのだと凡人なりに感じました。
一歩でも半歩でも努めていこうと思う心は私もしましまさんと同じです!

aruga
返信する

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