先週末は高野山。
そして、1週間はバタバタ・・
そんな中・・
そんな中・・
市民の皆さんに研究を知ってもらえるような面白い論文がないかなあと探していました。
ん・・
この研究者、どこかで見た名前・・
偶々見たちょっと変わった論文でした。
犬と猫、どっちが認知症予防によいか・・
ええ。。どっち?!
大学時代
全学のダンス部で頑張る一方、レポートや過去問題欲しさに引き受けた医学部の準硬式野球部のマネージャー。
その野球部の先輩の名前を、論文の共著者の中に発見っ!
北村明彦先生・・
ということは、都立長寿医療センター研究所からの報告!!
Prev Med Rep. 2023 Oct 7:36:102465.
doi: 10.1016/j.pmedr.2023.102465. eCollection 2023 Dec.
犬と猫、どちらを飼っていた方が認知症になりづらいか。
明らかに効果があったのは・・
結論からいうと・・
結論からいうと・・
犬!
2016 年から日本の11,194 人の高齢者を対象にし、4年間の追跡研究。
2016 年から日本の11,194 人の高齢者を対象にし、4年間の追跡研究。
この間に、認知症を発症した人は1万余人の5%
この認知症になった人の内
犬を飼っていた人は3.6%
飼っていなかった人は5.1%
猫を飼っていた人は4.5%
飼っていなかった人は5%
これを関連性を見るオッズ比でみてみると
犬を飼っている人が
飼っていない人に比べて
認知症になるのは
10分の6倍低い
つまり
2/3程度に抑えられる。
飼っていない人に比べて
認知症になるのは
10分の6倍低い
つまり
2/3程度に抑えられる。
0.60(95%CI:0.37~0.977)
猫を飼っている人が
飼っていない人に比べて
認知症になるのは
ほぼ変わらない。
0.98 (95 %CI: 0.62-1.55)
その理由は・・
犬の世話や散歩をさせることは
・運動習慣などの身体活動
・社会的交流につながっている
・運動習慣などの身体活動
・社会的交流につながっている
これらのことで
高齢者の認知症の発症を予防していると先行研究を引用して結論付けています。
ちなみに
犬の散歩をしている犬の飼い主は、少なくとも 150 分間の中強度の身体活動を達成する可能性が 2.5 倍高くなるのだそうです。
確かに、猫を連れて走っている人はいない・・
この論文の優れたところは、日本の研究であること。
海外の論文は、海外の生活習慣に影響を受けますから、日本人にとっては参考程度です。
日本人でコロナ前の状況を10000人以上の普通に生活している人を追跡していって、疾病を発症することを観察していったもの、まさに、私たち自身を調査の対象にしていることにあります。
また、
後ろ(過去)に遡った研究は、結果がわかっているため、研究者の恣意的なものが含まれてしまう可能性があります。
でも、
研究をスタートした時点では結果はわからず、そこから前に(将来)に向かって追っていったものは、誰の意思も嗜好も影響を受けず、病気が発症するかしないかを見ていくため、とても、質が高い研究なのです。
さらに
最近のpropensity score matching(傾向マッチングスコア)という方法を用いているところ。
犬や猫の飼い方と健康とをマッチングさせてその傾向を見ているのだそうです(この手法は私は超素人のため、読み間違っていたらすみません)
これを、社会医学的研究のコホート研究と言います。
それにしても、
犬を飼っていて定期的な運動習慣がある人は、オッズ比はOR が 0.37 (0.20 ~ 0.68)
つまり、犬を飼い、運動も社会的交流もある人は、認知症の発症を1/3程度にまで抑えられるということも報告されています!
dandy-hidechan52のおたかさんです
今日ご紹介していただいた研究論文、とても納得しながら読ませていただきました
夫のリタイヤに合わせて始まった田舎暮らしですが、娘が散歩が必要な犬をプレゼントしてくれました
知らぬ土地で、高齢者が歩いていても声かける人少ないけど、犬連れだと子供たちも気軽に声掛けしてきて、犬を通して触れ合うことが多いのです
最低でも毎日5kmは散歩する生活は、娘の心配していた 父親の社会との断絶と運動不足を上手くカバーできていると、ますます確信しました(もちろん私の運動不足も解消)
いつも貴重なお話を、ご紹介していただきありがとうございます
研究のPICOを理解できないと、猫好きさんとか、えっ?!って反応しちゃうかもです。
(研究者は医師でも医師会にはほとんど入っていないです)
毎日5kmですか!
すごいですね。見習わなければって思いました。
コメント、ありがとうございました。
ただ、PICOは臨床研究の介入研究に用いる言葉。
これはコホート研究なので、研究の目的を超えたことを言っていないことの理解という言い方ではいかがでしょう?
けして、猫と犬、どっちが良いみたいなことを言っているのではなく、あくまでも認知症の発症予防に限定した研究という理解が大切という意味ですよね。
ちょうどブログでわんこの事を書こうと思っていたので、この記事をシェアさせていただきます。
これは、認知症に関しての研究ですが、わんこもにゃんこも、人を幸せにしてくれる存在に違いはありませんね。
急に寒くなりました。ご自愛ください。
やっぱり犬なんですね。
その理由も「そうだな~」と思いました。
論文、これから読みます(^^;
私、犬も猫も飼っているので、こちらの論文、感覚的に良くわかります。犬は散歩も必要ですし、猫よりもお世話に手がかかりますが、それ以上に犬は猫よりも飼い主を必要としている感じがあります。その圧が重くてこの頃は猫派になっていますが、誰かに必要とされるのは認知機能的にも大切な事なんですね。すごく勉強になりました。
ペットは大切な存在ですね。
いつも、温かな言葉と共にお訪ね下さり、本当にありがとうございます!!