緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

ある薬剤師さんの困り(5)

2008年09月08日 | 医療

以前の病院で、本当に苦労しました。


外科系某科では
レスキューの使い方
処方の書き方
指示の出し方
すべて具体的に伝えても
数症例上手くいって何人かの医師が覚えてくれても

回診で主任教授が
「何そんな白い粉でチマチマやってんだ。
 ブロックでもバンとやってもらえばいいんだ」

その一言で、それまで積み上げていったことが
全て振り出しに戻っていきました。

結局、その診療科で速放剤を使った
レスキューの処方がでるまで、2年かかりました。

(2年です!)




これは、その大変な大学病院の中では
ホンの一例に過ぎません。
もう、ここでは語ることも阻まれる大変続きでした。


でも、そのお陰で、私は随分鍛えられました。
コンサルテーションのあり方を学ばせてもらいました。

オピオイドを理解できていない医療者に
どうすれば安全に伝えることができるか
会得する機会も貰いました。
(つづきます)

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6 コメント

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患者さんのために (Morishita)
2007-03-10 02:09:28
先日、よみうりホールでは貴重なお話を聴かせていただきありがとうございました。徳島で薬剤師をしているものです。

最近、私の働いている病院でも緩和ケアの必要な患者さんが増えています。しかし、疼痛コントロールはもちろん、便秘症状に対しても不十分とは思うのですがどのようにDrへ疑義すればいいものかと悩んでいます。
私の職場のDrは基本的にモルヒネの硬膜外投与しか行っていません。
以前、疼痛コントロール不良の患者様にオピオイドローテーションを行ってはどうか?との話をしたところ
「入院してて持続点滴も出来るのだからモルヒネでいいじゃない。それをする意義も理解できない。がんセンターや大きな病院が推奨しているならしてもいいけど」
と跳ね返されたそうです。
緩和医療への関心もとても低く、心のケアが必要な患者様に対しても、「患者が先生に話したら安心するから診察受けたい」と申し出ても
「あの人は診る必要なところはないから薬切れたとき以外来なくていい」と診察も拒否。
「そんなにいうならそっち(薬局)で相手して」
と言われてします。
そんな先生に疼痛コントロールの重要性を知っていただくためにどうすればいいのでしょう・・・
そんなDrと共に働いていることに時々嫌気がしてしまいます。

それからもう一つ教えていただきたいことがあります。現在入院している患者様の家族にモルヒネの使用を頑なに拒否している方がいます。(眠気によって介護が困難になるためだそうです)
現在は無理強いせずに使用していないのですが、その上NSAIDsも使用していません。
DrはNSAIDsではコントロール不可の判断で使用中止しモルヒネの選択をしたようですがNSAIDsや鎮痛補助薬のみでは疼痛緩和には全く役立たないのでしょうか?もしよろしければアドバイスをお願いします。
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コメントありがとうございます (aruga)
2007-03-10 23:50:38
今回シリーズで書かせていただいたことが最初の回答になろうかと思います。医師に焦点をあてるのではなく、患者さんに焦点をあて、共に考える姿勢や協力をしていく姿勢を持つことです。詳細は記事を読んでいただければと思います。

モルヒネを拒否されている患者さんについてですが、もし、腎機能障害があれば、強い眠気が出る場合があります。医師の方針の意図をまず聞いてみていただいたほうがよいのではないかなあと思います。その場合は、NSAIDsは使えないこともありますから。
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こつこつと、、 (ゆきんこ)
2008-09-09 23:27:19
こんにちは。先生はコツコツとお薬の使い方を広めてこられたのですね。最近上手く物事が進まなかったりして、一人で焦ったりしていたのですが、コツコツ頑張ればいいんだなと思いました。
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いい言葉ですね。 (aruga)
2008-09-10 21:08:17
ゆきんこさん
お立ち寄りくださりありがとうございます。
こつこつと、、、本当にそのとおりです。
無理せず、焦らず、こつこつと、、気がつくと晴れ間が見えてきていました。
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6年かけて (atusato)
2008-09-10 21:23:58
最近、ある先生が2回、指名して呼んでくれました。ここに書かれているような先生です。私達の影が見えるだけで、そうすると絶対に患者が楽になると思われることを拒否します。一時は、病棟のNsにこっそり知恵を授け、私は影も見せないようにしたりしました。間に立たされた病棟看護師も大変でした。でも6年こつこつとしていると、変わるものです!本当になぜ突然呼んでくれるようになったのかさっぱり分かりませんが、お役に立てるように、嫌味を言わないように、アサーティブに話しかけ、そして、「呼んでくれてありがとう」と必ず付け加えるようにしています。
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atusatoさん (aruga)
2008-09-10 21:30:48
心地よさを感じてくれると変わってくれるものですね。陽性体験と言いますか。
時に、なんであいつのために、こんなに我慢していなければいけないんだろう・・なぁ~んて思うこともあったりしますが、atusatoさんは、あらまあ・・何て微笑みながら、立っていらっしゃるようなそんなイメージがあります。
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