江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

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「倭訓栞(わくんしおり)、後編」でのカッパ、カワタロウの記述

2024-10-06 20:09:18 | カッパ

「倭訓栞(わくんしおり)、後編」でのカッパ、カワタロウの記述

                   2024.10

かわたろう:
かわろう、河童の意。ろう(郎)は、童の訛ったものであろう。がわ太郎また川小僧、また川の殿という地区もあるようである。
ある説に。かわどうの訛ったものであるとか、水虎(すいこ)の訓読みであろう、とも言う。
顔は、はなはだ虎に似ている。
大きさは、狸くらいである。
水?(虫偏+温ーサンズイ)、別名水精、ともに同じ。
西国では、カワッパと言い、越後の方言では、カッパと言う。
あさざ(水草)をカッパの魂とも言う。
非常に猿を恐れる。
猿は、カッパを見れば、必ず殺す。
髪は、大変に長く、子供は、口から産むと言う。
また、刀で斬ることができないが、麻?(あさがら)をけづって剌せば、通って傷つけることができる。
又鹿の角を嫌うものである。
又、児童を誘って相撲をする。
その河童と相撲をして気を取失った者には、しきみの皮で作った抹香を水で呑ませば、正気に成るとも言う。

三角な頭の頂上に凹んだ所があって、水をいれている。この水を失えば、勇力を損ずる、とも言う。
胡瓜、又マクワウリを盗み喰い、牛馬を盗み出して乗る。
その乗られた牛馬は、役に立たなくなる。

又、能く婦女をだまして淫する。それで、嫁にいけなくなる女子がいる。

又、人を水中に引入れて、肛門より手を入れて肝を取る、と言う。

又猿猴(えんこう)と呼ぶ。
手の肱が左右に通りぬけて滑らかである、とも言う。

「倭訓栞(わくんしおり)、後編」広文庫より



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