国論を二分する。
高嶺の花専務の降格は、世論を真っ二つに分けた。組織に身を置くサラリーマンやスモン石鹸愛用者は、概ね処分を指示した。
やはり、会社への報告義務違反や不遜なその態度は好感を得られなかった。
一方、リベラル派の評論家や法律家は世間の常識とのずれや法的正当性がないと批判した。
しかしここで詳しく書くが、スモン石鹸はそもそも世間とは大きくかけ離れた会社なのだ。
こんな人もいます。
まず驚くべき事に、営業社員は頭にちょんまげを結っている。古式ゆかしく石鹸を販売するその行為は、
神事とされ世間一般の販売員とは一線を画している。明治維新の「帯刀禁止、髷の禁止令」で刀の所持は禁じたが、
ちょんまげは許されてきた。皆さんも、近所にちょんまげを結ったスモン石鹸の販売員が訪ねて来た時があるだろう。
また、トップセールスになると、露払いを先導にかばん持ちが営業かばんを携えて営業部屋に入場する。
その姿は神々しくもある。営業ランクが下がると、上位者の手伝いをするなど徒弟制が色濃く残っている。
その様に行動様式始め、すべてにわたり世間とずれているのだ。その事を守ることでスモン石鹸の伝統を守って来たのだ。
世間と同じ価値観を押し付けてはならない。
しかし、暴力はだめだ。見つかっては駄目だ。営業現場の詰め場でふるう暴力は、愛のムチ。そう思う社員たちで成り立っている。
実際、今回の事件でもう一人殴られた照子の富士は、殴られた後、「ごつぉあん!です。」と言った。
殴られて、ありがとうの感謝の言葉を述べる。それが世間とどれだけずれているか?
民主的な会社ではないのだ。
販売力がすべてだ。数字が人格。名言だ。