⑦愛人と妾(めかけ)
「めかけ」は、関西では「てかけ」である。目をかけるのか、手をかけるのかの違いだが、情けをかけるのはいずれも同じだ。手?を使って情けをかけるのだから関西の方が直線的であるのが良い。
朝ドラ「らんまん」より
まず、「めかけ(妾)」は専属の愛人であり多くは男が所有する家屋に住んでいる。場合によっては子供もいて合わせて面倒を見ている。戦前なら小間使いの女も置いている。ほとんどが本妻も承知の関係である。肉体関係は必須でもなく、むしろ疲れた体と心を別宅で癒すことも多い。一方、愛人は独占的であるかどうか限らない。契約次第であろう。肉体関係を主な目的とするものなので子供を作ることは少ない。従って、関係性に永続性ではなく、女性に魅力がなくなるか男性にその能力がなくなれば普通終了する。契約売春にほぼ近いとも言える。従って、愛人は職業とも言えるが、めかけは職業とは言えない。おめかけさんと丁寧に呼ばれることはあっても、愛人さんとは決して言われない。
筆者の愛人のイメージ
似て非なるものに、恋人がある。青春のときめきを思い出すが、愛人もめかけも出会った最初は恋人のようなときめきがあったと思いたい。決して、写真やSNSサイトで選択した相手ではなくお互いに惹かれる何かがあってたまたまその形式が、「愛人」や「めかけ・てかけ」という不自然で意図しない形になったのである。
いずれにしても筆者には全く無縁な話である。