南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

知る人ぞ知る深夜放送逸話

2006-08-13 15:01:25 | Weblog
昨日は高校の同窓会話だったついでに僕の高校時代のとっておきの話をしたい。

僕が学生をやっていた時代、特に受験生と呼ばれた頃は「ながら族」なんて言葉が流行り、多くの高校生たちはラジオの深夜放送を聴きながら勉強していた。
あの頃は今みたいにFMラジオじゃなくAMラジオが主流で、しかも長崎ではまともに聴けない局の周波数をなんとか合わせながら文化放送の「セイヤング」やTBSラジオの「パックインミュージック」を聴くのがひとつの優越感にもなっていた。
今でこそテレビ界の著名人になってしまった久米宏さえも深夜放送の中ではここまでやるかという馬鹿さ加減を目いっぱい披露してくれていた。
 特に衝撃的デビューを飾ったのは今でも続いている「オールナイトニッポン」であった。
最初はミュージシャンやタレントがパーソナリティーを務める現在の方式じゃなくて、カメさんこと現ニッポン放送相談役の亀淵氏を始めとする局アナがDJを務めるという金のかからない、それでいて支持率の高い番組を作り上げていた。
「オールナイトニッポン」だけは僕も欠かさず聴き続け、後に吉田拓郎や加藤和彦などの大物アーチストが担当するようになって益々のめり込んでいった。
 その加藤和彦大先生が担当するある日、長崎県の五島列島の奈留島から届いた1通の手紙が紹介された。
差出人は僕と同じ年の高校生で、自分らの学校には校歌がないのでどうか作って欲しいという純粋なお願いであった。
よくもまたそんな手紙を出すもんだと感心して聴いていたら、お願い事は何でも言ってみるものである。
なんと放送の中で加藤和彦は歌を作る事を約束してしまったのである。
それから1週間後加藤和彦が作曲した幻のデモテープ紛失事件をきっかけに、改めて校歌制作の白羽の矢が当時はまだ無名だった荒井由実に立てられる事になった。
僕としては加藤和彦の作ったやつがどうしても聴きたかったけど、今となってはあの事件のお陰で『瞳を閉じて』という名曲が生まれたのだからそれはそれで良かったのかもしれない。
奈留高校では卒業式の時は必ずこの歌が歌われるそうだが、たった一人の高校生が深夜放送に送った1通の手紙が後に日本の音楽シーンに偉大な足跡を残すユーミンを引っ張り出させるとは、なんて素晴らしい話であろうか。

 実は時を同じくして「オールナイトニッポン」にはもう1通の手紙が長崎の高校生から送られてきていた。
内容は校歌を作って下さいなんて話ではなく、全国放送のラジオを通じて真夜中にギター弾きながら歌わせてくれという無茶なお願い事であった。
しかし例によってお願い事は言ってみるものである。
「じゃ、やってもらおうじゃないの」と彼のもとへパーソナリティーは本当に電話をかけ始めた。
次の瞬間!
「まさか・・・」と思った僕の予感は的中し、夜中の2時という時間にもかかわらず我が家の電話は鳴り出したのである。
結果として僕は全国にラジオを通じて大恥をさらしたのであるが、それはそれで青春の思い出として決して後悔はしていない。
奈留島の高校生が成し遂げた偉業の陰で密かに伝えられている深夜放送逸話と自分の中では位置付けているのであります。

同窓会でタイムスリップ

2006-08-13 01:44:01 | Weblog
高校の同窓会に出席してきた。 
我が母校の13回卒業生の同窓会がなんと30年ぶりに開催されるということで行ってきましたが、みんな変わっていたというか、面影がそのままだったりとか予想以上に楽しいひと時が過ごせました。 
頭が見事に禿げてしまい先生だっけと間違われそうな男子、すっかりおばさんになってしまい長時間見つめるにはちと酷な女子とか人間の老け方にも個人差があり様々であることがよく分かった。 
中には何で!と思うくらいに若々しく女子もいたりしてその若さの秘訣を聞き出したいくらいであった。 
多くの友人と名刺交換をしたが、結構みんなこの年になると会社でも出世している奴が多く、中には独立して代表取締役という肩書きも多かった。 
僕の場合、個人名しか書いていない名刺なもんだから、「何やってるの?」と必ず聞かれてしまい、詳しく聞きたいなら「後日電話してよ」ともったいぶってかわした。 
僕の学校は進学校だったから、成績の競争はとにかく激しかった。 
もちろん僕はついて行けない派に属していたが、今になって思うと成績がいいとかいい学校へ行ったからとか関係ないように思えてならない。 
要は人間、いかに自分の人生を楽しく強く生きているかである。 
次みんなに会えるのは何年後になるかわからないが、その時も僕はどんな生き方をしていると胸を張って言える人間で在りたいと思っている。 
同窓生っていいもんだとしみじみ思った今回の同窓会であった。