明日を夢見て~神様と筋ジストロフィーと共に生きる~

クリスチャン。デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者で電動車椅子と人工呼吸器を使っている。

永遠と一日

2011年01月16日 22時18分02秒 | 映画
映画「永遠と一日」

19世紀の詩人ソロモスについて研究している主人公アレクサンドロス(詩人)は、重病を患い、追憶に慕っている。

最愛の妻を亡くし、自分の妻と過ごしたかけがえのない海辺の家を、娘夫婦に売却される。自分の居場所さえ無くなり、大事な思い出の家を失い、余命わずかのアレクサンドロスは、孤独の中を彷徨っていた。旅に出ようと決意したが、何処へ行こうとも、新しい世界など見つけられそうもない年老いたアレクサンドロス。

そんな中、ギリシア系アルバニア人の難民の少年と出会う。家族を失い、生まれ故郷を捨てたが、海の向こうに新しい世界を夢見ることのできる少年。

2人とも居場所がないという点では共通している。

過去と現実が交錯する物語。冬の厳しい寒さと現実の閉塞感によって心を圧迫されるアレクサンドロスにとって、唯一の幸せは、妻と愛し合った夏の海辺の時間。アレクサンドロスの追憶の中で、幸せな過去のイメージが壮大に広がる。

また少年は、共に国境を超えるという命がけの旅をした親友セリムを亡くす。そして少年は、難民の仲間たちとフェリーで旅(密航)すると言う。

アレクサンドロスは少年を誘い、海辺の循環バスに乗る。コミュニストの青年、喧嘩をする恋人、弦楽科の音楽学生たち、そして詩人ソロモスが同乗する。この循環バスは、アレクサンドロスの魂の中を運転しているのだろうか。ソロモスは「人生は美しい。そう、人生は美しい」と言う。アレクサンドロスは、下車するソロモスに「明日の長さはどれくらいか」と尋ねるが答えは無い。

その後、少年は難民の子供たちと共に、フェリーで海の向こうの新しい世界へと旅立つ。

翌朝、懐かしい海辺の家で、アレクサンドロスは、昔と同じように親戚と妻アンナに再会する。アレクサンドロスがアンナに「明日の長さは?」と尋ねると、アンナは「永遠と一日」と答える。そしてアレクサンドロスはつぶやく。「詩人は死することはない。言葉で過去を連れ戻すからである。すべては真実で、真実を待っている」と。

まるで叙情詩が映画になったような作品だった。理屈ではなく、感じる映画だと思う。

ひとつひとつの言葉が美しい。ギリシアの青い海、静かに流れていく河、アルバニア国境付近の雪などの自然が作品をより美しくさせる。また、過去の光と現実の闇との対比がとても切なく感じられる。

詩人とは、自ら紡ぎ出す言葉によって時空を超え、過去や未来の人物たちと語り合うことのできる存在なのだろう。言葉はいつまでも消え去らない。

まるで永遠は一日のようで、一日は永遠のようだ。この逆説を随所に感じられた。まさにアレクサンドロスが妻アンナと過ごした至福の時間は、そういうものだったんだろうな。僕もアレクサンドロスのように、幸せな過去の壮大なイメージを忘れたくないと強く思った。

過去・現在・未来という時間の壁を打ち破った、この映画はすごい。
人間というものは、言葉を切符にして、時空を旅することができるのだろう。
だからこそ人生は美しいのかもしれない。

どれほど苦しい人生であろうとも、身近にある見えない幸せに気付くことができれば、その幸せはいつまでも人間の心に残るのだと思う。
たとえ忘れてしまうような泡沫の幸せでも、その人を形作っているんだよね。
この幸せこそが、暗い海の底に沈んだ日でも、青空を飛ぶことはできると人間に思わせてくれるんじゃないかな。

韓国映画「ラブストーリー」

2010年09月23日 09時40分57秒 | 映画
久々に韓国映画「ラブストーリー」を見た。
DVDを買ったから何度も見ている作品。
でも見る度に登場人物の心情や行動をより深く考えられるから、名作と言える。
ここから見ている方しか分からない感想を書きますが、まだ見てない方はよかったら映画をご覧下さい。

この映画は愛をテーマにした作品だね。
ジュヒ、ジュナ、テスは自分の望みや思いを捨てて、好きな人のことを1番に想って行動していると思った。

ジュナとジュヒが愛し合っていることを知ったテスは、自分はジュヒの許婚で、なおかつ好きでたまらないのに、自殺未遂をしてまで身を引こうとする。

ジュヒは、許婚であるテスやお互いの家族を悲しませたくないから、ジュナが好きなのにも関わらず身を引こうとする。

またジュナは、テスを自殺未遂まで追い込んでしまったこと、ジュヒを悲しませてしまったことに責任を感じて、二人の元から去っていく。

それからジュナは、戦争に赴く際に、ジュヒからもらったペンダントを、戦場の中でも命懸けで守ろうとする。
そのペンダントがジュヒと自分の絆の象徴だからだと思う。

また戦場から戻ったジュナは怪我の後遺症で盲目になってしまったけど、ジュヒと再会する時には、会う時のシュミレーションを何度もして、自分が盲目であることをジュヒに隠そうとしたり、またジュナは、戦争から戻ってきて、ジュヒと再会したから、結婚しようと思えばできたのに、盲目である自分はジュヒの負担になるから、先に結婚したと嘘をつく。

どれも恋愛を越えた愛だなと感じた。
たとえ片想い・両想いでも、好きな人のことを1番に考えて行動しているんだな。。
もちろん人間は不完全だから、一生懸命になっても相手を傷付けてしまうこともある。
でも好きな人にとって1番良い方法をそれぞれ一生懸命考えての行動だから、どれも間違いなんかじゃないと思うんだよね。

大事なことは、自分の望みや想いを捨てて、好きな人の為に行動することなのかな。
しかも三人とも好きな人に対して、「愛している」という言葉をほとんど使っていないところにも共感できる。
この言葉はとても重くて尊いから、軽く頻繁に使うべきじゃない。
手を握ったり、笑顔を見せたり、抱きしめたりなどの仕草や行動で愛を伝えることもできるから。

映画に出てきた手紙の内容に「愛することは愛されることよりも幸せだ」と書いてあった。
人間は愛されたいとよく思ってしまうけど、ますは愛していくことが先だと思う。
でも愛されたいという氣持ちを知っているからこそ、人を愛せるのかな。

あとこの映画は風景が綺麗だ。
雨のシチュエーションひとつで、悲しみ・喜び・恵みといった言葉を感じさせたり、雨の中を服を相合傘にして二人で駆け抜けたり、ホタルが夜空を舞ったり、夕焼けの空に虹が架かったりと。

全体的に切ない内容だが、クスッと笑えるシーンが所々にあるのは心が和む。

見る度に新たな発見があって、次に見るときはどんなことを感じるのだろうと期待させる作品だね。

ブラザーサン・シスタームーン

2010年05月29日 19時37分28秒 | 映画
昨日は映画「ブラザーサン・シスタームーン」を見た。
カトリックの聖フランチェスコを描いた映画。
この映画を見たことで気付いたことがある。

一つめは神様に与えられた命だからこそ、僕の心にも神様は宿るのだなぁって。

これと関連して印象に残った言葉は「あなた自身が生きた石となり、心の中に主イエスの神殿を築け。」です。
それはトルストイの「神の国は汝等の胸にあり」とつながる思想なのだとおもう。

聖書の教えに忠実にイエス様の弟子として生きていくことで、地上に神の国をあらわすことが出来るんだね。

最近、こんなに体が弱くなり助けてもらうばかりで何も出来ない自分に嫌気がした。

でも地上において1番弱いものだからこそ、神様に祈りを通して助けを求めることが出来るのだなと感じた。

祈りの人になれば僕の心の中に神様が宿って下さる。
クリスチャンは弱ければ弱いほど良いんだね。
なんだか救われました。

弱い体に生まれたからこそ、希望・信仰・愛情・寛容・優しさ・思いやりを知った。

二つめはこの仮住まいの世界で世俗的な富を蓄えることは無意味で、自分の心にキリストの言葉や愛という富を蓄えることが大事なんだね。

よく体が自由に動けたらとか、お金があればとか、普通に呼吸が出来たらとか、欲望に心が捕われるけど、その欲望を捨て去ることが出来れば心が自由になるのだなと思った。

そして心が自由になればイエス様の言葉を受け入れられるんだ。

ひとりひとりに与えられた命と賜物がある。
だから自分に出来る範囲で奉仕していけば良いのかな。

自分なんて消え去れば良いなんて思ってはいけないよね。
そうなったら僕に出会う全ての人が不幸になる。
逆に一生懸命生きれば良い影響を与えられるはず。

たとえ早く死んでも僕の思いが誰かの心の中に残ってくれると嬉しいなぁ。

ちょうど心に迷いが生じていたから、この映画を見て良かった!!

映画3本♪

2008年03月13日 21時46分10秒 | 映画
昨日と今日は公立高校入試で休みだったので、レンタルしてきたDVD(映画)を3本観ました。
ひとつずつ感想を書きたいと思います^^。




「秒速5センチメートル」

僕が今最も注目している新海誠監督の作品です。
新海監督は「空の向こう、約束の場所」を見てからずっと気になっていました。

この方の作品は背景や絵がすごく綺麗なんですよね^^。
電車もビルも空も海も山も、色彩的にとっても綺麗。

なんというか映像を見るだけで想いが伝わってきます。
まさに映像叙事詩と言えますね。

連作アニメーション作品ということで3部作に分かれていて、見易かったです。
1話目は「桜花抄」、2話目は「コスモナウト」、3話目は「秒速5センチメートル」。
タイトルもとっても素敵なんですよね!
内容はよくあるラブストーリーだなって思いました。(笑

「桜花抄」は言葉とピアノ中心の音楽がメインで、シンプルといえばそうかも。
それにしても桜が散っていくのを見ていると、儚いなぁって思います。
ストーリーもそんな感じがしました。

「コスモナウト」はすごく綺麗でしたね!
種子島を舞台にしているのですが、まるでその場にいるみたいでした。
空、海、波、夕焼け、全ての場面が癒されました^^。
ストーリーはこの映画で一番好き。片想いだしね。

「秒速5センチメートル」は言葉が少なく、映像だけでラストを告げているようでした。
最後のスライドショーみたいな場面が、なんというか凄かった。
これだけで話の全てが分かります。
切ない…。

主題歌は山崎まさよしの大ヒットシングル「One more time, One more chance」。
この映画にピッタリでした!!
まるで合わせて作っているようでしたね♪
やっぱり名曲♪

新海さんのインタビューも見ました。
やっぱり凄いし、深い方だなぁって思いました。
というより映画と同じ時間だけ話していますからね。(笑
アニメーションって大変な作業だと思うんです。
だからそれだけ良いものが出来るんでしょうね^^。

次回作も楽しみです☆




「幸福な食卓」

瀬尾まいこさんのベストセラー「幸福な食卓」の映画版です。
原作が大好きだったので^^。

日本中にどこにでもありそうな街並みを選び、関東近県をロケハンしたそうです。
確かにこんな場所は福岡の田舎にもありそうですもん。(笑
あたたかい雰囲気を感じました。(*^^)v

キャストがピッタリだなと思いました。
邦画らしいというかゆっくりストーリーが展開していくので、落ち着いて観れます^^。

だいたい映画になると原作の方が良いんですが、これは映画の方が良いかもしれません。
それぐらい脚本が良いんです。

どこの家庭も色々なことがあるけど、家族を大切にして欲しいということを伝えたかったのかな。

ラストは切ない。
原作もそうでしたが、やっぱり泣いてしまいました。><

主題歌はミスチルの「くるみ-for the Film-幸福な食卓」です♪
映画のストーリーにピッタリなので選ばれたそうです。
音楽は全て小林武史さんが担当しているんですが、やっぱり良い音楽を作るなぁって思いました^^。

あたたかい気持ちになりたい人には、是非見て欲しいです☆




「きみにしか聞こえない」

これは主演の成海璃子と小出恵介と主題歌「きみにしか聞こえない」目当てで観ました。
僕の好きな俳優と曲なんですよね♪

切なさの「今」を描いた スローラブ ストーリーだそうです^^。
ある日、少女が公園で拾ってきたおもちゃの電話が鳴り、少女と青年が空想の電話でつながる。
それから二人は心で会話していくようになる。

いわゆる恋愛ファンタジーですね。
最近、流行ってるのかな?

主人公とヒロインは出逢うまでは、傷ついた過去を持ち、孤独で心を閉ざしがちだったんですよね。
僕も心を閉ざしてしまうことが多いので…。
でも自分の中に閉じこもっていてもダメだから、人に思いを伝えることの大切さを改めて実感しました。

切ないラストだったので、また涙が止まりませんでした。><
でもこの映画もあたたかい気持ちになりましたね。
大切な人はいなくならないと、本当の大切さは分からないかもしれない。
でも日々一緒に暮らすことで、かけがえのない人と思いたいですよね。

僕は意地っ張りなので、まずは素直にならないとなぁ。。

主題歌はドリカムの「きみにしか聞こえない」。
うん、映画にピッタリの曲ですよね♪
さすが合わせて作っただけはあります。


2日間で3本観るのはさすがに疲れた。(笑
しかも2回見てしまったし。。
でも良い気分転換になったかな。

♪本日のBGM(≧∇≦)♪
One more time, One more chance/山崎まさよし
「いつでも捜しているよ どっかに君の姿を 交差点でも 夢の中でも こんなとこにいるはずもないのに」

トンマッコルへようこそ

2007年12月29日 14時57分26秒 | 映画


昨日、「トンマッコルへようこそ」という韓国映画を見ました。
戦争をテーマにした映画です。
↓はサイトから引用したあらすじです。

「タイトルのトンマッコルとは“子どものように純粋な村”という意味の架空の村名。
村人たちはいつも笑顔で暮らし、自給自足を実践し、決して争うことのない平和な生活を送っている。
そんな物語の舞台は1950年代。
朝鮮戦争の真っ只中、連合軍、韓国軍、人民軍の、相容れない3組の兵士たちが、ひょんなことからこの世のユートピア“トンマッコル”に迷いこんでしまう。
最初は敵意をむきだしにしてにらみ合いを続ける彼らだが、憎み合うことのバカバカしさを教えてくれたのは、穏やかなトンマッコルの村民たち。
やがて兵士たちは歌いながら村民たちと一緒にジャガイモを収穫し、気分転換に草原でソリを楽しみ、お祭りで大いに騒ぐのであった。
そんな人間本来の姿である心豊かな生活が送れるようになっていく、誰もが憎み合うことを忘れ、大切な絆や心を取り戻していける癒しの村。
それが、トンマッコル。Welcome to Dongmakgol!! トンマッコルへようこそ!!」

戦争とは無縁の山奥にある村「トンマッコル」。
兵士たちは最初は憎しみ合っていたけれど、村人の寛容な心に次第に動かされていく。
そして最後は自分たちの命を犠牲にしてまで、戦争からトンマッコルを守る。

僕はこの映画から戦争の悲惨さ、赦し合うことの大切さを教えてもらいました。

ただの戦争ものだけで終わらせない。
残虐シーンや戦闘シーンはリアルというか臨場感がありました。
さすがに見ていて辛かったですが…。
でもユーモナなシーンもあって、楽しませてくれました。

村を守る為に爆撃されて死んでいく直前の主人公たちの笑顔が印象的でした。
大切なものを守り抜く姿がカッコ良かった。
やっぱり無駄と分かっていても行動する精神は大切ですね。

久しぶりに心動かされる映画を見ましたね!
色々と考えさせられました。

やっぱり戦争はなくならないのかもしれない。
復讐が復讐を次々に生んでいく。
人間は罪人ですから。

でも毎日の生活に幸せという平和はあるんですよね。
それは一時的なものだけど…長続きさせることは出来ないんだろうか。

トンマッコルの村長が言っていましたが、村人を仲良くさせるコツはたくさんご飯を食わせて、満足させること。
確かに昔の戦争は人口が増え、食糧が少なくなり、その為に土地を奪って広げないといけないから起きていましたし。

今の時代は満足してしまって、幸せが見えなくなっていると思うんです。
満たされたら、次の欲を求めてしまうから、戦争が起きてしまう。
人間の欲はとどまることを知りません。

完全に満たされてはいけない。
だから腹八分目がちょうど良いのかもしれないですね。

先進国は豊かですけど、心は貧しいですよね。
逆に発展途上国は貧しいけれど、心は豊かだと思います。
そこに住んでいる子供たちの笑顔はまるで天使みたいなんです。
なんで都会の人はこんなに明るくないんだろう。

でももう生活の質を下げることは出来ない。
だからこれからは生活の質を上げないように現状維持することが大切なのかも。
環境問題はどうにかして止めないといけない問題ですし。
中国はやばいですけど^^;。
今は科学技術も発達しているんだし、良い方向に活用していきたいですね。

話はずれますが、平和学では紛争は積極的な意味があるらしいです。
確かに争うことは仕方のないことなのかも。
でも、人が死んでいくのは耐えられない。少人数だろうが大人数だろうが関係ない。
ここで僕が言っても意味ないんだけど。

この映画を見たら争うことなんて意味ないと思いました。
もちろん生きてる上では競争しなきゃいけないけど。
勝ち負けも大事なことです。
今はスポーツという文化があるし、上手く使っていけないだろうか。

ん~感想がまとまらなかった…(^_^.)
また僕の心に情熱を灯してくれる映画に出逢いました。

みなさんもよかったら見て下さいね☆

♪本日のBGM(≧∇≦)♪
Same Side/WANDS
「大空と同じような 目には映らない国境が 僕らの心の中 いつの日かなくなるまで」