中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

消費者に伝わっているか

2010年07月26日 12時58分48秒 | マーケティング・販促

先日、人事コンサルタント内野さんのブログにも書かれていましたが、「伝わらないと売れない」ということ。

まさしくその通りで、どんなに良い商品でも、お客様に伝わらなくては当然売れません。再三ブログでも「お客様目線」ということを言っていますが、どんなにアピールしても、お客様の視点で表現しないと伝わらないことが多いもの。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「石焼きいも黒ホイル 名前と売り場で消費者に近づく」
・東洋アルミエコープロダクツが2009年秋に発売した「石焼きいも黒ホイル」の売れ行きが好調だ。
・黒ホイル製品はかねて販売していた。2007年に包み焼き料理向けに第1弾の黒ホイルを発売した。機能に自信はあったが、店頭で消費者に特徴を伝えるのが難しく、販売が伸び悩んでいた。
・そんなとき『黒ホイルでサツマイモを焼いたらおいしかった』との声を耳にした。それを期に、ホイルという商品概念にこだわらずに焼き芋を焼くグッズとして売り込むことにした。
(引用:2010/07/26 日経産業新聞より)

とのことです。
黒ホイルの効果がすばらしいので、ついつい開発したメーカーとしては「機能の説明」をしたくなるのですが、お客様にとってそれで良い場合と、つたわらない場合があるということでしょう。この場合は「機能」より「使用シーン」「何に使えるのか」といったアピールの方が伝わりやすかったということなのでしょう。それも単に「包み焼き料理向け」とするよりも「石焼きいも用」とか「トウモロコシ用」とピンポイントでイメージさせたのが功を奏したようです。

ネーミングや切り口を変えれば、販促の仕方も変わります。スーパーなどの店内では日雑のホイルコーナーだけでなく、当然、青果コーナーのサツマイモの所での展開もあるでしょうし、焼き芋の実演販売も考えられるし、惣菜部門とタイアップさせてもらい、「黒ホイル焼きいも」として販売してみてもらっても良いでしょう。

中には、マニアックな電気製品などで、知識の深いユーザー向けのものであれば、メーカー視点での機能アピールがうける場合もあるでしょう。
しかしながら、もしも、機能はすばらしいのに商品の売れ行きが悪いと思うのであれば、表現やアピールの切り口を「お客様目線」に変えてみてはいかがでしょうか。

さて、あなたのビジネスでも、切り口を変えればまだまだ伸びる商品が眠っていないでしょうか?

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読書の日に

2010年07月25日 16時18分22秒 | 日記

本日は日曜日ということもあって、久しぶりに本を読んでみました。

「もしドラ」や「女子大生会計士~」系が最近流行のようで、それに似た感じではありますが、

企業再生のスキームが小説としてさらりと読むことができます。
実際の企業再生の手法や知識的な部分が詳しくかかれているわけではありませんし、小説として読むにはそこまでではありません。

しかしながら、良本だと思います。
この本から学び取ることは、企業再生のスキームや知識ではなく、その本質だと感じます。
それは本の中に出てくる、言葉に表れています。
「単なる債務整理や事業継続に主眼を置いたコンサルティングなんて必要ない。経営者の犠牲のうえに会社が再生しても、それは真の会社再生なんて言えない~」「目指しているのは、『経営者の再生』つまり現在の経営者による経営継続」「真の意味での再生とは、会社や事業の再生だけじゃなく、経営者とその家族を含む人生の再生」
(引用:「会社再生ガール」 田中伸治・著)

非常に共感いたします。
単なるビジネスで割り切れるものではないし、手法を知るだけでなく、心理戦や、駆け引き、交渉次第でどのようにも変わってしまうところが、企業再生という仕事の難しいところでしょう。

さらりと面白く読めますが、少なからず企業再生やコンサルティングに係わる方には、自身のスタンスを考えてみるのにも良い本ではないでしょうか。

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「Thinkpad祭り」

2010年07月24日 16時57分09秒 | インターネット・IT・パソコン

私の愛用しているノートPCはThinkpad X201です。
持ち歩きをするのでメインがX201で、据え置き用としてT400sも所有しています。
もう1台予備としてレッツノートW7を持っています。

ビジネスに使用するのは昔からずっとThinkpadで、これでもう6~7台目くらいでしょうか。
昔デスクを離れて戻ってくると、会社の女の子に電源コードを引っかけられて見事に落とされていたことがありました(ディスプレイ開いたまま(汗;)。
さすがに開いたままだったので、ディスプレイ開閉のためのラッチのあたりに少しヒビが入ったのですが、それ以外はまったく平気で何ともありませんでした。

この頑丈さと信頼性、また、長年デザインが大きく変化せず飽きがこないこと、色がつや消しの黒というのも好みです。
また、マウスが使えないところでも操作ができるようにトラックポイントを装備していたり、キーボードの打鍵感が良かったりというのも、使い続けている理由です。
キーボードについては、T400sはすばらしい打鍵感ですが、実はX201については少しスカスカとした感じで昔と違うような気がします。正直X61までのカチッとした感じが良かったのですが、ちょっと変わったような感じです。

最近はやりのアイソレーションキーボードも、いくつかのメーカーのPCをたたいてみましたが、一番打ち心地が良かったのは、やはりThinkpadのX100eでした。同じThinkpadでも残念ながらedgeシリーズは私的にはNGでした。

トラックポイントも生産性を左右する逸品です。マウスを使うのが好きではないので、これがないと仕事になりません。タッチパッドのPCと比較すると、感覚的には20%くらい生産性が違う気がします。文章を書くのがメインの使い方であれば、どちらでも良いかもしれないのですが、私の場合、特にパワーポイントを多用するのであれば断然トラックポイントの方が作業が早いです。

また、スペースシャトルや国際宇宙ステーションに搭載を許される汎用ノートパソコンといえばThinkpad。
宇宙でのシェアはほぼ100%を誇っているそうです。
それだけ過酷なテストに耐えて信頼性の高いノートPCはThinkpadをおいて他にはないということでしょう。

そんなわけで、本日はアキバで「Thinkpad祭り」へ行ってきました。












1日に何回かセミナーをやっていました。





さて、あなたがビジネスを行う上で、絶対不変な仕事道具ってお持ちでしょうか?

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「新商品の投入をしているか」「評価基準のスイッチ」

2010年07月23日 14時40分11秒 | 商品・製品開発

外食産業に限りませんが、牛丼チェーンをはじめとして、値下げ競争が激しくなっているようです。
しかしながら、よく中小企業の戦略では、値下げしてはいけないとアドバイスされるのがセオリーだったりします。
とはいえ、まわりの値下げ攻勢に、業績は下がる一方で実際にどうしたらいいのか?と悩む経営者は多いことでしょう。

本日の日経MJに次のような記事がありました。

「業績回復へ値上げが得策 高級感演出、違いを強調」
・6月に日経レストランが全国の飲食店445店に対して行った「飲食店景気調査」では1月以降、売上アップ策として値下げではなく値上げを行った店のほうが、料理の提供価格を変えた結果に満足する店が多かった。
・値上げした店では59.1%が自店の価格変更に対する判断を「正しかった」と答えたのに対して、値下げした店では43.1%。
・値上げを実施した店で前年同期より売上が向上したのは34.1%だったのに対して、値下げした店の結果は18.1%。
・値上げを実施して利益が向上した店は全体の3割。値下げして利益向上に結びついた店は1割。
(引用:2010/07/23 日経MJより)

とのことです。
単純に、値上げのほうが得策ということではないと思っています。
どちらかといえば、「値上げして客離れを心配する」より、「値下げをして、それをカバーするだけの集客、売上増、利益確保をする」方が遙かに難しいと考えています。
もちろん、それだけの体力をもっている大企業の戦略としては「あり」だと思いますが、そのような体力も経営資源もない中小企業には値下げ戦略は向かないということでしょう。

新聞にも単に値上げをするのではなく、「料理の盛りつけなどで高級感を出す」とか、「同時にいくつかのメニューでは値下げをし、プラスマイナスゼロの印象をあたえる」などの手法が提案されています。
ABC分析のAランクの商品の出数の多いものは据え置き、比較的少ないものを値上げして、Bランクは値下げする・・・といったことが述べられています。

それも一つの方法ですが、7月10日のブログ記事に書いたように、私は「頻繁に、怒濤のように新製品を投入する」ことを提案します。私自身も商売をしているときはそのように行ってきました。

既存の定番メニューの値段を変えるのは難しい(値下げはともかく値上げは)です。もちろん値上げと同時に商品リニューアルをして、変化をつけることは可能でしょうが、そのメニューのファンだったお客様にとって見れば、「前の値段と品質で十分良かったのに・・・」ということもありえます。

頻繁に新製品を出していれば、定番商品との入れ替え、改廃はわりと自然にできるようになりますし、ある時は高額商品、ある時は低額商品の投入といったように、価格の操作や、それによる平均価格帯の引き上げ、引き下げもお客様に気づかれにくく(というと言い方は悪いですが)できるようになります。

なにより、それだけ新商品を投入できれば、お客様にとってもマンネリを防ぐことができ、飽きられにくくなることでしょう。

つまり、お客様から、自店の評価をされる場合に、
「あの店は高いね」とか「あの店は安いね」・・・といった基準で評価されるのではなく、
「あの店はいろんなメニューが頻繁に出てきて飽きないね」とか「あの店はのメニューは楽しいね」といった評価をしていただけるようになったほうが良いと言うことです。

単に「高い、安い」での評価ではなく、「楽しい、いろんなものがある、飽きない」といった基準で評価していただく店づくりを日頃からお客様に徹底的に印象づけることが大切だと考えます(値頃感があって、味がおいしいのは当然前提ですが)。

さて、あなたのビジネスでも、怒濤の新商品投入はできないでしょうか?
あるいは、自店の評価基準を「価格」から別の基準へスイッチする仕掛けは何か考えられないでしょうか?

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「優秀な人材を集める」「新規事業のネタを育てる」

2010年07月22日 12時42分21秒 | 人事・組織

中小企業ではよく「うちには優秀な人間は採用できないよ」とか「何か次の一手になるような新規事業はないかな」といった声を聞くことがあります。
嘆いていてもしかたありません。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「サイボウズ 起業支援の新会社 まずバイト、委託で契約」
・サイボウズは21日、インターネットサービス事業の起業を支援する新会社を8月2日に設立すると発表した。学生や社会人をアルバイトまたは委託で契約し、アプリケーションソフト開発などで新規事業を企画してもらう。事業化の見通しが立てば出資して起業を支援する。
(引用:2010/07/22 日経産業新聞より)

原則として正社員ではなく、成果報酬または時給2000円からの選択制でアルバイトまたは委託契約で雇用し、起業した際は新会社の役員となるとのこと。
ITの高度な知識や技術を持つ学生から問い合わせが増えているそうです。

おもしろい仕組みだと思います。
優秀な技術や知識を持ちながら、正社員ではないというところで自分でリスクをとれる気概のある、また起業家精神をもつ若者があつまることが期待されるでしょう。

また、起業支援も謳いつつ、次の新事業開発を自社のナレッジだけに頼らず、幅広く求めることができるでしょう。

優秀な人間を採用するのには、何も給料だけではないでしょう。給与以外の処遇、彼らのやりたいことがやれる環境を提供できるかどうか、共通の目的があるかどうか(この場合は興味のある研究、新事業、起業などでしょう)も大きな要因になるということでしょう。

さて、あなたのビジネスでは、「優秀な人材を集める」「新規事業のネタを育てる」ことができる仕掛けや仕組みを何か考えていらっしゃいますか?


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本日の新聞に掲載されていましたが、
渥美俊一氏がお亡くなりになったそうです。
アメリカの「チェーンストア理論」を日本に持ち込んだ人でもあり、日本チェーンストア協会を設立した、日本の流通業の発展に多大な影響を及ぼしたコンサルタントです。
ダイエー、ジャスコ、ヨーカドーをはじめ、日本の名だたる流通企業の多くが先生に師事していたことはあまりにも有名です。

私も流通業出身ですので、先生の本も、「チェーンストアのマネジメント」「小から大への成長法則」などを読んでおりますが、質実剛健な指南書です。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

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