中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

「お客様目線で定番商品にスポットをあてる」「ほめて伸ばす」

2010年07月16日 12時55分09秒 | 人事・組織

本日も2つの話題を取り上げてみました。

まず1つ。
昔からの定番商品でロングセラー、売り込み方でまた脚光を浴びるようです。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「味の素、若者の目にPR]
・味の素が若年層を掘り起こそうとあの手この手の戦略を打ち出している。ロングセラーの調味料「味の素」など主力商品のパッケージデザインを創業以来初めて大幅に刷新。
・コンセプトの1つが商品特徴の”見える化”の徹底。手に取った調味料を使うと、どのような料理を作れるかを消費者に簡単に理解してもらえるようにパッケージの上部に具体的な料理名を記載した。
(引用:2010/07/16 日経産業新聞より)

今まで、詰め替え用のパッケージにもミニトマトの写真と「うま味をきかす調味料」という言葉をのせただけだったが、今回は調理例として生卵がのったうどんの写真や、どんな料理に合うのかを表示したとのこと。

つまり以前の商品パッケージは、メーカー側からの「商品機能説明」が主だったのでしょう。
機能説明ではなく、お客様目線で考えると、どんな料理に使えて、その料理はどのように作るのか、がお客様の知りたい情報ではないでしょうか。そしてその利用シーンがおしゃれで楽しいものがイメージできると一層今の若い人たちには受け入れやすいでしょう。

似たような例として、最近のエバラのCMでは、あのロングセラー「黄金の味」を使った料理がタレントV6のメンバーによってさわやかにコマーシャルされています。今まで焼肉と言えば・・・エバラのイメージですが、「黄金肉巻きライスバー」「黄金オニたまバーガー」「黄金がっつりスペアリブ」、少し前だと「チャーハン」につかったり、「パスタ」につかったレシピもCMしていました。

また大成功の例としては、あの「ハイボール」ブームの仕掛けをおこしたサントリーの角瓶。
40代、50代の世代が若い頃に流行った「ハイボール」を今の若い人にうまくアピールしてブームをつくりだし、角瓶供給が間に合わなくなっているそう。

どれも定番ロングセラーで昔からあった商品(つまりもともと根強い商品力を持っている)ですが、打ち出し方によっては今の若い人には新製品に成り得ると言うことです。

ここでも考え方のキーになるのはやはり「お客様目線」です。これは恩師である、元ボストンコンサルティンググループ出身のY先生からも口酸っぱくご指導いただきました(^_^;)

さて、あなたのビジネスのなかに、定番ロングセラー商品が眠ったままになっていませんか?

================

もう一つの話題です。

社員育成、教育をする上で、「ほめて伸ばす」のか「厳しく指導する」のか、はたまた「上手に叱る」のか・・・人材育成での悩みはつきないと思いますが、良いと思ったことは、イベント的にでも良いのでどんどん取り入れて見るといいと思います。

本日の日経MJに次のような記事がありました。

「社員ほめて接客改善」
・ヤマトが08年秋に導入した「満足BANK]は社員同士がよい点をほめることで満足度を高め接客にも好影響を及ぼそうという制度。
・ほめるばかりで「当初は意味があるのかといった声も出た」が、今では全社員の7割が参加する。
・成果もじわり出ている。福島県のある支店では支店長が毎日1200人の社員一人ひとりをほめ続けた結果、クレーム発生率や社員の定着率が前年同期比で1ポイント程度改善した。
(引用:2010/07/16 日経MJより)

お互いに社員同士が良いところを見つけてほめあい、ほめた人に3ポイント、ほめられた人に10ポイントを与え、ポイント数に応じバッジを付与。バッジは銅からダイヤモンドまで4種類あるとのこと(運用は社内イントラネットのよう)。

これって、”ただほめるだけ”の効果ではありません。お互いに良いところを見つけてほめあうということは、「他人に関心を持つ」ことになります。同僚に見られているから、仲間にほめてもらいたい、とか、ほめられれば自分のした行動がきちんと仲間や同僚に見てもらえていた、注目してもらえていた・・・といった心理的効果が十分にあるのでしょう。
また、他人に関心を持って見ることで、自分の我が振りも気をつけるようになります。
そして、一度ほめられれば次も期待に応えようとするし、もう下手なことはできないな、という心理も働き出すでしょう。

こうしたことを続けていれば、いずれは自然な行動や振る舞いとなり、意識も変わってくることが期待されます。習慣になってしまうわけですね。

ちょっとしたアイデアと取り組みで、大きな改善効果をもたらすことって、考えればまだまだありそうです。

本格導入がためらわれるなら、一度期間を決めてイベント的にやってみるのも良いと思います。何事もトライアンドエラーで。

さて、あなたのビジネスでは社員育成のための”仕掛け”を工夫していらっしゃいますか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「顧客満足度を把握する」「ビジネスの定義を見直す」

2010年07月15日 13時46分17秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

顧客満足度については、よく聞かれる言葉だと思います。
メーカー、サービス業、小売業、、、どの業種にとってもお客様の満足度を把握することは必要のように思うのですが、いろいろな企業の方とお話しをすると、顧客満足度を知ることに消極的なところもあったりします。

お客様のご意見は、気にはなるのでしょうけれども、知るのが怖い、、、というか、ともすればクレームの山にもなりかねないと不安になるのか、顧客アンケートを採ったりすることをいやがる企業さんもあります。

私の恩師の先生曰くは、顧客満足度は必ず知るべき、顧客アンケートは採ってみるべきとおっしゃいます。

本日の日経産業新聞に次のような記事が載っていました。

「ANZEN 携帯で乗客満足度調査」
・中堅タクシーのANZENGroupは顧客サービスを拡充する。全車両630台に空気洗浄機を導入したほか、QRコードを使った顧客満足度調査を乗務員の接客レベル向上に活かす。
(引用:2010/07/15 日経産業新聞より)

とのこと。
東京地区の法人タクシーは業績悪化が深刻化しているそうで、きめ細かいサービスを導入する必要があると判断したとのことです。
この会社では他にも、
■定額制タクシー(一定区間を定額で)
■バイリンガルタクシー(事前に予約すると外国語が話せる乗務員が運転)
■サポートタクシー(子供の送迎や病院の順番取りまで代行)
といったサービスを拡充しているそうです。

あまりいろいろなサービスを広げすぎて中途半端にならないように気をつけなければなりませんがすばらしい努力をされています。
お客様に目を向けてお客様目線で突破口を開こうとしていけば、何か必ず道はひらけていくでしょう。

上記のように、あれだけのサービスを展開していこうとする小回りの良さ、機動力がある企業であれば、柔軟な発想の転換が必ずできるはず。

東京地区のタクシー業界は本当に飽和状態なのか?
自分達の事業を「タクシー業」と狭く定義するのではなく、「輸送業」「サービス業」などと定義を見直してみれば、まだいろいろ打つ手があるのではないでしょうか。

タクシー利用する客足がなかなか戻らない一方で、高齢者に代表される交通難民、買い物難民は増えてきています。
ある百貨店では自社グループの運営するタクシーに、稼働率を上げるためにもお客様の買い物の配達を格安でさせているそう。人を運ぶ?ことにこだわらず、商品を運んでいます。
何がよいのかは見極めが必要ですが、「発想の転換」、「定義の見直し」、「お客様目線」を考えていけば、何かきっと打つ手がみつかるはず。

さて、あなたのビジネスでは、お客様の意見を吸い上げる仕組みを持っていらっしゃいますか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「買い増し需要で市場をつくる」「自社の事業価値は何か?」

2010年07月14日 13時00分55秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

どんな商品にも、「買い換えサイクル」というものがあるでしょう。
それでは、一つ買えば十分で、しばらくの間その商品は当分買わないのでしょうか?

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「ジェイアイエヌ「買い増し」発掘」
・眼鏡業界のユニクロとの呼び声が高い眼鏡製造小売りのジェイアイエヌ。原動力は独自製品「エア・フレーム」の大ヒットだ。革新的な製品は同質化競争から抜け出す武器になる。
・医療器具のカテーテルに使われる柔軟なナイロン樹脂素材で、普通のセルフレームの3分の1程度まで軽くした。
・「100%自前でデザインする強みを生かせる」。型を減らし、1型20色と色柄を増やす戦略にあう。
(引用:2010/07/14 日経産業新聞より)

1型20色で、1本5000円以下からの値付けでリピート客を呼んでいるそうです。
なんでも色違いを6本買っていくお客さんもいるらしい。

眼鏡の買い換え需要を待たずに、買い増し需要を引き出して成長につなげる成功例でしょう。
もちろん単なる安売りでは、買い増ししてくれません。そこには沢山買っていただく工夫と他社と差別化された商品力が必要です。
それらをクリアすれば、小さな市場でも、飽和したと思われる市場でもまだまだ勝負できる可能性があります。

さて、あなたのビジネスでは、何か「買い増し需要」を引き出す工夫をしていらっしゃいますか?

==============
話のつづき・・・

1型20色の商品で沢山買っていただく。まるでユニクロの服を思い浮かべますが、まさに記事の中に書いてあったことには、ユニクロの柳井社長にアドバイスを受けられていたようです。

安売り合戦で業績が低迷していたときに、脱却の手がかりを求めて柳井社長のところを訪ねたところ、「御社の事業価値は何ですか」と尋ねられ、しどろもどろになったとのこと。

その後役員合宿で議論し、「年齢を問わず、ベーシックな型で機能としてよく見える、デザインとしてよく見せる眼鏡を一番安く売る」ことを明確にしたそうです。
そこから導き出された上記戦略。

どこの地方に行っても、ディスカウントで成功している企業が1社はあるものです。
しかし同じエリアにいくつもディスカウントが成り立つのは難しいもの。
なぜなら価格で勝負すれば、「一番安い店は1社に決まる」からでしょう。定量的な価値で勝負すれば1番は自ずと決まります。

価格の安さでで1番になる体力がないのであれば、価格競争から抜け出して独自性の価値をもつことが必要でしょう。

自社の事業価値は何なのか?が明確であれば、そこから突破口が見えてくるのではないでしょうか。

さて、あなたのビジネスでの事業価値は何なのか、きちんと定義していらっしゃいますか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「お客様目線」と「ホンモノを生み出す力」

2010年07月13日 13時20分35秒 | 商品・製品開発

ヒット商品というのは、目先の新しさや奇をてらったものではなく、そこにはやはり独自の価値をしっかりと持っているものですね。

本日の日経産業新聞にこんな記事がありました。

「常識は開発力で破る 負けない価値を創れ」
・大塚製薬「ポカリスエット」900mlの販売量は6月セブンイレブンで前年比7割増。永谷園の「1杯でしじみ70個分のちから」は昨秋に全国発売すると目標の3倍売れた。即席味噌汁では異例だ。
・両社はよく似ている。売れない責任は開発側にあるとの意識が強い。
・大塚グループの経営理念の「革新的な製品を」とは「物まねをしない」と同義。
・永谷園の開発マン心得五ヶ条には「他社と同じものを作らない。必ずひと工夫ないか?を考える」とある。
(引用:2010/07/13 日経産業新聞より)

どちらの企業も非常に商品開発、とくに独自の価値にこだわるため、そこには他社のまねできない機能的な要素を持った商品を出しています。いわゆる技術・研究段階で他の商品と決定的な差別化がされているように思います。

また、
大塚製薬は新商品ソイッシュ(発売当初のポカリのように、味はビミョー?だと思われがち?豆乳に炭酸って発想がすごい)を「マイナス曲線に入らないことが大切。ブームは要らない」としてじっくりとブランドを育てるよう。
ポカリスエットの開発話でも、当初消費者に馴染みのない味で、とにかく試飲させまくって粘り強くロングヒット商品に育て上げたことはTVなんかでも紹介されていましたね。

永谷園の商品も、シジミに含まれるオルニチンを作り出す乳酸菌を発見するという、あくなき研究開発から生まれたようです(「1杯でしじみ70個分のちから」というおよそインスタント味噌汁らしからぬネーミングもインパクトがあり、他のインスタント味噌汁との違いを明確にしているように感じます)

ロングヒットを生み出すブランドや商品って、やはり基礎的な技術・研究段階でかなりこだわって開発されているように思います。

もちろんそれだけではなく「信じて粘り強く売る」「特徴をストレートに訴求する」などの組織力やマーケティング力もあってのことです。

よくプロダクトアウトかマーケットインか、シーズかニーズか、といった話がありますが、結果どちらでも良いと思いますし、上記の会社でも実際の開発現場では行ったり来たりしながら発想しているのではないでしょうか?逆にそちらの方が良いように思います。

要は、何をするにも「お客様目線」を忘れてはいけないということと、企業自身が「ホンモノを生み出す力」をなくしてはいけないということ。
お客に迎合しすぎて開発力を失ってもいけないし、自社商品の押しつけもまずいでしょう。
両方を行ったり来たりして商品開発すれば、ロングヒットのブランド商品に繋がるのではないでしょうか。

さて、あなたのビジネスでは、お客様目線を持ちながら、ホンモノの商品を生み出す開発力にこだわっていますか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

起業家に期待

2010年07月12日 14時04分41秒 | 日記

(以下、特に私の政治的私見とか支持政党とかはまったく関係なく、単に松田公太氏についての感想を述べていることをお断りしておきます)

参院選の話題でにぎわっていますね。

注目していた松田公太氏が東京選挙区で当選を決めたようです。

同じアラフォー世代ですが、すごい人だなーと尊敬もしておりました。

ご存じのようにタリーズコーヒージャパンのイケメン創業者としてあまりにも有名です。
たった一人で金無し、コネ無しの状態から、タリーズコーヒーに直接電話を掛け、何度も交渉に交渉を重ねて、ライセンス契約を獲得した経緯からもただ者ではありません。
また、1987年8月7日に日本での第一号店を銀座にオープンしたのが、日本でのタリーズの歴史の始まりですが、この一号店が銀座というのも、何となく私のアンテナに引っかかっていました(私は藤田田「日本マクドナルド創業者ですね」氏も尊敬していますが、マクドナルドも銀座が一号店でしたから)。

ほかにも大いに気になるところがあります。
たしか(あまり記憶が定かではないのですが)社長をしていたときも肩書きはチーフバリスタとしていたように思います。それだけ手で入れるコーヒーに強いこだわりを持ち、昔、大量出店と業務効率を優先する株主と意見が合わず(松田氏の手動式エスプレッソマシーンへのこだわりに対して、一部店舗に強引に全自動式マシーンを導入したようないきさつがあったと記憶しています)、株主との業務提携を解消したことも気になっていたことの一つです。
あれだけの企業の社長になっていても、現場を重視していることや、手動式の味にこだわるところ(それを自身で行動に示している)には男気を感じます。

タリーズをはなれてから、どうされるのかと思っていましたが、最近では今年3月に1974年創業のハワイの人気店である『Eggs’n Things』の海外初出店となる原宿店を開店されたらしいです(クリーム?の盛りっぷりが良い感じです)
Eggs’n Things

なんと、松田氏自身が朝から接客に出たりすることもあるそうです!

とまぁ、これだけのことを成し遂げてきていても偉ぶったところを感じません。

タレント議員さんも盛り上がっていますが、こういった若い起業家経験者が、新たな発想や感性、ビジネスセンスでもって何か風を起こしてくれることを期待します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Twitter

カレンダー

2010年7月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

バックナンバー

  • RSS2.0

なかのひと

無料アクセス解析