ビーンの不定期日記

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 「思いつき
   いかげん日記」

涼子のこと(出逢い)

2014-09-02 20:02:18 | 日記
2006~2010年まで私は大阪の堺に単身赴任していた。

東京を離れるのは生まれて初めてのことで、一人暮らしするのも初めての経験だった。

なんば駅から泉北高速鉄道で30分くらい乗ると深井駅がある。
私はその駅から歩いて5分程のマンションで単身赴任生活を初めた。

大阪へ行って気付いたことは居酒屋の少ないことであった。
その代わり、東京ではあまり見慣れない立ち飲み屋がどの駅前にも数件は必ずある。
独り暮らしを始めて暇を持て余す酒好きの私にとっては、立ち呑み屋は打ってつけの場所となった。

すぐに私は深井駅前の立ち呑み屋"大当り"の常連客になった。
そして私は店のママさんから"東京さん"と呼ばれるようになった。

標準語(東京弁)を話す客は私だけで、あとは皆地元の客。
私1人だけ標準語を話すのが珍しかったからである。と言うか、標準語が耳障りだったようだ。

ここで一言言っておきたいが、大阪の人は"標準語"とは言わない。
"東京弁"と言う。
大阪対東京、または関西対関東、という対抗意識みたいなものがあるようだ。

涼子はひとりで"大当たり"に呑みにきていた。
何回か顔を合わせただけだったが、酒癖が悪く、店にとってはとても良い客とは言えなかった。

そんな彼女とふとしたことがきっかけで話すようになった。
誕生日の話になって、涼子は3月3日生れだと話すと、私は5月5日生れと言い話がはずんだ。

そのうち彼女が他の店に行こうと私を誘った。
彼女は結構酔っていたが、私と一回りも年下の彼女には多少男として興味があったのは事実だ。

私は彼女と2軒付き合って、タクシーで彼女を送ることにした。
タクシーに乗って彼女に行き先を尋ねるが、半分酔い潰れている彼女は答えない。
そのうち「帰らない!」とクルマの中で言い出した。
さすがに私はこの事態は予想していなかった。正直、慌てた。困った。
深夜の道路に放り出すことも出来ず、私は仕方なくタクシーを私のマンションで止め、彼女を泊めることにした。
涼子との関わりはそれが始まりだった。