![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/7d/4e4ff298cd8709628e68b0c902eb13e2.jpg)
2022.04.20撮影
ご存知の方も多いと思いますが、動植物の学名の種名は、
「属名+種小名」
で成り立っています。
このように名前をふたつ連ねて動植物を命名することを、二名法といいます。
高校生 5分でわかる! 二名法
「属名+種小名」の種小名は、属名を形容するものだ、と考えていいです。
例えば、昨日書きました日本原産(そして、多分、固有)のボケ属(Chaenomeles)の植物、クサボケ(Chaenomeles japonica)は、「日本の(japonica)ボケ(Chaenomeles)」という意味です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/11/d85cec55d152fb9905ab0a17d4756250.jpg)
2006.03.27撮影
和名 クサボケ(草木瓜)
バラ科(Rosaceae)ボケ属(Chaenomeles)
学名 Chaenomeles japonica「日本のボケ」
英名 Japanese quince「日本のボケ」
原産 日本
「ジャポニカ」なんていう植物
japonica「日本の」と学名のついた植物(動物も)は、かなりあります。次もそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/14/012da009d7e06351d139861fd25d25b0.jpg)
2022.04.20撮影
ヤマブキです。冒頭の画像もヤマブキ。
和名 ヤマブキ(山吹)
バラ科(Rosaceae)ヤマブキ属(Kerria)
学名 Kerria japonica
英名 Japanese kerria
原産 日本、朝鮮半島、中国
ヤマブキは、日本も原産地のひとつではあっても、日本の固有種ではありません。でも、japonica とついている。日本の固有種でなくても「日本の」と呼ばれる植物は他にもあります。
他の地域を差し置いて「日本の」になる理由は、それぞれあるでしょうが、ヤマブキの場合は、日本で突然変異でできた八重のヤマブキ 'Pleniflora'(「多くの花」という意味) の方が、一重のヤマブキよりも先に、西洋諸国に入ったからのようです。ただし、日本から直接入ったのではないようです。
わたしの周り(カナダ、バンクーバー)では、ヤマブキとはポンポンみたいな花だ、と思っている人はたくさんいます。そして、うちの一重のヤマブキを見て、不思議そうな顔をします。
僕は八重の山吹。知ってるよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/50/f9af0efe52cd2b1e8eee5e160f23cdde.jpg)
2021.04.27撮影
実は、わたしは、高校で(?)太田道灌の
七重八重 花は咲けども
山吹の実のひとつなきぞ 悲しき
を習った時、これは意味不明、と思いました。なぜなら、その時、わたしはヤマブキは一重のものしか知らなかったからです。
でも、人間は、理解できないことは都合よく解釈するもので、その時は、花がたくさん咲いて、上の画像のように花が段々に重なっていることを「七重八重」と言ったんだろう、「実のひとつなきぞ」は、まだ花の季節だから、実があるわけないよね、そして、またあ、「蓑(みの)ない」なんてひっかけてえ、いやん、とも思いました。恐ろしい思考をしたものです。
japonica のついた花をもうひとつ。これは、もう2日前に話題にしました。
ツバキ? サザンカ?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/8b/0db138164b811aae6fce8093f91aede8.jpg)
Camellia japonica
撮影者:BotBin
撮影日:2007.12.27
オリジナルからの改変、なし
和名 ヤブツバキ(藪椿)
別名 ツバキ(椿)
別名 ヤマツバキ(山椿)
ツバキ科(Theaceae)ツバキ属(Camellia)
学名 Camellia japonica
英名 Japanese camellia
原産 日本、朝鮮半島、中国
これも、日本固有種ではありません。では、なぜ japonica か。
ヤブツバキの場合は、エンゲルベルト・ケンペル(1651-1716)が日本にいる時に、この植物について書き示したからです。(この情報は、Wikipedia英語版から得ました。)
Camellia japonica(英文+画像)
エンゲルベルト・ケンペル