2022.04.06撮影
冒頭の画像は、うちの、なぜか花が全然咲かないアセビです。アセビって、ある程度成長しないと花が咲かないのかしら。それとも、日光量が足りない? でも、毎年、美しい若葉で楽しませてくれます。
和名 アセビ(馬酔木)
ツツジ科(Ericaceae)アセビ属(Pieris)
学名 Pieris japonica
もう少し時期が経つと、次のような色になります。わたしは、これも美しいと思います。
2021.06.30撮影
上に書いたアセビの学名に、わたしがここ数日話題にしている japonica がしっかりと入っているのに、気づかれた方もいらっしゃると思います。反対に、学名には関心がない、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも、学名って、一度ハマると、便利なんですよ。
さて、その生物の学名に使われるラテン語ですが、語形変化をよくします。例えば、形容詞は、それが修飾する名詞の「性」により、形を変えます。なんで名詞に「性」があるか、なんて聞かないでね。そうしたいからそうしたんでしょう。
その名詞の「性」とは、「男性」「女性」「中性」です。
学名の属名は名詞で、その後に続く種小名が形容詞です。ですから、種小名には、語形が3種類あることになります。
例えば、japonica(でた〜)なら、これは、japonicus(男性形)の女性形です。
japonicus(男性形)
japonica(女性形)
japonicum(中性形)
なぜ男性を立てて japonicus(男性形)から話を始めなかったか、と言うと、それは、日本人の間では「ジャポニカ」というのは知られた表現だからです。それだけ。男性のみなさま、ここまで無視を続けてごめんね。
ところで、ラテン語の読み方は、「ジャポニカ」ではなく「ヤポニカ」です。今まで、この点に触れておらず、失礼いたしました。
Euonymus japonicus(マサキ)
パブリックドメイン
直前の画像のマサキは、男性形 japonicus の例です。
和名 マサキ(正木)
ニシキギ科(Celastraceae)ニシキギ属(Euonymus)
学名 Euonymus japonicus
次のジャノヒゲも、男性形 japonicus の例。
Ophiopogon japonicus(ジャノヒゲ)
撮影者:Alpsdake
撮影日:2018.01.06
オリジナルからの改変、なし
和名 ジャノヒゲ(蛇の髭)
別名 リュウノヒゲ(竜の髯)
キジカクシ科(Asparagaceae)ジャノヒゲ属(Ophiopogon)
学名 Ophiopogon japonicus
「ヒゲ」を「髭」と書くか、「髯」と書くか、あるいは、「鬚」と書くか、ははっきりしませんでした。
次は、中性形 japonicum の例です。
Acer japonicum(ハウチワカエデ)
撮影者:西画像創庫
撮影日:2008.05.17
オリジナルからの改変、なし
和名 ハウチワカエデ(羽団扇楓)
別名 メイゲツカエデ(名月楓)
骸じ科(Sapindaceae)カエデ属(Acer)
学名 Acer japonicum
中性形 japonicum の例は、他に、
・ヒメオトギリ(Hypericum japonicum)
・フジバカマ(Eupatorium japonicum)
など。
オトギリソウ、西洋の
ジョウ・パイ草、ってなに?