2024.02.05撮影
わたしの住むバンクーバーでは、この1月の半ばに、例年より厳しい低温、雪、雨、が続きました。それで、それより前、12月〜1月にかけて花芽を出していたヘレボルス(Helleborus)が大きな被害を受けました。(サザンカも、花とツボミがダメになりました。)
でも、気温が寛解すると(と言っても、庭仕事するには寒いんですが)、まだ花芽を出していなかったヘレボルスが花芽を出して、1月末には咲き出しました。そして、2週間もしないうちに、庭中で開花。
今日は、そのように咲いているヘレボルスのうちのいくつかを、ご紹介します。すべて、オリエンタリス系(orientalis)の交配種・交雑種です。
オリエンタリス系のヘレボルスは、多くは下向きに咲くのですが、冒頭の画像のヘレボルスは、ほぼ横向きに咲きます。
この花の色は全体的に薄めの赤紫で、特筆できる模様がついていないので、プレーン「無地」という分類になると思います。でも、花びら(実は、ガクですが、以下、「花びら」あるいは「花弁」という呼び方をします)のつけ根が薄黄色なので、そちらを優先する分類もあるかもしれません。
以下の画像は、冒頭の画像のヘレボルスを上から撮影したものです。見えているのは、花びらの裏側(=外側)です。
2024.02.05撮影
この花びらの裏側(=外側)には、濃い色の脈が現れています。ベイン「静脈」という用語があり、それは、花の表側(=内側)に現れる脈状のものを言います。このベインという用語が、裏側に見える脈についても言うのかどうかは、わたしは知りません。(大体、花びらの裏側まで見て喜んでいるのは、わたしみたいなカワリモノだけ?)
冒頭の画像の花びらのつけ根に見える薄黄色の部分は、裏からも見えます。この薄黄色の部分は、でも、直前の画像中には、撮影角度のため写っていません。
次の花は、今年、わたしの庭で一番最初に咲いたヘレボルスです。1月末に咲きました(画像は、その数日後、2月に入ってから撮影しました)。きれいなバラ色で、ややうつむき加減に咲きます。
2024.02.03撮影
この個体には、透明の脈がたくさん走っています。花びらの地の色よりも濃い色の脈はベインと言うのですが、透明の脈には名前がついているのでしょうか。透明の脈が出ている花は結構あるので、なんらかの用語があっていいと思います。
このバラ色の花は、オシベがもう開いているので、咲きたての花ではありません。でも、花びらがカップ状のままです。このような咲き方を、文字通り、カップ咲きといいます。
2024.02.03撮影
この3番目のヘレボルスは、花弁の先が尖っています。このような形の花びらを、剣弁、そして、そのような形の花弁の咲き方を、剣弁咲き、といいます。
この個体には、小さめのスポットが花びらのほぼ全体に出ていますが、色が花びらの地の色とほとんど変わらないので、この花は一見プレーンに見えます。このような個体をスポットと呼ぶのか、プレーンと呼ぶのか、わたしにはわかりません。
ヘレボルスの花は、交雑によって変化に富むので、花のフォーム「形状」の分類は難しいです。全く同じ花はない、とまで言われる所以です。
2024.02.10撮影
この個体の特徴は、小さいスポットが花びら一面に出ていること、ベインがはっきりではないが出ていること、また、透明の脈もあること、花びらのつけ根と一部が黄緑色であること、などです。
わたしの庭にはヘレボルスが多数あり、みんなが自由恋愛をするので、一体どういう子孫ができるかは、全くわからないのです。形質が混ざり合うので、園芸店に並んでいるようなくっきり、すっきりしたフォームにはなりません。代わりに中間的な形態の個体が生まれてきます。わたしにとっては、それがヘレボルスを育てる醍醐味でもあります。
2024.02.13撮影
この個体は、先の個体よりも色が濃く、赤紫色をしています。そして、花弁の先が部分的に黄緑です。花弁全体に大きめのスポットが広がり、重なり合ってブロッチ「シミ」を形成します。
この個体の花びらは、先が鋭角に尖っていないので、丸弁といい、その咲き方を、丸弁咲きと言います。と言っても、花びらの形も、交雑の仕方により、千差万別で、分類と言っても、程度問題です。
この花は、平たく開いているので、この咲き方を平咲きといいます。これも程度問題で、中間形態がたくさんあります。
2024.02.10撮影
今日ご紹介する最後の個体は、写真でより、実物で見た方がとびきりきれいな花です。やや大きめのスポットが、花びらのかなり外縁まで広がります。でも、重なり合っていないので、ブロッチには見えません。かなり幻想的な花です。
今日は、赤紫系のヘレボルスでしたが、次回は、薄いピンク系のヘレボルスをお見せします。