2024.08.06撮影
今日は、前回の続きで、キキョウ(Platycodon grandiflorum)がツボミから花開くまでの変遷をご覧ください。
2024.07.17撮影 2024.07.25撮影
キキョウのツボミは、最初、薄緑色です。この時点ですでに花びらに厚みがあるのだろうな、とうかがうことができます。小さいツボミがやや大きくなると、筋が紫色になってきます。ツボミの下にあるのが子房、子房の上にぴこぴこと5本(「枚」というより)出ているのが、ガク。
わたしは前から不思議に思っているのですが、キキョウのツボミって、ガクに被われている時ってあるのかしら??? わたしは、キキョウのツボミと言えば、このぴこぴこガクしか見たことがない。単にわたしの勉強不足なのかもしれません。
2024.07.27撮影 2024.08.01撮影
上を向いていたツボミが大きくなるにつれ角度を下げてきます。左の画像のツボミには虫がついており、多分、アブラムシ。右の画像の方が、紫の色が濃くなってきているので、より成熟したツボミです。
キキョウは、英語で Balloon flower「風船花」と呼ばれますが、これは、このツボミの形状から来ます。なんか、「バルーン」なんて、全然、ロマンティシズムがない。
なお、キキョウ属を指す学名 Platycodon の意味は、さらに勉強してみると、「幅広の鐘」であることが判明しました。
前の記事で、わたしは、
> 「平坦な鐘」ってことはないだろう、と思うけど。
> ですから、ここでは、口の大きく開いた「幅広の鐘」という意味でしょう。
> 花が開ききると、平たい、あ、なるほど、「平たい鐘」ですね、確かに。
と推測したのは、間違いではなかった。
2023.07.29撮影 2023.07.27撮影
色づいた風船状のツボミをどうぞ。右の画像では、花びらが1枚開きかけています。そこから、閉じたメシベとオシベが見えます。
2024.07.27撮影 2024.07.21撮影
花がもっと開きました。左の方は、まだ閉じ気味の花びらがありますが、すべての花弁が伸びきると、右の画像のようになります。
小さい黄緑色のツボミが、どちらの画像中にも見えます。このように、キキョウの花が次々と咲いています。
次は、花の開いたばかりの時の様子です。オシベがメシベにくっついたまま。花粉はすでにメシベの花柱にまといついています。が、柱頭には、花粉はついていません。オシベの方がメシベより短いので、花粉は柱頭に届きません。たとえ、虫が媒介したにしても、この段階ではメシベは受粉能力がないので、受粉は起こりません。
2024.07.27撮影(第一段階)
次は、第三段階のごく初期の様子です。柱頭がまだ割れかけであるところ。オシベの退化がすでに始まっているようです。
2024.08.06撮影(第三段階初期)
それでは、キキョウの後ろ姿をご覧ください。スッキリしていますね。でも、ガクが、いやあ、ちっちゃいなあ。
2024.07.22撮影
4週間ほど前から2週間ほど前にかけて、キキョウの属するキキョウ属と同じキキョウ科(Campanulaceae)の、ホタルブクロ属(Campanula)の花を連載しました。
・モモバギキョウ、あるいは、モモノハギキョウ
・ニワギキョウ
・ホシキキョウ
・オトメギキョウ
これらのホタルブクロ属の花は、「〜ホタルブクロ」と呼ばれるよりも、「〜ギキョウ」と呼ばれる種の方が多いようです。
では、なぜ、キキョウ(Platycodon grandiflorum)は、キキョウ属(Platycodon)であって、ホタルブクロ属(Campanula)ではない? すべて観察して比べたわけではありませんが、キキョウ属とホタルブクロ属の特徴の大きな違いは、キキョウ属は柱頭が5裂、ホタルブクロ属は柱頭が3裂、なのかもしれません。