2024.07.22撮影(第二段階)
今日は、キキョウ(Platycodon grandiflorum)をお届けします。
うちのキキョウは、3年前までは、北側の庭に植っていたんです。でも、もっと太陽を、と、南側の庭に移し替えました。すると、今年になって、根をしっかりと下ろし、それに加え、大人の株に成長したようです。花軸も多く出、花もたくさん咲き出しました。
キキョウについては前にも書いたのですが、今回、あまりにも元気に咲いたので、新しい写真をもまじえて、もう一度書くことにしました。
学名 Platycodon grandiflorum
英名 Balloon flower「風船花」(ツボミの形状から)
和名 キキョウ(桔梗)
キキョウ科(Campanulaceae)キキョウ属(Platycodon)
2021.08.07撮影(第一段階)
キキョウは、ひとつの花が「3回」咲く、と言われます。でも、こういう「咲き方」をする花はキキョウだけじゃないのに・・・なぜ、キキョウが特に取り上げられるのか?
日本に古代から(?)あり、花がぱっちりと咲いて目立つからでしょうか。実際、キキョウは目を引くと思います、草丈もあるし、比較的大型の花(学名の種小名は、grandiflorum「大きい花の」)だし、色がなんと言っても「高貴な」紫だし。生薬として使われるのも理由かもしれません。
直前の画像は、花びらだけが咲いた、第一段階です。オシベはメシベにピッタリと沿ったまま、メシベは柱頭を閉じたまま。この段階では、オシベもメシベも、生殖能力はありません。
2021.08.03撮影(第二段階)
第二段階では、直前の画像に見られるように、オシベが「咲き」ます。オシベは、花弁が5裂するのと同様、5本。この段階では、メシベの先端である柱頭は、開いていません。
オシベ表面の薄茶色っぽいのは、オシベから出ている花粉。花粉は、メシベの花柱にもついていますが、この段階では、柱頭が開いていないので、メシベは受粉しません。
より大写しの冒頭画像もご覧ください。花粉が花柱についているのがよく分かります。メシベで受粉能力のあるのは柱頭だけで、花柱にはいくら花粉がついても受粉は起こりません。
2024.08.01撮影(第三段階)
第三段階になると、メシベが「咲き」ます。花びら5裂、オシベ5本、と同じように、メシベの先端にある柱頭は5裂。オシベは、柱頭が開くと、あるいは、開くのに前後して、花粉を出さなくなり(=送粉しなくなり)、まもなく枯れていきます。
キキョウが、オシベとメシベの生殖能力のある時期をずらすのは、自家受粉を避けるためです。
・このように、オシベとメシベの成熟時が異なることを、雌雄異熟
その中でも、
・雄期(オシベが成熟している時期)が先行するものを、雄性先熟
・反対に、雌期(メシベが成熟している時期)が先行するものを、雌性先熟
といいます。
筑波大学生物学類のサイト
2024.07.27撮影(第三段階)
直前の画像は、第三段階の花です。オシベがかなり枯れています。メシベの柱頭の5裂した先が薄茶色っぽいですけど、これが、よそのオシベから運ばれてきた花粉なのか、あるいは、枯れかけているのか、わたしには、分かりません。
それより、花柱が長くてきれいな色だと思いました。
(つづく)