2021.04.12撮影
一般に「ヒアシンス」と呼ばれている植物は、ヒアシンス属(Hyacinthus)の植物です。
学名 Hyacinthus orientalis
英名 Hyacinth(「ハイアシンス」のように発音)
和名 ヒヤシンス
別表記 ヒアシンス(わたしの個人的な好みで、こちらの名称を使います)
キジカクシ科(Asparagaceae)ヒアシンス属(Hyacinthus)
昔、昔、ギリシャ神話の時代に Hyakinthos と呼ばれた美少年がいました。この名は、古ギリシャ語で「ヒュアキントス」のように発音します。この少年は、ギリシャ神話の主神であるゼウスの息子アポローンに愛されました(この「愛された」というのがどういう意味なのかは、知らない)。そして、円盤投げして遊んでいる時に、事故死し、その事故によって流した血から花が咲き、その花が「ヒュアキントス」と呼ばれるようになりました。
この「ヒュアキントス」と呼ばれた花が、一体どの花のことであったかは、はっきりとはわかっていないのですが、現在では、この語が、いわゆるヒアシンスを指す言葉となっています。
2023.04.05撮影(真上から)
ヒアシンス属(Hyacinthus)には、1種しか認めない場合と、3種認める場合があります。1種しか認めない場合には、他の2種は、Hyacinthella という属に入れます。
植物の分類で、属(ぞく)の上に科(か)があるのですが、その中間の位置に、つまり、科の下に亜科(あか)を設けることがあります。
キジカクシ科(Asparagaceae)の場合には、亜科が7つ、その亜科のひとつがツルボ亜科(Scilloideae)です。
亜科の下には、属が含まれ、属が種に分かれます。
2023.03.30撮影(斜め上から)
ツルボ亜科(Scilloideae)には、多くの属が属しますが、そのうちから、Hyacinth- と名づけられた属を抜き出してみます。属名の読み方は、日本語で書かれた各種サイトからの情報に従いました。
Hyacinthus(ヒアシンス属)
例:ヒアシンス、のみ
Hyacynthella(ヒアキンテラ属)
例:旧ヒアシンス属から分離、2種のみ
Hyacinthoides(ヒアキントイデス属)
例:イングリッシュ・ブルーベル、など
これらに加え、シラー属もツルボ亜科の属です。形態的に、ヒアシンス属等の花々に大変よく似ています。例えば、次の画像は、ヒアシンスのツボミですけど、シラー属のツボミにそっくりです。
Scilla(シラー属)
例:プシュキニア、チオノドクサ、シベリカ、ビフォリア、など
シラー属については、2月20日〜2月23日に書きましたので、よろしかったら、覗いてみてください。
2023.03.28撮影
ヒアシンス属(Hyacinthus)は、1種のみからなるとしても、3種からなるとしても、ヒアシンス自体の学名は、Hyacinthus orientalis です。
ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、であり、それらの地は、ヨーロッパから見て「東洋 orientalis」に当たります。
この、東洋が出の花が、ヨーロッパで、そして、のちには地球上の多くの地域で愛でられるようになった道筋を、明日、オランダとフランスのふたつの道筋で、簡単にですが、見てみようと思います。
2021.03.30撮影
今日掲載している画像は、すべて、うちのヒアシンスです。え? なんでこんなにやせっぽちなの? そもそも花がない!
すみません、うちの庭では多くの植物が成長した樹木の陰となり、そのため、いくつも植物を失ったり弱らせたりしてしまったのです。ヒアシンスも例外ではない。でも、球根が、園芸種であるために、自然に衰えただけかもしれません。
最初の画像と最後の画像は、2年前の写真です。その2枚の間の画像は、今年の写真で、時間的には、下から上へ行きます。どうか時期的な変遷をたどってみてください。
今年のヒアシンスは、木々の剪定の効果がよく出たのか、ちょっと太っていて、良かったと思いました。
明日は、オランダ系のヒアシンスと、フランス系のヒアシンスについて。
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