イギリスの庭園に植えられているヒアシンス
撮影者:The wub
撮影日:2012.04.14
オリジナルからの改変、なし
昨日の記事では、うちのやせっぽちヒアシンスをお見せするとともに、ヒアシンスが、学名で、Hyacinthus orientalis「東洋のヒアシンス」と呼ばれることをご紹介しました。
ヒアシンスの原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク。その「東の地」から、まず、ヨーロッパに持ち込まれました。
ヨーロッパでヒアシンスの栽培が進んだのは、主に2地域において。ひとつは、現代でも球根の大生産地であるオランダ、もうひとつはフランス。
「オランダのヒアシンス」というのは、英語で Dutch hyacinth と言います。この表現から、日本語でも、オランダの園芸種は「ダッチ・ヒアシンス」とも呼ばれます。
一方、フランスの園芸種は、英語で Roman hyacinth と呼ばれ、これを日本語でカタカナにしたのが「ローマン・ヒアシンス」です。
Roman というのは、「(ローマ帝国の首都)ローマの」あるいは「ローマ帝国の」という意味ですが、広義には「ラテン世界の」であり、イタリア、スペイン、ポルトガル、そして、フランスなどの地域、人々、言語、文化、物品、などを指し、また、形容します。
ヒアシンスの園芸種
撮影者:QuazDelaCruz
撮影日:2013.07.29
撮影日:2013.07.29
オリジナルからの改変、なし
現代において、わたしたちが庭や室内で育てているヒアシンスのほとんどは、「ダッチ・ヒアシンス」の、各種、園芸種です。
「ダッチ・ヒアシンス」の特徴は、その華やかさ、艶やかさ、です。
・花穂が大きい
・花数が多くつく
・色の種類が豊富(赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、青、紫、赤紫、黒、など)
・花の大きさ、形に変化がある、八重もある
直前のチャート形式の画像は、そのような園芸種の花の数々です。
冒頭の画像の「ダッチ・ヒアシンス」も、花穂に花が整然と密集してついて、「見事」ですよね。
でも、このように花数多く毎年咲かせるのは、そう容易ではありません。冒頭の画像のヒアシンスは、毎年植え替えられている、つまり、前年に植えられたものである、と思います。庭園を「見せる」ものとして維持するには、球根も、毎年、掘り上げて廃棄し、新しく植えつけるのです。
白と紫のヒアシンス園芸種
撮影者:ElenaSchifirnet
撮影日:2008.04.19
オリジナルからの改変、なし
上の画像のヒアシンスは、その咲き方から見て、前年に植えられたのではなく、数年間、植えられたままで維持されている個体群だと思います。花が、整然としていないし、密集もしていません。代わりに、美しい自然な「乱れ」があります。
でも、うちのヒアシンス(下の画像)と比べると、まるまるしているなあ。
2023.04.10撮影
うちのは、これでも、(何度も繰り返して恐縮ですが)周りの大木の枝を取り払うことにより、回復してきたんです。
しかし、本来多年草である球根植物でも、原種系のは、生育条件が合えば地植えで増えていっても、園芸種は、その種類によっては消え込んでいったり、先祖返りします。チューリップでも、スイセンでも、ヒアシンスでも。
「ダッチ・ヒアシンス」の各種の園芸種が、年数が経ち、小ぶりに、また、スマートになっていくのは、仕方のないことだと思います。
今日の記事は、主に「ダッチ・ヒアシンス」についてになってしまいました。明日は、「ローマン・ヒアシンス」。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます