モクセイ(ギンモクセイ)
撮影者:Juni
撮影日:2004.10.17
オリジナルからの改変、なし
昨日はキンモクセイについて話しました。
今日はモクセイ(別名 ギンモクセイ)についても話したいと思います。
和名 モクセイ(木犀)
和名 ギンモクセイ(銀木犀)
モクセイ科(Oleaceae)モクセイ属(Osmanthus)
学名 Osmanthus fragrans
英名 Sweet olive「甘い(匂いの)オリーブ」
別名 Tea olive「お茶(用)のオリーブ」
別名 Fragrant olive「芳香のオリーブ」
「モクセイ」と言う時、
・ギンモクセイ(Osmanthus fragrans)だけのこと
・ギンモクセイ(Osmanthus fragrans)、キンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)、など、Osmanthus fragrans に変種・品種の総称
のふたつの場合があります。
キンモクセイは、モクセイ(ギンモクセイ)の変種ですので、両者には共通した形状、性質がありますが、大きな違いは、2点。
1.花の色は、ギンモクセイは白、キンモクセイは橙色(だいだいいろ)
2.香気は、キンモクセイの方が強い
モクセイ
わたしは、個人的に、学名が好きです。学名を見れば、
・属名により、他の植物との親戚関係がわかる
・種小名により、特徴など(色とか形とか)がわかる
と言っても、学名をたくさん知っているわけではありません。ぼちぼちと理解している程度です。わたしは英語圏に住んでいるので、英語の知識をラテン語の学名に当てはめることもできます。
ギンモクセイ Osmanthus fragrans を見てみると、
属名 osme「香気」+ anthos「花」
種小名 fragrans「芳香のある」
キンモクセイの var. aurantiacus なら、
var. = variety(英単語)「変種」
aurantiacus「オレンジ」
(aurea 等が出てきたら「金色の」「黄色の」)
モクセイ(ギンモクセイ)とキンモクセイは、モクセイ属(Osmanthus)に属するわけですが、次に、属より上のモクセイ科(Oleaceae)を見てみます。
Oleaceae の語尾の -aceae は科名に共通なので特に意味はなく、和訳では「科」程度に当たります。意味を担うのは、olea の部分です。これはどう考えても、英語で言うところの oil に違いない。つまり、「油」。
モクセイ科(Oleaceae)にどんな属が属するか、というと、次のようになります。属名に続いて、代表的な種も書いておきます。
・レンギョウ属(Forsythia)レンギョウ
・ソケイ属(Jasminum)いわゆる、ジャスミン
・ハシドイ属(Syringa)ライラック
・オリーブ属(Olea)オリーブ
・モクセイ属(Osmanthus)モクセイ、ヒイラギモクセイ、ヒイラギ
つまり、モクセイ科(Oleaceae)において、「科」の名前を引き継いでいる「属」は、
・和名では、モクセイ属(Osmanthus)
・学名ではオリーブ属(Olea)
ということになります。
このような、和名と学名における属名と科名の食い違いは、しょっちゅうあります。
では、Oleacea(モクセイ科)と Olea(オリーブ属)の olea「油」を頭において、キンモクセイの英名を見てみてください。「オリーブ olive」が出てきます。ここでやっと、モクセイとオリーブがつながりました。
・Orange sweet olive「オレンジ色の甘い(匂いの)オリーブ」
・Japanese orange osmanthus「日本のオレンジ色のモクセイ」
キンモクセイについてつけ加えれば、中国茶に「黄金桂」と呼ばれるものがあります。「桂」は「丹桂(キンモクセイ)」の「桂」です。「黄金桂」というのは、文字通り、抽出された茶湯が「黄金色」で「桂(キンモクセイ)」の香りがかすかにするお茶。
以下のサイトの情報がどこまで正確かわかりませんが、ご参考までに、どうぞ。
鉄観音・黄金桂・水仙・色種
明日は、ヒイラギとヒイラギモクセイについて書きます。モクセイに加え、ヒイラギモクセイも、ヒイラギも、みんな、モクセイ属の植物なんです。
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