カラスといちごとクロッカスと

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ルイスのバイカウツギ

2023年06月23日 08時00分00秒 | アジサイ科
2022.06.15撮影

日本からバンクーバーに帰ってきたら、自宅の庭にこのバイカウツギ属(Philadelphus)の花が咲いていました。と言うか、盛りがやや過ぎてしまっていました。そんな状態でも、甘くて、たいへんいい香り。画像だけでなく、匂いもお届けしたいくらいです。

上の画像には、アリさんか何かも写りこんでいます。

学名 Philadelphus lewisii「ルイスのバイカウツギ」 
英名 Lewis’s mock-orange「ルイスのオレンジもどき」
別名 Wild mock-orange「野生のオレンジもどき」
和名 ないもよう
アジサイ科(Hydrangeaceae)バイカウツギ属(Philadelphus
原産 北アメリカ西部

この植物に和名はないもようなので、学名 Philadelphus lewisii から、ここでは「ルイスのバイカウツギ」と呼んでおきます。

2013.06.12撮影

「ルイスのバイカウツギ」と「日本のバイカウツギ」は、見た目に大きな違いはありませんが、別種です。

今日の記事に、日本のバイカウツギの画像は掲載されていません。姿をお確かめになりたい方は、以下のWikipediaの記事などでどうぞ。

バイカウツギ

学名 Philadelphus satsumi
和名 バイカウツギ(梅花空木)
日本固有種

「日本のバイカウツギ」は、学名を、Philadelphus satsumi といいますが、satsumi というのは、「薩摩の」という意味でしょうか。地名から来た種小名に -i がつくことはなかったと思うのだけど、わたしの勘違い? ・・・この satsumi は人名「薩摩」?? でも、地名と取る方が自然なような・・・

植物学名の性・・・語尾による性別の判断

2021.06.09撮影

「日本のバイカウツギ」Philadelphus satsumi「ルイスのバイカウツギ」Philadelphus lewisii、の「姓」の方(=属名)Philadelphus は、「兄弟姉妹を愛する、愛している」という意味です。でも、なぜこれがバイカウツギの属名に? 

Philadelphus (disambiguation) (英文)

一説には、Philadelphus(バイカウツギ)は、エジプトのファラオ、プトレマイオス2世に因んだ命名だそうです。この王は、母親が同じ姉を妻としたために、「兄弟姉妹を愛する」という意味の Philadelphos「ピラデルポス」という異名を与えられています。

でも、この説は、信じがたい。なぜなら、バイカウツギ属の分布は
・北アメリカ
・中央アメリカ
・アジア
および、
原産ではなく、18世紀終わりまでに、日本から移入され、帰化したもようの
南東ヨーロッパ(全域ではなく)
であって、エジプトには産しないからです。

Philadelphus(英文+画像)

2022.06.18撮影

では、学名 Philadelphus lewisii の「名」の方(=種小名)lewisii はどうでしょうか。種小名の最後に -ii がついていたら、その前の部分は人の名前です。つまり、lewis は人名なのです。

実際、「ルイスのバイカウツギ」は、「ルイス・クラーク探検隊(発見隊)」によって、白人によっては初めて採集されたのだそうです。なんでも白人が「初めて」見たら、「発見」ですからね。アメリカ大陸発見、みたいに。

200年ちょっと前、ルイス(Lewis)とクラーク(Clark)によって率いられた白人の一隊が、北アメリカ大陸東部から、北アメリカ大陸中部を通り、北アメリカ大陸西部に探検に行ったんだとさ。すると、今まで見たことないもの、いっぱい見つけた。発見に発見が続いた。

お、この白い、いい匂いの花はなんだ。オレンジの花みたいな香りがするなあ。ほんと、いい匂いだなあ〜〜

と、その植物も、
>> 全178種に及ぶ植物
のひとつになったのであります。

ということで、この北アメリカ大陸西部で「発見」されたバイカウツギは、「発見隊」の隊長の名前を取って「ルイスのバイカウツギ」と名づけられました。

ルイス・クラーク探検隊

明日につづく。



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