2022.05.11撮影
これは、チャイブ(Allium schoenoprasum)の、まだ固いツボミです。花茎がすくっと立っています。ツボミのついていないのは、葉です。先細りしたのがそうです。手でさわれば、葉と花茎は全く違います。
チャイブはお食べになったことがありますか。アサツキと同じように食べることができます。アサツキはチャイブの変種です。
・チャイブ(Allium schoenoprasum)
・アサツキ(浅葱 Allium schoenoprasum var. foliosum)
風味は少々違うのかもしれませんが、わたしは両者を比較できるほどアサツキを食べた経験がないので、わかりません。
その理由のひとつに、日本で食用に売られている「あさつき」がアサツキではなく、ネギ(葱 Allium fistulosum)を若採りしたもの、というのが挙げられます。つまり、ニセモノ。
次の画像は、向こう側にピンクに色づいてきたツボミ、手前の方に既にかなりほころんでいるツボミ、が見えます。チャイブの左手後ろにちょっと見える青い花は、ワスレナグサ(勿忘草 Myosotis scorpioides)です。
2022.05.25撮影
チャイブもアサツキもネギ属(Allium)です。ネギですから、花が咲けば、それはネギ坊主です。そのネギ坊主の「鑑賞に値する」のが、園芸用にアリアムとして流通しています。学名をカタカナにしただけ。
そんなお美しいアリアムの例が、これ。‘Persian Blue’「ペルシャの青」という園芸種です。(わたしには、いくら見ても、ネギ坊主にしか見えない。)
2022.05.25撮影
ネギ属(Allium)は、ヒガンバナ科(Amaryllidaceae「アマリリス科」)なんですが、ヒガンバナと聞けば、食べて大丈夫なのか(特にタマネギ)? 「アマリリス科」と聞けば、あんなに大きい花といっしょ? と感じるかな、とも思います。異なる文化圏で歴史的に採用してきた名前が、ずれているんですね。
次の画像は、昨日ご紹介したシューベルト・アリアム(Allium Schubertii)です。園芸種ではなく、原種。
2022.06.18撮影
日本では、ネギ(Allium fistulosum)は主に食用として育てますが、バンクーバーなんかでは観賞用に育てている人もいます。食用と兼ねているのかもしれません。きれいですよ、花。でも、日本でも、庭に作ったネギが食べ切れなくて、結局きれいな花になっしまった、ということもあると思います。
ネギ(Allium fistulosum)の花
撮影者:Ping an Chang
撮影日:2019.04.06
オリジナルからの改変、なし
チャイブは、葉も花も食べられます。わたしが好きなのは、花です。
わたしが初めてカナダに来た時、カナダ人のお家に1週間ほど居候していたのですが、その時、サラダを作る、というので、ほい、これ、切って、とチャイブを渡され、へえ、こんな細いネギみたいなものがあるんだ、と思いながら、包丁が要るので「ナイフがいるよ」と言ったら怪訝な顔をされ、「まな板も」と言うとますます怪訝な顔をされ、一応「道具」がそろったところで、切れないペティナイフで小口切りをしていたら、え? 何しているの? チャイブは切るならこうやって切るのよ、と2センチの長さでばっさばっさと切って見せてくれました。あっという間にできあがり。それと、ナイフなんか使わずに、手でねじってちぎるんですって。わたしは、現在では、チャイブの葉はキッチンナイフでちょきんちょきんとやります。
その点、花は便利です。ばらせばいいだけ。サラダにも、スープにも、パスタ、チャーハンにもいけます。花の風味の方が、わたしは好きです。
2022.05.25撮影
上の画像のチャイブの花は、まだ全開していません。薄い皮のような総苞(そうほう)がまだきれいに見えます。次のリンク先に、チャイブの花の変化を示した画像がありますが、その右から2番目ぐらいです。その画像の左上には、花がばらされた様子が見えます。
All About Chive Blossoms(英文+画像)
チャイブは、一度根づくとまずはなくなりません。うちでは増えすぎて困っていて、人様にもらっていただくのですが、もう大抵のところへは差し上げてしまったので、もうもらってくれないんです。せっせと食べるしかないんでしょうか。花を生花にするのは、ネギの匂いがして、ちょっと苦手な人がいるかもしれません。
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