2006.03.27撮影
今日も昨日に引き続き、ツルボ属(Scilla)の花をご紹介します。
昨日の花は、白地に青の線が縦に入ったプシュキニア(Puschkinia:学名 Scilla mischtschenkoana)でしたが、今日の花は、青紫地でその真ん中が白く抜かれた花、チオノドクサ(Chionodoxa:学名 Scilla forbesii)です。こちらも、たいへん印象的な花です。そして、それだけでなく、プシュキニア同様、分類の移動により名称も入り組んでいます。
学名 Scilla forbesii「フォーブズのツルボ」
英名 Glory-of-the-snow「雪の輝き、雪の誉」
和名 チオノドクサ(古い学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla)
2006.03.27撮影
学名の種小名は、人の名前から来ていることがあります。-ii がついていたら、まず人名に間違いありません。ですから、Scilla forbesii の forbesii は Forbes から来ていることになります。Forbes「フォーブズ」というのは、英語の名字です。
で、その Forbes さんがどんな人か、と思ったら、困った。植物関係の Forbes さんは、英語版のWikipediaに挙がっているだけでも、6人はいる。Scilla forbesii の Forbes はどの人よ、と思いましがた、追求するのはやめました。なぜなら、Wiktionary(Wikipediaに付随する辞書)にさえ、「何人かいるうちのだれでも」みたいな書き方だったので。
わたしは、今まで、Scilla forbesii を「スキッラ・フォルベスィイ」と読んでいましたが、forbesii が英語の Forbes「フォーブズ」から来た、とわかった今、そう読むわけには行かなくなった、汗。英語の発音に従って読まねばならぬ。「スキッラ・フォーブズィイ」。ううむ、今さら言いにくい。でも、この花が「フォーブズ」さんに献名されている以上、それは尊重したい。
昨日、Scilla mischtschenkoana のことを、便宜上、古い学名から取ってプシュキニア(Puschkinia)と呼びました。今日は、同じく、便宜上、Scilla forbesii のことを、チオノドクサ(Chionodoxa)と呼びます。英語圏での通称と考えてくださってもいいです。
2022.03.23撮影
上の画像は、チオノドクサのツボミです。先がとんがってきます。「花びら(実は、ガク)」の根元に近い方には、白いパッチが現れています。
「花びら」、実は、ガク、という植物、多いですね・・・
次の画像では、ツボミと花の、異なる段階の様子をご覧になってください。とんがる前のツボミは、画像のちょうど真ん中あたりに見えます。
画像中、赤い実は、ヒメコウジ(Gaultheria procumbens)の実です。左上方に少し見える赤っぽい花は、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)のすでに開いたものです。
2021.03.31撮影
上の画像の位置に、わたしは、チオノドクサを植えたのではないのです。それなのに、咲いている。チオノドクサは、ここだけでなく庭中のどこにでも出てきてくれる。つまり、勝手に増えてくれる。ありがたいことです。
でも、あまりにもどこにでも出てくると、春先に落ち葉を移動させる時とか、夏場にキンポウゲを掘り出したりする時に、つい、乱暴な扱いになってしまいます。ごめんちゃい。
果実は、花茎に並んでつくのですが、その重みで茎が倒れます・・・あいにく、手持ちの写真がありません。
2022.03.24撮影
この上の画像では、「花びら(ガク)」(この但し書きを書くの、もう飽きた)の形状を観察なさってください。先の方の両脇が独特な形にそりかえっていますね?
チオノドクサは、青紫地に、真ん中に白の目抜きの模様がついています。でも、よく見てみると、チオノドクサも、プシュキニアのように、「花びら」の真ん中に縦に青い線が入っています。これは、「花びら」の裏側からも観察できます。次の画像でお確かめください。
2006.03.27撮影
以下も、わたしの植えていないところで花盛りの青春を謳歌しているチオノドクサさんたち。この花がみんなまた果実になって、種を拡散してくれるのよね。実は、何が拡散を媒介しているのか、わたしにはわかりません。鳥? アリ? 風(ってことはないと思う)。
2022.04.06撮影
何と言いましても、あなた様の花のお写真が私の心を清らかに鎮めてくれます。
以前我庭はカタバミ、ヘクソカズラ、ウラジロチチコグサなど、所謂雑草で埋め尽くされてました。考えてみればその頃のほうが虫の来訪が多い様でした。特にカタバミ...
ヤマトシジミを呼ぶカタバミをむやみやたらと削除したがばかりに早春、その幼虫との出会いが無く淋しい想いをしております。
植物と虫の深い関係を痛い程感じた私は、今年は虫を呼べる。早い話が、植物(食草💦m(__)m)を置く庭造りを目指そうと想っております。
こうして、植物を花を紹介して頂き、勉強させて頂いております。
ご存知だとは思うのですが、日本には生息しないので、ひょっとしてご存知ではないか、と思うので、ご紹介しますが、大陸を駆ける、オオカバマダラ(大樺斑・学名Danaus plexippus )。これがまた偏食中の、偏食。