2021.07.04撮影
昨日(9月27日)は、コボウズオトギリ(Hypericum androsaemum)の、ツボミと花と苞葉と葉をお見せしました。今日(9月28日)は、昨日の続きで、果実を見てください。
和名 コボウズオトギリ(小坊主弟切)
英名 Tutsan
学名 Hypericum androsaemum
オトギリソウ科オトギリソウ属
果実は、冒頭の画像のように最初、薄い黄緑です。緑のオリーブみたいだなあ、と想像してしまいます(果実を見ると、わたしは食い気が勝る)。3本シッポがついています、折れて欠けていることはありますが。このシッポは、メシベの先が3本に分かれていたものです。
もう少し熟してくると、次の画像に見られるように、薄茜色に色づいてきます。やはり、3本、シッポが見えます。
画像中、焦点の当たっていない背景に写っている果実もご覧ください。その果実の左側に、花びらが1枚と、さらに、果実にくっついたままのオシベがあります。
それにしても、苞葉の果実に近いところが、なぜ白色に??? 気になり出すと、緑のオリーブの方(前の画像)も、面積こそ小さけれ、白いところがあります。
2022.07.06撮影
もう少し果実が熟すと、薄紅色になります。苞葉に、やはり、白い部分が見えます。画面右下に見える葉は、カタバミ(Oxalis)の1種です。
2022.08.13撮影
果実が熟してしまうと、次の画像のように、やや鈍い光沢のある、真っ黒な実になります。これは、またもや、黒いオリーブを思い浮かべました。大きさは、オリーブの方が大きいですけど。そして、やはり苞葉に白いところがあります。
2022.08.26撮影
コボウズオトギリ(Hypericum androsaemum)の種小名 androsaemum の andro は「人、人間」、saemum は「血、血液」という意味です。樹液が赤いことから「人間の血のような」という名前になりました。
英名の Tutsan は、フランス語の toute(みんな)、saine 「健康な」、からきています。この植物も古来から薬草として使われてきました。みんな健康でいられる、どんな病気にも効くよ、ということです。日本語的にいうと「医者いらず」みたい?
コボウズオトギリの場合は、特に、その根が使われます。セイヨウオトギリが、地上部を刈り取って使われるのと対照的です。
果実の方ですが、コボウズオトギリの実が食べられる、という記述は見つけられませんでしたから、食べない方がいいみたいです。
以下の画像は、雨の中の、開いた花ひとつと、ツボミみっつ。特にツボミが金平糖(コンペイトー)みたいだなあ、と思いました(わたし、古いですか)。
金平糖
2013.06.12撮影
わたしの庭には、セイヨウオトギリと同じように、コボウズオトギリも、招いたわけではないのですが、おひとりでやってきてくれました。そして、程なくして、もうお一方、いらっしゃました。
セイヨウオトギリは見た目は「雑草」ですが、コボウズオトギリは、人間の作る庭にうまく溶け込んでくれます。花のオシベ、葉の色の変化、実の色の変化、全草の姿、が目を楽しませてくれます。園芸種のヒペリカムのような、派手な大きな真っ黄色の花とは異なる趣です。
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