2024.05.19撮影
マゼンタの花シリーズが続いています。今日のマゼンタの花は、フウロソウ(Geranium)の1種です。
学名 Geranium macrorrhizum 'Bevan's Variety'
和名 ゲラニウム・マクロリズム「ビーバンズ・バラエティ」
別名 ゼラニウム・マクロリズム「ビーバンズ・バラエティ」
フウロソウ科(Geraniaceae)フウロソウ属(Geranium)
日本語で「ゲラニウム」とするか「ゼラニウム」とするか(「ゲ」か「ゼ」か)は、学名読みに従うか英語読みっぽくするか、です。英語では、Geranium は「ジェラーニアム」に近く発音します。英語の「ジェ」は、日本語化する時、よく「ゼ」になります(例:「ゼリー」)。
この記事では、簡略化のため、今日の花を、属名に品種名の一部をつけ加えて、「ビーバンのフウロソウ」とだけ呼んでおきます。
2024.04.26撮影
これは、「ビーバンのフウロソウ」のツボミです。若いツボミは、ややオリーブ色がかった緑、成熟してきたツボミは、赤っぽくなります。形が、蛇腹(ジャバラ)というか、提灯(ちょうちん)というか、半袖のパフスリーブみたいで、かわいいですね。(男性には、パフスリーブって、わかるかな? 昔の乙女は、パフスリーブを夢見たのであった。)
2024.05.04撮影 2024.05.12撮影
「ビーバンのフウロソウ」は、花軸が(ほとんどの場合)途中で二股にきれいに分かれます(左上の画像)。その二股に分かれた様子は、上から見下ろしても分かります(右上の画像)。この二股に分かれるのが「ビーバンのフウロソウ」に特有のものかどうかなんですが、うちの庭で現在咲いている他のフウロソウでは、そのようになっていませんでした。
この二股に分かれたところに、さらに花が、ひとつか、あるいは、少数(せいぜい、ふたつ)、つく場合があります(下の画像)。
2023.05.03撮影
花軸が二股に分かれる根本には、葉(それ以外の名称がついているかもしれません)が左右に分かれてつきます(上の画像)。この、文字通り襟巻き状の「葉」ですが、いくつも観察してみましたが、大きさのそろっているのも、そろっていないのもあります。
2022.05.14撮影
これは、まだ新しい花です。フィラメント状に見える花糸の先に、ヤクがついています。袋状というか、米粒状のもの。そのヤクのほとんどが、まだ開いていません。つまり、花粉を出していません。
黄色っぽい粉状のものがついているヤクがひとつ(ふたつ?)ありますが、それが花粉です。よって、それらのヤクは、「遺伝子ばらまき」状態に入っています。この後、花の日齢が進むにつれて、他のヤクの袋も開いてきます。
メシベは、この画像では、ちょうど中央にある、すっと伸びた軸状のもので、柱頭(メシベの先端)は、まだ発達していません。申し訳程度に、ぷちっとなっているだけです。この段階では、メシベは、受粉できる状態ではありません。
2024.05.05撮影
直前の画像では、ヤクがすべて開いていて、みんな花粉を出しています。オシベにとり囲まれ、やや長く左上に曲がり、先まで赤い軸がメシベです。この段階で、オシベは花粉を産出していますが、メシベの先にある柱頭は、成長し出しているとは言え、まだ開いていません。つまり、受粉能力はありません。
同じひとつの花冠(花弁の集合体)の中、オシベの方は準備万端、メシベはまだまだ生殖能力さえない、なぜメシベはオシベをこんなに「じらす」のでしょうか。
つづく
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