カラスといちごとクロッカスと

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バンクーバーの雪事情とカラス

2022年12月15日 07時55分32秒 | 気温、天気、天候、気候
2021.12.30撮影

>> モミジバフウの止まり木に止まるカラス(アメリカガラス)<<

この画像は、雪のたくさん降った去年の年末のもの。この程度が、バンクーバーでは「たくさん降った」に当たります。

バンクーバーでは、雪がちらほら舞い出すと、人々はそわそわとし出します。職場にいなくてもいい人(=自分で、帰る、という選択ができる人)は、帰り支度を始めて、あっという間にいなくなってしまいます。

時間で仕事をしている人には、上司から帰宅の許可が出ることがあります。そりゃ出るよね、上司も、部下を先に帰しといて、自分が帰りたいのだから。すると、車がどっと道に出てきて、大混雑が起こり、それが、事故に直結します。

いつだったか、確か法律が変わって、雪の中をスノータイヤをつけるかチェーンを巻かないと運転してはいけないことになったはずなんですが、まだまだ守らない人がいます。

スノータイヤをつけている人は少なく、オールシーズンで間に合わせよう、もっとひどいのは、夏のタイヤでなんのその、という人たちが車を転がして(これ、掛け言葉のつもり)、危ないんですよ。

そういう危ない人たちのおかげで道がふさがり、わたしは、普段なら、職場から家まで20分で走るところを、4時間かかったことがあります。

2021.12.30撮影

>> 雪の中のカラスさん。前に自分で埋めて隠してあった食料品を、探しているもよう。<<

さて、そのバンクーバーで雪が降ったらどうなるか、ですが、上の画像ぐらい降ると、あっと言う間に公共の交通機関が止まります。

そのぐらいになると、家路を急いですでに繰り出していた車が、雪で走れなくなり、あちこちで路上に放置されます。車を降りた人は、ゾロゾロと歩くことに。そんなふうに止められた車には、のちに速やかに回収すれば、一時停止禁止、駐車禁止、の場所であっても、交通切符が切られません。

まだ車に乗って頑張っている人々は、一旦停止の交差点では、一旦停止をせずに走るようになります。なぜなら、停止しようとすると、回転する可能性があり、衝突の原因となるから。これも切符は切られないそうですよ〜〜

信じられない? いや、これ、全部ホントです。少なくとも、わたしが見聞きしていること。

バンクーバーは、カナダ中のもの笑のタネなんです、雪に関しては。あれっぽっちで、何をオタオタしているんだ、と。

2021.12.30撮影

>> なんか見つけたかな? カラスさん。<<

バンクーバー市でも、交通が止まる前に、雪かき車を出して路上の雪かきをします。でも、なんと言っても雪かき車の保有台数が少ない。それで、雪が積もるのに追いつかない。そんなことをしているうちに、放置された車が道路脇を防ぐようになり、雪かき車による雪かきが困難になる。

また、雪かきは主要道路を優先してする(当たり前ですが)ので、住宅地の雪は何日も残ったままになり、気温がゆるんで雪と氷が溶けるのを待つばかり。中途半端に気温が上がると、また凍って危ない。

それでも、住宅地の車道のうち、比較的交通量が多い道は、住民の車が通るのでなんとか「雪かき」ができた状態になります。でも、轍(わだち)ができるし、凍っているところがあるので、危ない。

家の裏と、裏の家の裏、の間の路地になると、悲惨な状況になります。車を、路地に面した車庫から出そうと思ったら、まず、自分の労力を使って雪かきから始めなくてはなりません。こういうときに外にすでに出ている人がいれば、協力しにすっ飛んできます。

雪が降れば、バンクーバーでは人々がお互いに優しくなります。うん。

2021.12.30撮影

>> カラスさん、あると思ったところに溜め込んだのが見つからなくて、
どこに入れ込んだか考えている? <<

それより、バンクーバー市の条例で、規則があって、一戸建てに住んでいる人は、朝の9時までだったっけ、に、家の前の歩道の雪かきをする義務があるんですよ〜〜〜。

人手がある家はいいのですが、お年寄りがひとりで住んでいるお家とかは、子どもや孫や親戚に来てやってもらうとか、隣近所に頼るとか、だれかを雇うとか、になります。だれかを雇うと出費で、年金で生活している人には苦しいと思います。

2021.12.30撮影

>> えと、あそこだったかな? と思っているところ?
雪が積もっているから、目印がなくなっちゃったよね。<<

そして、敷地内の玄関につづく敷石などを除雪して、塩とか砂とかまいておかないと、郵便屋さんも配達の人も入ってきてくれません。もし何かが届くのを待っているとしたら、困ったことになります。

うちは、毎年、塩や砂を買っておこうと思うのですが、忘れます。でも、ここ数年なんとかやってこられました。それは、ひとえに、2軒向こうのご近所が恵んでくれた塩があったからです。ある雪の日、これ、要る? と言って、持ってきてくれました。いいご近所は持つものですね。

今年こそ塩を買おうと思って、雪が降ったので買いに行ったところ、売り切れ。でも、雪が溶けたころには再入荷していて、買うことができました。10キロ買いましたの。これが小さい方の袋。

2021.12.30撮影

>> ここかな〜? よっしゃあ。<<

バンクーバーでは、雪が降ると、テレビやラジオ、新聞、インターネット、などで、鳥にエサをやるように促されます。なぜなら、この辺に住んでいる鳥は、人間と同じで雪に慣れていないので、雪の中でどうエサを取っていいかわからないからです。

説明によると、雪にエサが埋もれて、給餌行動ができないのだそうです。こういう情報が流れると、多くの市民が、鳥に手持ちのものを与えます。普段から鳥のエサを庭に置いてあるお家も多いです。

なお、バンクーバーでも、数年に数回(1年に1回、とか、毎年数回、とか、規則的なものではなく)、何日も積もったままのことがあります。そうなると、町中、シン、となります。

以下、次のサイトに書かれている記録から、1989年以降の年毎の、15.0センチ以上の積雪を拾っておきます。


1989.02.17 (18.8 cm)
1990.12.30 (30.0 cm)
1991.01.07 (18.8 cm)
1992.12.19 (18.3 cm)
1996.12.29 (40.9 cm)
1998.12.24 (20.6 cm)
2002.01.27 (21.6 cm)
2006.11.26 (18.3 cm)
2008.12.24 (26.9 cm)
2012.12.10 (19.8 cm)
2021.12.30 (19.1 cm)


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