マシュマロ’sエンディングノート

~At the end of a marshmallow-like life~

遺品整理(故人が描いた絵)

2020-03-07 | 終活(モノの整理、心の整理、社会的整理)
父が亡くなった際、ほとんどのモノは処分(廃棄)しました。
ただ、父が若いころから趣味としていた絵だけは、ひとまず形見として残しておきましたが、今回一部だけ残して、全て処分することにしました。

父が残した絵
父が残していた絵は、

 ・水彩画とパステル画(枚数不明)
 ・油絵(6作品ほど)

この2種類なのですが、油絵は額縁に収められているモノが2つと、額縁のないモノが4つ。
水彩画とパステル画は、ほとんどがスケッチブックの状態で残っていましたが、一部展覧会(絵画教室主催)に出展したモノが3つほどあります。

遺品整理の際、油絵が思ったほど残っていなかったので、少しホッとした記憶があります。
スケッチブックの絵は、枚数を数えていませんが、ポストカードサイズのモノからB3まであり、トータルでおそらく300枚は超えているかと思われます。

もし、残っていた絵以外に、例えば水墨画や彫刻に手を出していたら、遺品整理はかなり苦労しただろうな、と思うので、油絵、水彩、パステルで趣味がまとまっていたのは、遺族からするとありがたい?ことです。

最初の遺品整理
父が亡くなった直後、ほとんどのモノを処分したのは、父はモノを大切に使ったり保存したりはするのですが、愛用していたかと言われると、そのようなモノはありませんでした。
私の家族に共通している価値観として「新しいモノ好き」というのがあります(苦笑)

今となっては、私も母も新しいモノをいち早く手に入れるような購買行動はしなくなりましたが、以前は新しいモノや便利なモノが発売されると、つい買っていました。
父も同じで、新しいモノで気に入ったものがあると、貯金をして購入するような人でした。
ですから、長年愛用していて、父の思い出がいっぱい詰まっている遺品、というモノはありませんでした。

唯一、父の思いが詰まっているモノが絵画でしたので、最初の遺品整理のときは、絵だけは残しておこうと思い、私なりに整理して押し入れに保管しました。

絵に対するモヤモヤ
最初に父の絵を整理していた時、途中でウンザリしました(笑)
サイズもまちまちだし、保管してあった場所も1ヶ所ではなかったし、一枚一枚確認しながらの整理だったので、半日以上を費やした記憶があります。

しかし、おそらく父がいちばん時間をかけて楽しんできた趣味なので、その時は父の気持ちを優先して、頑張って整理しました。

ところが、数年経った今、本当にこの数か月の間に、父の絵をどうにかしないと、と思うようになりました。
理由は、この数年間、他のモノを処分したり整理したりするたびに、絵の存在にモヤモヤしていたからです。
モヤモヤの原因はいくつかあります。

 ・カミダニが気になるようになった
 ・保管しているけれど見返して思い出に浸っていない
 ・ことあるごとに額縁の廃棄方法を考えている
 ・私が旅立った後はどうせ廃棄されてしまう
 ・他人に評価されるような絵ではない

他にも、モヤモヤする原因はあるのですが、一番ひっかかるのは、この5つの原因です。
そして、今日、ついに決心がつきました。
今すぐに処分できる絵は、次のごみ回収日に出す、と。

家族の絵を処分するということ
家族の遺品を処分するのは、勇気や決断が必要です。
家族や親族が多いと、なおのこと、自分の価値観だけでは判断できません。
しかし、誰がどのように保管し続けるのか、と考えたときに、結局自分に押し付けられる、あるいは自分以外に保管できる親族がいない、となると、最終的な判断は自分自身が下すのが最善の方法だと思いました。
持ち続けるにしても、処分するにしても、他者の価値観を無視する決心がついたら、あとは決行するのみです。

今回、私が処分しようと決断したのは、以前から「もし処分するとしたら、どのような方法にしようか」と考えていた自分がいたからです。
決断する前は、父が残した絵だし、他のモノは処分してしまったのだから、これだけは残そう、というセンチメンタルが作用していました。
しかし、最近になって父の絵に対して現実的な感情が湧くようになりました。
そして、この数日間、ずっと自治体のごみ分別や持ち込みごみのルールを調べ、今回、ある程度はなんとか家庭ごみで処分できそうだという目途が立ったので、処分を決めました。

たしかに、家族の形見と考えると、処分が難しい点はあるのです。
いろいろな感情が、次々と湧いてきますからね。
ただ、自分が旅立った後に、私の遺品を整理する人にとっては、父の形見は「私の遺品」に変わってしまいます。
父の思いや、絵を描いているときの楽しい時間など、処分する人にとってはどうでもいいことなので、おそらくは事務的に廃棄されるだけです。
そう考えると、私が集めた趣味のモノ同様、誰が処分しても同じなら、私ができる範囲で処分しようと思ったのです。
すでに亡くなっている人のことよりも、生きている人の手間を減らすことを優先したい、という気持ちが膨らんだ結果、今回の処分作業に至ることができました。

絵の処分方法(我が自治体の場合)
父が残した絵の分別と処分方法は、以下のパターンがあります。

 ・スケッチ画(紙ごみリサイクル、家庭ごみどちらでも可)
 ・額縁(家庭ごみ指定袋に入る大きさのモノは家庭ごみ、それ以上大きいモノは粗大ごみ)
 ・キャンバス(家庭ごみ)
 ・木枠(小さくバラしたら家庭ごみ、大きいままであれば粗大ごみ)

結論として、キャンバス木枠も額縁も、大きいモノは小さくバラしてしまえば、毎週の家庭ごみ回収日に出せることになります。
その他も同じで、ほぼ家庭ごみで出せることがわかりました。

そこで、今回私が選んだ処分方法は、

 ・スケッチ画→紙ごみリサイクルへ出す
 ・サイズが小さい油絵(キャンバスと木枠込み)→家庭ごみ
 ・サイズの大きい油絵(木枠と額縁込み)→バラして家庭ごみ

とすることにしました。
なお、額縁に入ったパステル画と水彩画が、合わせて3枚ほどあるのですが、サイズがB4くらいなので、それらはしばらく飾ってから、改めて家庭ごみとして処分します。

処分する手間のハードルは下げる
自治体によっては、私の自治体のような分別はNGになるかと思いますが、なるべく分別と廃棄の手間は、自分ができる範囲で、しかもあまりお金をかけずに実行したいですよね。
私も、今回はいろいろ分別して、処分費もかけなければいけないかな、と思ったので、徹底的に調べたのですが、我が自治体がかなり緩い分別基準だったので、助かった部分はあります。

ただ、私が今回実行する処分方法は、次のことは絶対にしてはいけません。

 ・地球環境を考える
 ・勿体ないと思う
 ・売却できないかと考える
 ・誰かに引き取ってもらおうと考える

これらを考えた途端、スケッチ以外のモノが処分できなくなりますからね(苦笑)

モノを処分するということは、何かしらの罪悪感を感じながらしないと、先に進めないと思っています。
たしかに、地球環境は考えるべきことではあるのですが、自分の感情だけで完結していること、勿体ないとか売却したいとか誰かに引き取ってもらいたいとかは、単なる自分のわがままですからね。
そこを考えていたら、モノを減らすことなんて、到底無理です。
また、地球環境を本当に考えているのなら、今あるモノはいずれごみにならざるを得ないのですから、これから手に入れるモノに対して、もっと地球環境を意識したらいいと思うのです。

私が今回、父の絵を処分できるようになった最大のきっかけは、ほとんどが家庭ごみで処分できることが分かったから。
これで、処分方法のハードルが下がりました。
もともと、感情の部分では、とっくに整理がついていたと思います。
でなければ、分別方法など調べたりしませんから(苦笑)

父との思い出はたくさんありますが、絵を描いている父は、実のところあまり見ていないのです。
何故なら、彼は趣味の会のようなところで、絵を描く仲間と語り合いながら絵を描いていて、家ではあまり創作活動をしていなかったから。
でも、絵を描いて作品を大事にする気持ちは、私も以前絵を描いていた時期があって、よく理解できるので、父のそういった気持ちの部分を大事にしておこうと、亡くなった直後には考えたのです。

しかし、月日が経った今、作品を保管していることと、父の気持ちを大切に思うことは、イコールではないと感じ始めていましたから、今回決断することができたのだと思います。


遺品整理は、遺族にとって大変な作業です。
最初は、故人との思い出に浸ったりして、楽しいこともありますが、時間が経つにつれて、おそらくほとんどの遺族が、モノの多さに溜息をつき、心身共に疲れ切って、最後には無感情で事務的に処分しているのだと想像します。
むしろ、全くの赤の他人、第三者が処分したほうが、感傷に浸る時間がない分、作業を迅速にしてくれるでしょうね。
でも、一度遺品を引き受けたら、それは引き受けた人の価値観ですべてを決定していいと思います。
私は、モノの量や使っていた長さや市場価値に拘らなくなったので、今後もし何かしらの感情が動くモノがあったとしても、すっぱり処分することにしています。
たとえそれが、故人の大事にしていたモノででも、です。
全ては、今生きている人の生活を優先すべき、そう思っています。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぱむ)
2021-01-31 13:24:24
はじめまして。
去年の記事へのコメント失礼致します。
今まさに私の父が残した絵画の処分について
悩んでおり、こちらの記事に辿り着きました。
実は検索は油絵の保管方法を調べていたのです。
保管前提でした。
私の父の場合油絵がかなり沢山あります(^◇^;)
襖戸並みの大きい物も何枚もあるんです…
私もやはり父が趣味として残していた物なので
何とか保存しておきたいと思ってたのです。
マシュマロさんの最初の気持ちと全く同じでした。
何かにつけて、あの絵をどうしよう?って
考えていたのです。
しかし、記事を読んでいて目からウロコでした。
なんだか気持ちが晴れてしまいました(笑)
自分の気に入っている作品又は父が額縁に入れていた
作品数点を残して、処分していこうと思います。
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ぱむ様、コメントありがとうございます。 (ブログ主 マシュマロ)
2021-02-03 17:31:20
ぱむ様、はじめまして!
ブログ記事を読んでいただき、コメントまでくださって、ありがとうございます。

遺品整理は、本当に大変ですよね。体力以上に、感情に押し流されて気持ちが疲弊してしまうことが多いです。
私が書く内容は、本当に私の個人的な意見だけですが、ぱむ様のこれからの作業の後押しに少しでもなったのなら、書いてよかったです(^^)
ぱむ様が大好きな作品を選んで残せば、お父様もきっと「この絵が好きなのか」と空の上から笑いながら見てくださると思います。
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