次世代半導体の国産化を目指し昨年設立された「ラピダス」が、技術者数を現在の約100人から、令和9年には1千人規模に増やす方針であることが27日、分かった。東哲郎会長が産経新聞のインタビューで明らかにした。 同社は演算用に使う「ロジック半導体」で、回路の線幅が2ナノ(1ナノは10億分の1)メートルの最先端品を量産する方針。そのため北海道千歳市に新工場を建設し、まず7年に試作ラインを立ち上げた後、9年から量産に乗り出す計画だ。 東氏によると、同社の技術者はここ2、3カ月で急速に増やしており、年内にも約200人まで増える見通し。さらに試作ラインが立ち上がる7年には300~500人、量産を始める9年には工場運営にあたる人員を含め約1千人まで増やすという。東氏は海外メーカーで働く日本人技術者からも採用への応募があったことや、同社が米国での採用活動にも着手したことを明らかにした上で、「ワールドワイドで人材を確保していきたい」と述べた。 同社を巡っては、西村康稔経済産業相が25日に2600億円の支援を表明。それ以前に決めた支援を合わせると、合計の支援額は3300億円に達している。一方、同社は今後10年程度で5兆円の資金が必要になるとみており、東氏はそのうち「2兆円は研究開発、残りは工場運営に必要」との見方を示し、「国からの全面支援が欠かせない」と語った。(今仲信博) 産経新聞