今回は最近話題のシャドウバースの一連の騒動について書きたいと思います。
■前置きとして
著者はシャドウバースは初期(第一弾の拡張が出たぐらいまで)しかプレイしていません。
それ以降は、間があいてドロシーウィッチの時代からyoutubeに上がっているデッキ解説動画を見たりしていました。デッキの環境自体は追っていた感じです。
カードゲームというジャンル自体は好きですし、大体1年くらいシャドウバースの元ネタのハースストーンをやっています。
それなりには理解しているつもりですが、間違いもあるともいます。ひとつの意見としてとらえていただけると幸いです。
■今回の騒ぎって何がおこった?
最近になって、シャドウバースのデッキの環境を叩くような動画がニコニコ動画に投稿されています。
内容は大体、「環境が偏りすぎている」というものと、「シャドバ運営は調整が下手」ということ主張した動画です。
具体的には「ニュートラルバンパイア」というタイプのデッキが強すぎて、
ランクマッチでのデッキ使用率半数近くが「ニュートラルバンパイア」になってしまっていることです。
参考動画はこちら
なんでこれが問題かというと、単純に同じデッキばかり使っていても飽きてしまうことと、好きなリーダーを使えないことです。
カードゲームのそもそもの楽しみとして、「いろんなデッキを使った楽しむ」と「いろんなデッキと戦って」楽しむという要素があります。
シャドウバースでは使うリーダーによってカードの特徴が変わります。もちろんデッキの特徴も変わります。人それぞれで好みがある訳です。
自分の好きなリーダーを使って遊びたいのに、それができないほど「ニュートラルバンパイア」が強く環境が偏っているのが現状な訳です。
カードゲームにおいてはメタという概念があります。
簡単に説明すると、今は流行しているAデッキがあるとします。それに対して強いBデッキをメタデッキと言います。
Aデッキに強いBデッキが流行するとBデッキが環境に増えます。そうすると今度はBデッキに強いCデッキが出てきます…
というように現状の強いデッキを倒す新たなデッキが出てきて流行のデッキが変わって行きます。これを「メタが回る」と言ったりします。
本来はメタが回り、いろんなリーダーのデッキが活躍できる場が回って来るはずなのですが、「ニュートラルバンパイア」が強すぎて
メタを止めてしまっていることで、「ニュートラルバンパイア」一強の環境になってしまっています。
こうなるとバンパイアゲーになってしまい、今まで他のリーダーのデッキで遊んでいたプレイヤーがつまらない環境になります。
これにプレイヤーの怒りが爆発して、シャドバ運営を批判する動画があげられているという現状です。
先日、この騒動を受けて、シャドバ公式が7/30にナーフ(カードの弱体化)をすると発表しました。
この告知を受けて、一連の騒動は一旦鎮火しましたが、どんな調整になるのか楽しみですね!
■この騒動以前から問題はあった
今回の「ニュートラルバンパイア」一強事件の前からもシャドバ運営に対してお怒りなプレイヤーは一定数いました。
私も今回の事件の前から「シャドバ運営は今後どうするのだろう?」というのに興味があり、デッキ紹介動画を見続けていました。
そのきっかけになったのは前の前の環境の「バハムート降臨」拡張時の環境で流行していた「ドロシーウィッチ」です。
このデッキは当時の環境トップに居座っていたデッキです。
デッキ名にもなっているドロシーというウィッチクラスの専用カードが主体のデッキでこのカードが壊れカードでした。
参考動画はこちら
ウィッチのクラスには「スペルブースト」という固有能力があります。
スペルブート持ちのカードが手札にある状態でスペル(呪文)カードを発動すると、スペルブーストが発動してコストが-1されます。(他の効果もあったりします。)
要するに、スペルを使うほど手札にあるカードのコストが下がって行きます。ウィッチはスペルが豊富にあるクラスなのでたくさんスペルを使ってコストを下げれます。
序盤にスペルをバンバン使って、ドロシーのコストを下げる&手札をドロシー1枚にして大量にドロー&引いたカードのコストを下げて盤面に展開する動きができます。ものすごく強いです。
カードゲームをする人ならわかると思いますが、ドロシーはカードゲームにおける強い要素である、
「大量ドロー」と「カードのコストを下げる」を1枚のカードで発動できてしまっていいる、ものすごくお強いカードです。
「大量ドロー」は単純に手札が多いほうが、とれる行動の選択肢が増えてどんな状況にも対応することができるようになるので強いです。
カードゲームでは手札の枚数が相手より多いことをハンドアドバンテージと言ったりします。
ハンドアドバンテージをとるために、有利トレードをして相手にカードを使わせて手札を減らして、相手の行動の幅を狭めます。
そしてこちらはアドバンテージ分のカードをふんだんに使って勝つ。というのが基本的な勝ちパターンだったりするのですが、ドロシーはこれを無視できるのです。
序盤でカードを使い切り、ドロシーを使って5枚ドローできるのです。
シャドウバースのルールを無視したカードと言ってもと思います。
「カードのコストを下げる」ということはとても強力です。
シャドウバースは1ターンに1マナずつ使えるマナが増えて、最大10マナまで増える仕組みです。
基本は5ターン目なら5マナしか使えないので、5コスト分のカードしか使えません。
「5マナだからあのカードつかってくるかな?」とある程度想定することができるものです。
しかし、スペルブーストでコストが下がることで、5ターン目では出来ないことができてしまいます。
これを対戦相手側視点で見ると、「何してくるかわからない」訳です。対戦相手に動きを想定しきれなくする。これが強い。
ドロシーの場合は、この強い2つの要素を1枚のカードで完結し、さらにこのカード内でシナジー(相乗効果)を生んでいます。
5枚ドローしたあとに、引いてきたカードの中にスペルブーストのカードがあればコストが下がり、5コスト以下のカードなら、
0マナ(無料)で出すことができるのです。ドロシーを出したターンに盤面も展開できるなんて強いどころの話ではない…
私は「ドロシーウィッチ」を初めて見たときに、「こんなカード作っちゃダメじゃん」と思いました。
カードゲームをする人に10人に聞いたら9人は「こんなカード作っっちゃダメじゃん」というと思います。
これを見たときに「シャドバ運営は今後どうするのだろう?」と思い、デッキ紹介の動画を見はじめました。
その次の環境(今の1つ前の環境)「神々の騒嵐」でも「ヘクター」とか言う壊れカードが実装されていました。
この時の環境はネクロとドラゴンが強い時代でした。というように前から環境はだいぶ偏っていたのです。
■著者視点での今回の騒動が大きくなってしまった理由
私が一番シャドバ運営がやってしまった1番のミスは、1周年というユーザーの期待が高まる時期に発表された
新拡張「ワンダーランド・ドリームズ」が「ニュートラルをメインにした拡張」として出してしまったことです。
今までの偏った環境でヘイト(怒り)が溜まっていた状態でこの新拡張発表は明らかに火に油を注いでいます。
何が問題かというと、一見「ニュートラル(どのクラスにも入れられるカード)で強いカードを出せば、どのクラスも強化されるから偏りが緩和されるかも?」
とも思えたりするのですが、私が思ったのは…
・クラスごとの調整するのあきらめたの?
・ニュートラルで強いカードいっぱいいるけど、まだ追加するの?
・ニュートラルで強いカード追加すると、「絶対このカードは必須」が生まれて、どのデッキでも固定されるけど良いの?
・ニュートラル<クラスカードの強さを覆すの?
です。
総じて言えるのは「調整するのあきらめたのか。どのデッキにも入るニュートラルでお茶濁すんだ…」です。
泥沼環境をさらにかき混ぜるような新拡張を1周年というユーザーの期待が高まるタイミングで発表したことはタイミングが悪いです。
実際は新拡張がリリースされて、最初はアリスバースだとかニュートラルが強いといわれていましたが、1週間もすると、
「ニュートラルバンパイア」が環境トップになってしました。
お茶を濁すことにも失敗するという、最悪の事態に陥ってしましたね!
■まとめ
一応言っておくと、シャドウバース自体を批判するつもりはないです。環境が偏ることはカードゲームではよくあることですし、仕方がないことでもあります。
今月末のナーフで環境がどんな風に変化するのか楽しみに見守りたいと思います。
最後に、対岸の火事はみていて楽しいですね!