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「悲嘆」の是非

2024-07-22 00:09:38 | ゲーム
今回はモダンホライゾン2の代表カードである悲嘆について思っていることを書きたいと思います。(現在はモダンホライゾン3発売して大体1か月)

最近でもないですが、レガシー環境で青黒リアニメイトの使用率が25%越えを記録したりと、禁止カードが出るのではないかと言われていて、禁止候補筆頭が悲嘆だったります。

私はレガシーはプレイしていないのでどれくらいの嫌われ具合なのかはわかりませんが、テーブルトップのモダンで使われる側として遊んでいるのと、MTGアリーナでタイムレスで実際に悲嘆を使って遊んで見ての感想を軸に書きたいと思います。

ちなみに、最初に言っておくと、私は悲嘆否定はです。


■悲嘆の基本性能
悲嘆の基本性能のおさらいです。

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2黒黒

悲嘆

クリチャー - エレメンタル・インカーネーション

威迫

悲嘆が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中から土地でないカード1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。

想起―あなたの手札から黒のカード1枚を追放する。
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4マナの3/2威迫で、戦場に出たときに相手の手札を見て土地以外のカードを捨てさせます。

これだけ見るとあまり強いカードには見えないですが、想起という効果が悪さをしています。

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想起-あなたはこの呪文を、その想起コストを支払うことで唱えてもよい。そうした場合、戦場に出たときにこれを生け贄に捧げる。
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悲嘆の場合、手札から黒のカード1枚を追放することでマナを払わずに唱えることができます。
ただし、想起といて使うと、戦場に出て、その後すぐに墓地に送られてしまいます。

要は、手札を1枚追放+悲嘆を戦場を経由して墓地に送るだけで相手の手札をカードを見て捨てさせるわけです。こちらが2枚カードを使う代わりに、相手の手札から好きなカードを捨てさせることができるカードです。いわゆる、2対1交換するカードです。

■悲嘆を用いたコンボ
ここまで見ても2対1交換で悲嘆を使う側が損しているように見えてあまり強くないように思えます。しかし、想起であることを悪用した極悪コンボが存在します。

「まだ死んでいない」などの、死亡したクリーチャーを戦場の戻るカードや、「儚い存在」のような一度ゲームから除外して戦場に戻すカード(ブリンク)するカードです。

コンボ手順は下記になります。
①1ターン目、1マナセットする。
②悲嘆を想起でプレイ
③戦場に出たときに手札破壊の効果が誘発
④想起の生け贄に捧げる効果が誘発←ここの効果にスタック
⑤まだ死んでいないを悲嘆に使う
⑥悲嘆にターン終了時に戦場にタップ状態で戦場に戻る効果が付与される
⑦悲嘆が想起の効果で生贄に捧げられる。
⑧まだ死んでいないの効果で戦場に戻り、戦場に出たとき能力の手札破壊が発動

こんな感じの流れです。

ちょっと細かく流れを書いてみましたが、要するに、黒のカード1枚+悲嘆+アンタップイン土地1枚+まだ死んでいない系カード が初手にそろうと1ターン目から2枚ハンデスができたしまうことになります。

とはいえ、3枚カードを使って2枚ハンデスしてもまだこちらが損しているようにも思えますが、4/3威迫が1ターン目に着地していることを考えると、かなり有利な盤面になっていると思います。

4/3というスタッツがややこしくて、結局「稲妻」1枚できれいに倒せてしまいます。これがそんなに強くない行動に見えがちですが、2枚選んで捨てさせるときに、除去を抜かれてしまったら、どうしようもなくなるため、悲嘆側が有利だと思います。

気になるのが、4種類のカードを1ターン目に揃えるのってどのくらいの確立なのか?ということが気になるところではあると思います。
下記のサイトで計算をしてみました
https://yazirusis.com/calc/probability.html

悲嘆4枚
まだ死んでいない4枚
黒のカード15枚
土地22枚
で計算。マリガンありの設定ができたので設定

マリガンありだと20%で成立するようでした。(計算間違っていたらごめんなさい)

実際、タイムレスで回している感じは5回に1回は揃う感覚なので概ねあっているのではないかと思います。

1ターン目2枚ハンデス(しかも選べる)が5回に1回は飛んでくるというのは本当に許される行動なのか?というところが疑問です。


■「悲嘆」の悪いところ

ここからは私の思う悲嘆の良くないところを書いていきたいと思います。

①ゲームの面白さの根幹を破壊していること
MTGをプレイしていればわかると思いますが、よっぽど良いハンドでない限り、1ターン目に手札を2枚選んで捨てられたら、機能不全に陥ります。土地カードを抜かれないとは言え、1ターン目、2ターン目に使うこと前提でキープしたハンドが崩壊するのです。2枚捨てさせられるということは、強制的に悪質なダブルマリガンをさせられたようなものだと思います。

悲嘆のデッキと対戦する場合、お互いに1ターン目から手札がボロボロの状態でゲームスタートになるため、デッキトップ勝負を強要されます。

戦略を考えてゲームを楽しむゲームであるはずのMTGの根本的な部分を否定しているところが悲嘆の良くないところだと思います。

②デッキトップ勝負になるが、悲嘆デッキ側が有利
お互いデッキトップ勝負になれば、引きの強さ勝負になると思われがちですが、そんなことはありません。なぜなら悲嘆デッキ側はその状況を見越したデッキ構築をしてくるからです。手札が少ない状態でも小粒で優秀なクリーチャーを採用してアドバンテージを稼ぎながら、ゲームを有利に進められる構築にしているのです。モダンホライゾン2環境で猛威を振るった、ラクドス想起はまさにそういうデッキで、悲嘆で相手の手札をボロボロにしてから、ラガバン、オークの弓使い、鏡割りの寓話などを出してアドバンテージを稼ぎ殴りきるデッキです。
こういう感じで専用構築をされた場合に、有利に立ち回れる構築にできてしまうところが不愉快です。

③コンボ対策に見えて、コンボアシストしているところ
手札破壊とは本来、コンボデッキに対して、手札にあるコンボパーツを叩き落すことで簡単にゲームを終わらせるコンボを成立させずにコンボデッキの抑止力として働くようにという意図のシステムだと思います。

しかし悲嘆はコンボ前の前方確認としてや、クリーチャーであることろを生かして、リアニメイト戦略とのシナジーも合わせて、墓地利用のコンボデッキで大活躍しています。

レガシーのリアニメイトもそうだと思いますが、モダンだとエスパー御霊、リビングエンドなど強力なデッキで採用されています。この二つはモダンホライゾン3で強化を受けていないにも関わらず、モダンホライゾン3環境でも生き残り、なんなら、リビングエンドは絶賛活躍中のバントナドゥのカウンターデッキとしてスポットが当たっています。

リアニメイト×悲嘆は許してよい組み合わせではないのかもしれません。

話がずれましたが、コンボデッキの動きをより強固にできてしまっているのでは意味があまりないように感じます。


■まとめ
ただの愚痴になりましたが、私は悲嘆はモダンからもいなくなっても良いカードだと思います。
使う側は楽しいカードだと思いますし、勝率的に見てももっと勝てるデッキなどもあって、勝率面では大きな問題はないものだと思います。とんでもコンボデッキの抑止力になることも事実だと思います。
しかし、相手にした時の不快感がとても高いのと、いろんなデッキの可能性を潰しているのも事実だと思います。MTGの場合はサイドボードがあるので、とんでもコンボデッキはサイドボードで対策していく方向性で問題ないと思いますし、別のハンデス手段も豊富にあります。
悪いことばかりでは無いにしろ、1ターン目から運ゲーMAXバトルをさせられるのは府に合落ちないところです。