東京の景観で好きなものは、ぽっかりと空が広がる河川敷です。
対岸のビル群を眺めるのもよいけれど、川に架かる橋を仰ぎ見たりするのも好きです。
ぽかりと空いた天を貫くかのごとく立つ橋のダイナミックたるや・・・
都市から放射状に延びるいくつもの交通網は川を橋で越えていくため、東京近郊の大型の河川にはいくつもの橋が架かります。
関東地方を縦断し、葛西臨海公園付近で東京湾に注ぐ荒川。
土手は遊歩道になっていますが、近くから橋を仰ぎ見ることができるスポットが多く魅力的です。
橋を下から眺めると実に様々なカタチをしていて面白いのです。
若干、橋を渡る電車の音や自動車の走行音はうるさいですが、幾何学的な美しさを見出してしまいます。
葛西臨海公園にもほど近い、湾岸地域には4つの橋が架かります。
河口側からJR京葉線の「荒川橋梁」、2番目は国道357号東京方面の「荒川河口橋」、
3番目は首都高速湾岸線の「荒川湾岸橋」、最後が国道357号千葉方面の「荒川河口橋」です。
この3種4本の交通網が束になって湾岸地域を横断していることから、幅も広い。
それぞれの橋が異なった構造をしていることは、橋を自らが渡っているときには気づくことはありません。
横目で見ても、4つの橋が並列になっているためにすべてを把握することは難しいです。
ともすれば、下からの橋鑑賞はなんとなく特別な気がします。
国道の荒川河口橋は湾岸線を挟んで方面別に分かれているため、スタイリッシュな印象です。
一方で首都高速湾岸線が通る荒川湾岸橋は橋自体が葛西JCTにもなっているために頑丈なトラス構造。
合流・分岐するのは荒川に沿って走る首都高速中央環状線です。
湾岸線を跨いで更なる高さで伸びるのが首都高速中央環状線。
なめらかな曲線が美しいです。
背景は何もなく、空が広がっています。
道路は鉄道に比べて架線などの構造物が少ないのですっきりとした印象。
環状線はこの先、足立区の江北JCTまで荒川の左岸に沿って建てられています。
首都高速は建設してだいぶ時を経た区間もありますから、時折修復工事を行っています。
高架橋は鉄板と格子に包まれますが、どのように設置して、どのような作業をしているのか気になります。
川を渡る送電線は非常に大きいもの。
普段は何気ない構造物ですが、じっくり見てみるとかっこよいです。
対岸の江東区へと送電線は続いています。
送電線が密集している場所には江東変電所があるようです。
次に架かる橋は清砂大橋。
遠くからでも目立つ2連の斜張橋で、自動車のほか歩行者も渡ることができます。
北側には東京メトロ東西線が並走しています。
斜張橋は橋の桁下でなく、渡る際中にも仰ぎ見ることができます。
進むたびに、ケーブルの角度が変わっていくので見ていても飽きません。
放射状に伸びるいくつかのケーブルは、空の青に映えて美しいです。