夜行で出かけるときは、朝早く起きて出かけるときよりも少しだけ気持ちがたかぶる。
もう世の中の人は一日を終えようとしているのに、これからがはじまり。なんとなく楽しい。
お正月が過ぎて初めての土曜日。
今年は元日が水曜日だったから世の中はまだお正月ムードが抜けきっていないようで、いつもの小田急線の駅もなんだか空いている。
22時頃、上りホームで待っていた始発の急行に乗ると私以外には誰も乗っていない。
がらがらの小田急線なんて本当に稀なことだ。
隣駅の町田まで貸切を十分に満喫して、目指すのは東京駅。
JRバスのターミナルは大体、新宿駅と東京駅にわかれている。
新宿駅の方が近くて便利なのだが、今回乗車するバスは東京駅を出発すると朝まで停まらない。
馴染のない東京駅は気持ちが少し遠い。
新宿駅からこれまた馴染のない中央線に乗り換える。
快速運転は終了しているようで、乗車した列車はのろのろと代々木や飯田橋に停車しつつ終点の東京へ到着。
高速バスターミナルは八重洲南口の目の前。
昔はこんなんだったっけなぁ、と思うほどに美しく改良された東京駅。
各方面のバスが発着するターミナルに続々とバスが入線、発着を繰り返している。
高速バスは乗りなれない故、周囲を見渡しては発着番線ごとに表示された行き先を見て回る。
列車と異なり同時刻に幾本ものバスが発着する。
東北方面、中京・関西方面に加えて、ひたちや鹿島と言った中距離のバスもある。
それにしてもバスの愛称がちょっとカッコ悪い。ドリームササニシキって・・・(笑
乗車するのは23:40「ドリームなごや5号」。
同時刻には「ドリームなごや5号2号車」、「レディースドリームなごや1号」も同時発車する。
ということは、この先3台のバスが仲良く名古屋に向かうということか。
高速バスって面白い。
ややこしいのが同じ「ドリームなごや5号」にも1号車と2号車があるということ。
列車なら当然のことなのだが、バスでもあるのか・・・
どうやら2号車以降は増発という形が多いらしく、バスそのものの座席配置やシートが異なる場合もあるとか。
先発のドリームなごや号が遅れて発車すると、次に3台続いてバスが入線。
WEB乗車表に記された通り、1号車の改札を済ませて乗車。バスは2階建てで席は2-10A。
私の乗車するバスは3列デラックスシートで運行される。
一人旅の時は3列シートが嬉しい。といっても3列シートに乗車は初めて。
長身の私にとって天井は低いしシートピッチも決して広いとは言い難いが、各座席にコンセントやブランケットが付く。
足置きや背もたれに安定感があっていい感じ。
4列シートとさほど変わらぬ料金で利用できるなら嬉しい。
23:40 東京駅発
夜行バスの為に外の景色は見えない。
それならば早いところ寝て、明日へ備えようと思うのだが、車内は暑いのに窓に近い左上半身だけは寒いという難しい環境でなかなか寝付く事が出来ない。
結局、足柄SAの休憩まで一睡もできなかったので、空気を吸いにバスを降りたついでにコンビニで中華まんを食べる。
それからもうとうとを繰り返して寝た気にはなれないまま車内は明るくなってしまった。
初日は疲労が少ない事に加えて、旅先の楽しみが気持ちを高揚させてなかなか寝付けない。
やはり、夜行バスはもういちど検討する余地があるなと思ったり。
名古屋市街に入ると、こまめに停留所に立ち寄る。
星ヶ丘や本山、栄に停車してついに名古屋駅に到着。
到着予定時刻より前の到着。
外はまだ薄暗い。