上越線の新清水トンネルをぬけると
川端康成の小説の如く雪国だ。
スキー場を横目に眺めながら
越後湯沢を過ぎる。
六日町という駅で
私鉄の“ほくほく線”に乗り換える。
新潟県の六日町から日本海側の犀潟結ぶ路線。
JRの越後湯沢と直江津まで乗り入れる列車もある。
普通列車のほかに北陸に向かうJR列車がこの路線を通過するらしい・・
やたら綺麗な車両に乗って出発。
六日町を出るとJR線と分かれ、
爽快に平野を走る。
列車最後尾に乗っていたが、その速さに驚いた。
しばらく平野を走るとトンネルに吸い込まれ
外の光が見えなくなった。
すると美佐島駅到着した。
トンネルに取って付けたような小さなホーム、
地下世界を堪能する間もなく
運転手に「後から特急が来ますので危ないですから待合室にお入りください」
とお願いされた。
待合室はちょっと無機質で怖い感じ。
私がホームから出るとすぐに頑丈な扉が音をたてて閉まった。
こんな駅は初めてだ。
次の列車が止まるまで、ホームには出られい。
トンネル内を特急が猛スピードで走り抜けるため、風圧を抑えるためにドアを締め切っているとのことだ。
待合室の外にももう一つ頑丈そうな自動ドアがある。
特急の速度が半端ないと見えて二重の扉を使っている。
2枚目の扉を出ると
出口に向かう階段が出現。
土合駅と比べてはものすごく小さいものの
新しくて面白い。
上がって外へ出る。
駅舎全景。
森の中にポツリと建つ駅舎。
背後には変電所があるのみ。
前の道路になかなか車は通らず、
利用者はいるのだろうか・・・
地下駅なので
知らない人はこれだけ見ても駅とは思うまい。
なんだか新興宗教の教祖の誕生地らしい。
駅構内の観光紹介にも載っていたが、
そんなものあってもぎゃくに怖くなる^^
駅1Fからホームに伸びる階段。
こんな場所の地下にホームがあるなんてワンダーですな。
1Fには畳の広い待合室があり、
中には誰もおらず荷物を下ろし、寝っころがりながら
次の列車を待った。
待合室にある訪問ノートに記録を書いていると
どこからともなく
うぅぅぅう・・・・
きゅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・
と奇怪な音がして
きゅるるるるるるる・・・・・
きぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!
どんどんと近づいてくる。
ひと気がない森の中にある建物に一人でいるから余計に怖い。
やだなぁ、こわいなあ
と思いながら待合室を出るとすべてを了解した。
地下へ続く階段の下から音が出てきている。
特急が近づいてきているのだ!
階段を下るにつれて音は大きくなり、最後の一段を降りると
重い扉が開いた。
その時扉に抑えられていた爆音が解き放たれ
私は飛び跳ねんばかりに階段を駆け上った。
やはり特急の威力はすさまじい。
ホームにいたらどうなるのだろうか(笑
また少しすると
列車が到着するという自動アナウンスが流れ、
風が先ほどよりは小さい音をたてて列車が到着。
扉が自動で開き、私は列車に乗り込んだ。
その後、終点の直江津を目指した。
このほくほく線の路線の大半はトンネルになっており
外に出たかと思うと駅に停まり、出発するとまたトンネルという繰り返し!
興味深い駅や町が多くあり、またいつか行ってみたくなった。
美佐島駅から約1時間で直江津駅に到着。