Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

土合駅

2011-02-28 15:58:43 | 甲信越


「日本一のモグラ駅」として有名な土合駅は、鉄道のことを少しかじったことがある人と登山好きには良く知れた珍駅。
2009年3月、中学3年生の春。初めての青春18きっぷで憧れの土合駅を訪れました。





上野駅から高崎線で1時間半強、終点の高崎駅でその先の上越線水上行きに乗り換えて1時間。
晴天の関東平野も上越の境が近くなると雨雲に変わります。







水上駅に着く頃に雨は雪に変わります。
この駅で、先の上越線長岡行に乗り換え。

列車は揺れながら水上駅出発すると、上越の国境越えの区間です。
長らくの間ループ線を走る単線区間でしたが、昭和42年に下り列車専用の新清水トンネルが完成しました。
新清水トンネルは全長13500mの長大トンネルで、峠を越えることなく上越を結びます。

トンネルに入るとすぐに湯檜曽駅に到着。
この駅もホームは上下線で離れおり、下り線のみトンネル内にホームがあります。
トンネルに入ってすぐのため、トンネル出口から外光が射しこんでおり、そこまでの閉塞感はありません。

湯檜曽駅を出発すると、いよいよ新清水トンネルを進んでいきます。
窓ガラスの揺れる音が響く車内に、心もとないアナウンスが流れて減速すると、トンネルがさらに大きな空洞になって、右手にホームが現れます。





土合駅に到着。
まだ寒いこのシーズンに、私の他数人が下車。
何処へ向かうのか、さっそく出口へ向かっていきます。

すぐに電車は、トンネルに消えて、轟音も遠ざかると何もない駅は少し寂しいものです。





ホームは近年線路側に移設されたようで、壁面に沿って昔のホームが残っています。
あとは簡単な待合室があるのみ。

新しいホームの下には待避線の跡があり、以前は通過待ちなどを行っていたようです。





ホーム中ほどに地上へ続く通路が設けられており、かまぼこ上の通路が遠く地上まで続いています。
谷川岳の最寄駅のため、夏期には登山客の利用が多いと考えられますが、もはや地上に着くまでも登山です。
登山好きには前座的な役割なのかもしれません。





このホームは、地上にある上り線ホームから高低差70mほど離れた地下深くにあります。
地上に出るまでに462段の階段を登らなければならず、日本一のモグラ駅とも呼ばれています。

なぜこんな地底に駅があるのでしょうか。

山地を長大トンネルで抜ける新ルートでは地中深くを走行するため、地上に出ることはできません。
しかし上越線の峠越え区間に以前からある土合駅を下り線のみ廃止することはできず、無理やりトンネル内に造られることになりました。






もちろんエレベーターなど便利なものはあるはずもなく、長い長い階段を登るほかに地上に出ることはできません。

階段の横にある余剰スペースはエスカレーター設置のためとも言われているが、果たされぬままです。


階段は数段ずつに踊り場がありベンチで休憩しながら上ることもできます。
ちなみに階段左端には時たま段数が書いてあるので参考になります。

単調な中にもすこしだけアクセントがあって観光気分も味わう事ができます。


 



階段が終わり、地上まで到達。
地上と言っても野外に出るわけではなく、かまぼこ型の通路がまだまだ続きます。





「ようこそ土合駅へ」と歓迎されるもまだまだ駅舎は遠いようです。
窓から外を覗くと、地上2階ほどの高さになっており、河川や自動車道路をの上を通っていることがわかります。

突き当りには風よけの屏風のようなものが設けられています。
地下ホームに列車が入線するとその風が地上まで来るのでしょうか。





次はコンクリートの暗い通路。

小学校の頃、体育館に向かう通路がこんな雰囲気だったのを思い出します。
昼なお暗く、夜間は少し気味が悪そうです。




最後に少しだけ階段を登ると、到着を示す486段目の文字が現れます。
角を右に曲がれば、出口はすぐそこ。








無人駅のため、駅舎には閑散とした待合室があります。
往時には駅員が常駐していたのでしょうか、ずいぶん立派な駅舎です。

列車は上下線で各7本ずつしか来ないので、列車の到着しない時間に人の姿はありません。






駅舎は三角形が印象的な建築です。
山間部にあるこの駅は冬の激しい雪にも耐えています。

 

 



上り線は普通の地上ホーム。
雪に覆われて停車位置も釈然としません。

土合駅を出た上り線はすぐにトンネルに入り、トンネル内でループをして湯檜曽駅に到着します。





次の長岡行の到着時間が近づいたので
急いでまた先ほどの下り線ホームに向かいます。

貼ってある紙には道路の案内標識のように説明がされています。





誰もいないので462段を一気に駆け降りる・・!!
地底へと進む不思議な感覚が楽しいです。

自分の足音だけがトンネルに響きます。






外と比べて暖かい地下ホーム。
無音の地下で、次第に奥から列車の音が近づいて来のがわかります。





眩しいほどの光を放って列車が到着です。
この列車で越後湯沢方面へ向かいます。




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