庭先の草むらから、虫の声が漏れてくる、異常な秋の気温に元気な虫たちの調べが
ことし初めて気がついた秋の気配、かすかだけれども澄んだ調べが心に沁みて、
せわしい日々の中でのしばしの憩い、しばしの安らぎ、自然の営みは、
無心でたしかである・・人が気付くかどうか、そんなことにはかかわりなく、
時がくれば、きのうも今日も虫は静かに鳴き続ける自然の恵みのありがたさである。
人の営みはそうはいかない、他人が気付くかどうか、気付いてどう受け止めるか、
それによって人の心と行動は、刻々と変わっていく・・・・
自分に向けてくれた思いやりの心に気付かなければ、悲しみの影が宿るかも知れない。
慌ただしさの中で、お互いなかなか他人の心の動きに気付かなくて・・・
刻々に揺れ動く心と心とがすれちがい、誤解や、不信、不満が生じがちな日々、
せめて秋の夜のひととき、無心の虫の声に気付いたみずからのとらわれない心を、
あの人やこの人の心の動きにも向けてみたい・・
ダリア・・・