安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

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デジタル人民元の危うさについての続き。。。人民元普及のための必要条件

2020-09-21 22:49:05 | 政治
人民元の弱さについて考察する前に、そもそもドルがなぜ基軸通貨なのでしょうか?

その答えは私が思うには簡単です。。。アメリカが世界の警察であり世界一の経済大国だからです
オバマ政権のときに一度、世界の警察の座を降りようとしたアメリカでしたが
その動きは習近平の側から見れば、きっと「渡りに船」だったことでしょう
ドルの基軸性については、ドルと石油の関係を指摘する方もいらっしゃいます
世界の石油取り引きの決済通貨がドルであるからドルが基軸なのだという説明です
それも一理あると思います
ペアリング通貨としては米ドル-ユーロ、米ドル-日本円、米ドル-英ポンド
この三つのペアで世界のシェアの約半分をおさえていて、いかに米ドルが強いのかがわかります
ちなみに、人民元のシェアはここ十年で飛躍的に上がってきてはいるものの
ペアとしては米ドル-人民元の組み合わせのみで、世界のシェアの4%程度に過ぎません
これは世界第2位の経済国としては寂しい数字です。。。
習近平さんは、アメリカと喧嘩するのはもう少し時間が欲しかったでしょうね、きっと。。。
いや、彼には経済についての知識は皆無だからわからないかもしれませんが(笑)

ここで人民元の話に戻しますが
今のところ、人民元とペアで交換取引のできる通貨は、ほぼ米ドルしかありません
しかも、アメリカと中国の貿易額を考えた場合、アメリカ側は、”ほぼ”人民元を受け取らない
ということが分かるわけです(笑)
結局、香港がなぜ世界の金融センターとして成り立っていたのか?
香港の役割は中国の人民元を米ドルに両替してくれる窓口であったから。。。ということでしょう
その香港の機能を潰してしまった中共政府。。。まあ自業自得ということです

また、この通貨ペアの数字を見る限り、日本もこれだけ中国と取り引きをしているものの
決済通貨としてほとんど人民元を受け取っていない、ということがわかります
これだけ中国経済べったりの日本経済界が人民元を受け取らないということは不自然ですが
それには理由があります。。。一体どんな理由か?
これは日本側の問題というよりも、中国人自身が決済通貨として人民元での支払いを受け入れたくない
ということなのでしょう(笑)
自分の国を全く信用していない国であり、日本企業からの支払いを米ドルや円で受け取ったほうがいい
ということなのだと思います
つまりですね。。。自国民(中国人)が貿易決済の通貨に人民元を指定すれば
日本だって人民元を外貨として保有する。。。ということなんですけど、それがわからない。。
というか、そのことは分かってはいるのだろうけれども、中国人は自分の国を信頼することができない
。。。ということが、ここから分かるわけです
「いつ何時共産党の警察が踏み込んできて、資産を根こそぎ持っていかれるかわからない」
この恐怖が、外貨を望む中国人のメンタリティーの元となっていると思われます

以上のことからもわかるように、実は人民元を信用していないのは他ならぬ中国人自身であり
中国共産党政府がデジタル人民元を発行して、中国人相手に普及させたとしても
このデジタル人民元を他国民に持たせるためには、
”他ならぬ中国人自身が、人民元建てによる外国からの支払いを喜んで受け入れない限り”
デジタル人民元は決済通貨なんかになりはしないのです
この理屈はまず間違いないですね
アメリカ人なら、まず間違いなくドルによる支払いを喜んで受け入れます
日本人もまた、日本円による支払いを喜んで受け入れるでしょう
中国人は。。。人民元で貰うぐらいなら、ドルや円を選ぶでしょう(笑)
ここが。。。通貨の信用の本当の意味なのです

習近平さんは、これが一番大切なことだと、おそらく理解できていないと思います
自国民に信頼されていないのは、実は通貨だけじゃなくて政府自身も、だということ
基軸通貨とは信頼が全てなんですよ。。。デジタルとか関係がありません
デジタル人民元はブロックチェーンの技術を使うようですので
もしかすると中国政府が窮余の一策として
デジタル人民元を仮想通貨と自由に交換できるような仕組みを作るかもしれません
そうなった場合、売られるのはもっぱら人民元の方です(笑)
中共政府の息のかかっていないビットコインやイーサリアム、リップルなんかの方が
よほど信用があるからです(笑)

人民元の基軸通貨化を目指すのも結構ですが
必要条件として、自国民に信用されること。。。これが最低限必要だと思いますね
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デジタル人民元の危うさについての続き。。。人民元が紙屑になる日

2020-09-21 08:46:41 | 政治
前回の論点では、デジタル人民元をやや仮想通貨と混同するかたちで説明してしまいました
実際には、もっと純粋通貨として取り扱うものと思われますので
ブロックチェーン技術が使われていることも含め、もう少し掘り下げてみたいと思います

そもそも、なぜ今デジタル通貨を作るような冒険をやろうとしているのか?ですが
その一番の動機、というか、彼らが必要性に迫られていることついて考えてみたいと思います
その一番の動機は、決済通貨としてのドルが使えなくなることへの”焦り”があるでしょう
香港が今のような状態になって、アメリカは香港の特別な地位を剥奪し始めています
その最もな制裁が、「銀行への制裁」です
トランプ政権も非常に頭のいい政権ですので、香港に駐在する米国企業に対して
あらかじめ「近々金融制裁を発動するよ」と警告を発しているわけです
その内容は明白で、香港を始めチベットやウイグルへの人権弾圧に対して
「人道的な立場から」制裁を行う、と、既に明言してもいますし、今後益々その動きが加速するはず
結果的には、人権弾圧を行う中国共産党幹部の口座を持つ銀行には、「ドル取り引きを停止する」
という制裁を加えていく可能性は極めて高いわけです

「人民元は弱い通貨だ」、とよく言われますが、何が弱いのか?といいますとね
要するに、貿易相手国から品物を買う場合に、相手が受け取ってくれない通貨。。。
つまり受け取りを拒否される通貨が人民元だということです、これは韓国ウォンも同じですね
これまで人民元はドル連動通貨として、その価値を安定させることに努めてきました
ドル連動とは、ドルを溜め込むことで、そのドルの保有量に応じた人民元を発行してきた
ということですね
これまで中国は毎年7%8%の経済成長を達成し、貿易黒字でドルをかき集めてきた。。
つまり貿易黒字があってはじめて人民元を印刷できたわけです
これ、アメリカの金本位制に似てますね
ドルの発行を金の保有量で保証する→人民元の発行をドルの保有量で保証する
。。。同じですね

では、人民元とドルを切り離した場合にどうなるか?ですが
これは実際にやってみないと分からない部分があります。。。けれどもね
ドル連動通貨であるにもかかわらず、人民元の貿易決済通貨としての流通は
通貨全体の流通量のコンマ数%。。。うろ覚えですが、確か0.4%程度だったと記憶しています
ドルと連動しててこの数字は極めて少ない。。。いかに人民元の信用がないかよくわかる数字です
これがドルと切り離されたなら。。。これは間違いなく紙屑化すると言っていいでしょう
誰も受け取りたがらないわけです
しかも、中国とヘタに関われば、今後アメリカから制裁を喰らうかもしれない
そんな通貨を、喜んで両替に応じる銀行など、世界にはほとんどないでしょう
イランなどを除けばね
中国からしてみれば、制裁で貿易が急減速している上に、決済通貨の不足にも悩む
ということであるわけです
そこで中国政府はカケに出ようとしています。。。それがデジタル人民元です
要は、デジタル化して便利にすればごまかせるのではないか?
人民元がどこの国でも通用するように見せかけることができるのではないか?
ということですね

ここで。デジタル人民元はブロックチェーン技術を使ったデジタル通貨ということですので
ブロックチェーンについて簡単に説明しておきましょう
ブロックチェーンとは、過去の取引履歴・流通履歴のデータがすべて暗号化され
その暗号を世界中のコンピューターが競争して解くことことにより
複数のコンピュータの回答が同じ答えになることで取引が承認されて成立する、というものです
つまり、暗号化された取引履歴を世界中のコンピューターが同時に解いて同じ答えが導き出されれば
その取り引きは「間違いがないもの」として扱われるという、まことに複雑なシステムです
ブロックチェーンには非常に多くのパソコンが、競争しながら同時に暗号を解くという動作が必要です
その作業を「マイニング」というんですが
マイニングを行っている企業には、莫大なコンピュータへの投資と電気代がかかると言われています
その莫大な費用と引き換えに、ブロックチェーンの安全は保たれていると言われているんですね
しかし、仮想通貨の取引履歴が莫大になることで、マイニングへの負荷も非常に高くなり
マイニング事業者(マイニングを行って成功報酬を得ている事業主のこと)の利益率が落ちることから
今後、マイニングによる取り引きの安全性には疑問符がついておりますし
実際に、ブロックチェーンも何度か破られて不正取り引きが成功した例もあります
しかも、数年後には実用化に向かう量子コンピューターと一般のPCの性能格差によって
ブロックチェーンは簡単に(瞬間的に)破られてしまう可能性が高いことも指摘されています
こうしたシステム上の安全性の懸念があることも当然ですが、他にも問題はあります

長くなりますので、続きはまた次の日記で
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