安い税金と小さな政府を切望するふきあえずのブログ

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茂木先生の書籍のアマゾン書評を見て思ったこと

2021-03-10 08:57:16 | 政治
昨日ご紹介した茂木誠先生の「政治思想マトリックス」という書籍について、アマゾンの書評を見ていたんですが
気になる評価がありました。「単なるネトウヨの反グローバリズム的プロパガンダ」、「ポピュリズム」「小遣い稼ぎ本」
当然評価は星一つ(笑)
私と随分評価が違うな、と思ったんですが、この方は「単なる歴史的事実の羅列で中身がない」とおっしゃってます

確かに、茂木先生の書籍には、できるだけ客観的で偏らないスタンスを取ろうと努力しているのが見受けられるので
客観的事実だけを羅列しているように見えるのも無理もないかな?と思います
まあ、歴史の先生なのでね、主観的な思い込みを教えるのが役割じゃないですから、そういう内容にもなるかもしれませんが
この方に私が意見するとすれば「茂木先生の書いていることの、その行間にある”思想的な蓄積”が見えていないのでは?」
ということです

たとえば私は、トインビーを読破できてなくて恐縮なのですが、それでもエッセンスはある程度理解しています
トインビーによると、文明の栄枯盛衰には「宗教の繁栄と衰退が関係している」ということを明らかにしています
人々が何を信じ、何を善として考えるか?が、文明の興隆には大きな関係がある、ということです
また近代政治思想の最も重要な文献に、マックスウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」があります
茂木先生の書籍にも書かれていることですが、フランスのルネッサンスは宗教芸術の興隆がカトリックの信仰に起因しています
宗教改革が起きたあと、新教(プロテスタント)と旧教(カットリック)の国に発展の違いが現れてくることなど
こうしたことをさらっと書けるあたり、茂木先生には勉学の深みがあると言うべきでしょう

そうなんですよ、その国が、「何を善きものとして信じるか?」は、非常に大切なことであり
だからこそ、「反グローバリズム」の流れの方に「思想的な深みがある」という帰結になっているのです
前々回ご紹介した斎藤幸平さんの思想には、資本家を憎む思想が根底に感じられます
資本家にもいろんな人がいて、思想的に深いものを持っている経営者、資本家もたくさんいるんですが
そこは見ない。。。経済発展=悪 という図式で短絡的なんですね

前回の日記の追加で恐縮ですが、茂木誠先生の「政治思想マトリックス」お勧めです
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政治思想マトリックス。。。茂木誠さん

2021-03-10 00:29:27 | 政治
え~、しばらく読書がしんどい感じでありました
しばらく地球温暖化問題やマルクスは、もういいや。。。という感じで、お腹いっぱいです

最近私は、いろんなユーチューバーの方の動画を拝見するのですが、本当に面白い動画を続けていかれる方というのは、共通したものを持っている感じがします
その面白さは見識の深さからくるものだと思うのですが、その「見識の深み」、というのは、他のユーチューバーの動画などの意見を参考に見ているだけでは、決して身につかないものだと思うのですよ
その点、今回私がご紹介する茂木誠先生は、一味違いますね

今回、初めて茂木誠先生の「政治思想マトリックス」という書籍を購入して読み始めたんですが
前回の書籍と抱合せで買ったものですけど、買ってよかったです。。。
なんせ、前回ご紹介した書籍を読むのがしんどくて。。。
正直、内容が薄っぺらくてつまらないので、まだ途中だし、せっかく買ったので読まないと、と思うのですが、正直しんどいです(笑)
その点、茂木先生の「政治思想マトリックス」は、非常に面白かったですよ
なぜ面白いのかって?多分それは、茂木先生がきちんと古典を紐解いているからでしょうね、きっと
おそらく、アダムスミスの国富論やルソーの社会契約論、マックスウェーバーなど、政治・経済系の古典を丁寧に勉強していらっしゃる
もしかすると、私があきらめたアーノルド・トインビーなども勉強されているかも。。。
現代においては、こうした古典は、カビが生えているように思われるかもしれないが
時代を超えて読まれている古典には、マルクス経済学などにはない、思想的な深みがあります
残念ながら、マルクス系の経済理論を説く方には、古典的な思想の深みがないのです
その理由は私にもわかります。
その理由は、マルクスが、「宗教はアヘンだ」、として宗教思想を否定しているからです

確かに、現実的な教会の腐敗などを見れば、宗教を否定したくもなるかもしれないが
数千年のあいだ、多くの人に読みつがれ、学ばれてきた宗教思想には、それだけの普遍的な思想の深みがあるのです
多分、マルクスにはその思想的な深みの部分が理解できなかったんでしょう
茂木先生は第一章で、アメリカの繁栄のもとになったのが「プロテスタントの信仰」であることを見抜いておられます
私もそれはまったく同感です
アメリカのプロテスタントの信仰には「ニューソート」と呼ばれる繁栄の基礎となる心の教えがあります
この心の教えが繁栄を作っていることがマルクスには理解できず、
嫉妬を正当化する社会は、全体を貧しくする。。。ということがわからなかったのでしょう

ケインズ経済学とニューディールは、現在の個別給付金による経済対策と共通しているものがあります
その根底には「政府がお金を増やせば豊かになる」という「制度的成功法則があるのだ」という考え方があるのでしょう
インセンティブ(動機付け)の問題については、「政府がお金を配れば、お金を使いたくなる動機が生まれる」
と、ケインジアンたちは考えているものなのかもしれません
しかし、茂木先生も指摘しているように、「繁栄を生むお金の使い方」とは、けっして浪費じゃないんですよ
政府がお金を配れば贅沢品をたくさん買うだろう。。。などというのは、本来の資本主義精神じゃありません
プロテスタントの信仰者は、「儲けたお金を自分の贅沢のために使うことは悪」と考えていましたが、
ただ「勤勉に働いて得たお金を投資して、さらなる成功と繁栄を作り、多くの人の役に立つことは善」
という考え方が根底にありました。
「勤勉に働いて貯めたお金を投資して、さらに成功する」
これが資本主義の精神だと、マックスウェーバーは見抜いたのです
ここをね、ケインジアンたちは見誤っているのですよ

MMTやケインズの考え方からいくと、「政府が神様となってお金を配ってくれるから、我々はそれを使えばいいんだ」
ということになります
自分自身の努力でお金を貯めるのが本来の資本主義精神であって、政府にお金をもらうことが先、というのは変でしょう?
政府はお金を作れるんだから、もっと配れば豊かになる、というのは、一面の真理ではあるかもしれないが
本当の意味で国を豊かにする考え方ではない、ということを知らないといけません

私の持論が長くなってしまいましたが、茂木先生の「政治思想マトリックス」は良書です
こういう本を、若いうちにできるだけ読んで欲しいな、と思う次第です
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