3月26日に1個目を登録してから
『湯を沸かすほどの熱い愛』で21個目。
反省しつつ振り返ります。
1.めぐり逢わせのお弁当
そもそも『ハロルドが笑う その日まで』の四コマを描こうと思っていたので
それの習作として描きました。
これを描いてみて、
一コマ目で「こういう作品です」って紹介して
二コマ目で「それがこういう風に展開していきます」ってなって
三コマ目で「サブキャラにはこんなのがいますよ」っつって
四コマ目で「さて、このお話どうなるんでしょうか?」
っていう流れなんですが
四コマ映画ってこの流れしかないんじゃないかと思って
この先どうやってバリエーションを作ればいいのかと悩みました。
2.ハロルドが笑う その日まで
これはチラシやポスターですでに登場人物のイラストは完成していたので
今見てもキャラの完成度は他のものとは比べ物にならないですね。。
これも上記の王道の流れそのまま。
ストーリーとキャラを伝えるのには一番いいようだけど。
映画の内容も省略の仕方もわかっているので手慣れた感じ。
配給会社さんに一応「四コマ映画ってのがあるんですけど、それで四コマ描いていいですか?」って聞いたら「是非是非!」と言ってくれたので安心して描きました。
四コマ映画は仕事ではないので、
一つにつき一つチャレンジをしていこうと決めました。
でも、これのチャレンジが何だったかは秘密です。。
(怒る人もいるかもしれないので。。)
長澤まさみの似てなさ加減に免じて許してください。
それでいうと日本の俳優の似顔絵を描くのはものすごく難しいです。
海外のだとそもそもそんなに知らないし似てなくても許されるんですけど。
でも、四コマ目の3人はとても似ましたね。
4.オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分
これのチャレンジは映画に出てこない人を描くことでした。
トム・ハーディしか出てこない映画なんですが
だんだん電話越しの相手の顔が見えてくるので
それを表現しようと。
この辺りから、ストーリーを丁寧に追わなくても四コマは描けるんだなとわかってきました。
それにしてもトム・ハーディ似てない。。
ビル・マーレイなら苦労せずに似せることができるんじゃないかと思ったけど、これも大変だったし似ているかどうか不安。
なるべく線を少なくしたいっていう気持ちもあるし。。
僕には「文字量が多い」という病があるので
毎回文字を減らすことにも苦労するのですが
これは「全部入れる!」というのがチャレンジ。
おかげでやはり読みにくい印象。。
にしてもこの映画のナオミワッツ面白かったなぁ。
重厚な警察サスペンスを四コマ映画化するってこと自体がチャレンジ。
映画の色(だいたい2色ですね。64なら彩度の低い青緑と金)をそのまま借りて、映画本編にはないポップさと笑いと追加して。
この時点で後編も観ていたならこの四コマ目にはならなかった。
この暗さ、この静かさ、テーマの深さ、そしてラストの衝撃。
一体どうまとめれば良いのかと考えて
苦し紛れに「筆者」として自分を登場させました。
観客の視線を描くことで
映画と観客が近くなる作用はあったかと思います。
重く静かな映画だからと言って四コマもそうである必要はないし、むしろ違う方がいいのかも、と。
イラスト自体もラフにしてみました。
これも試写会で観せていただきました。
ストーリーとしてはものすごくオーソドックスで、むしろストーリーを知らせたら見る気失せるんじゃないかと心配になる程(女性は違うのかも)。
メインビジュアルが主人公の女性が壁にもたれかかって立っている(何かを待っている?)シーンで、これが印象的ですし、確かにこの映画の肝なので、これを4個まで表したいと思いまして、思い切って四コマブチ抜きでズドーンと立たせました。
この技法はとても気に入り繰り返し使っています。
今後も使います。。
ファッションがおしゃれな映画だったのでそれも表れていればいいなと思います。
キャラの顔をもうちょっとかわいく描ければよかったかな。
これも試写で。
衝撃の問題作。
これも見終わった後かなりどんよりした気分になったので、早く四コマを描きあげて早くこの映画から離れたい、と思いました。
なので、チャレンジとして「早く描く」ということです。
たぶん2時間弱かと思います。
手書き文字の汚さもこれも病のひとつですのでどうしようもありません。
四コマ目の、ヒトラーに銃を突きつけているシーンは実際のシーンにもあります。
銃を持つ手も含めて表情もなかなかよく描けたな、と。
え、これはこうやって自画自賛していくコーナーなのか。
前後編分かれていて、しかもサスペンスとなると後編はどうすりゃいいのかと。
ストーリー書いちゃいけないし。
映画の予告編などをチェックして、ストーリーのどの辺りまで明かしていいかを調べてから描きました。
まとまりもなく、四コマ目も本当は感動シーンなんですけどそんな雰囲気も全然出ていなくて、右下の言葉もやけっぱち。。
これはいい映画だったなぁ。
本編はものすごく暗いんです。
映画からどれほど離れられるか、というチャレンジでした。
この四コマ映画はネット用語で言うところの最も「バズった」ものでした。
僕のネット人生の中で初めてバズリを経験しました。
ちょっとした恐怖もありますね。。
「43歳、独身、デブ、オタク、女性経験なし」という主役のスペックに反応していただようですので、僕の実力ってことでもないのですが、男女問わず主役のフーシに魅力を感じていただけたんだなと思っております。
映画はパンフレットを買うようにしているのですが(資料が多い方がいいので)、
これのパンフレットの最後にはシナリオが載せられていたました。
なので、セリフとかシーンとかが完璧に再現できるのでとてもありがたかったですし、自信を持ってかけました。
普通は、上映中いいセリフや人物の関係性などを暗闇の中でメモを取って、あとでダイイングメッセージのような文字を解読して、四コマ映画に間違いがないように努めているのですが、こうやってシナリオがあると本当に安心です。
この四コマもその安心感が出ているような感じもします。
これもまぁ素晴らしかった!
これの挑戦は、メカニックな感じ&メタリックな感じをちゃんと出せるかなって点です。
体が透明なとことか質感とか。
設定やストーリーを全然知らない方がいいので
それらは捨てまして、
映画オリジナルのコピーが「人間か、人工知能か。」で
映画見ながら「つまりそれは“愛が、自由か”ってことだなぁ」と思ったので
それを付け加えて、ギリギリのとこで我慢しました。
四コマ目の、ペロリは結構泣けるシーンですよ。
試写会で観せていただいてから描くまでにずいぶん時間をとりました。
一体どうまとめればいいかわからなくて。。
映画は深刻な中にもコメディの風合いもあるし、
実話を基にしているので結構ストーリーがあっちこっち行くので。。
本当はトランボの奥さんのダイアン・レインも描いたんですが
スペースがなくて残念カット。
四コマ目の色がまとめられなくて残念。
背景を濃い色にしがちなので、背景を薄い色で描きたい欲求は強いのですが、なかなかうまくできません。
設定が面白いし、なんか頭使わずにささっと描きたいなと思ってささっと描く、というのが挑戦でした。
実際、最初の設定を紹介するだけの内容だし、イラストもほとんど人物4人を描いただけ。
背景をダンボールにしてみて、状況の滑稽さを表しました。
時間かけなかった割にうまくいったかと思いますが、残念なことにこの映画、WOWOWで放映されただけで、上映もされてないしDVDも発売になってない。。
これも面白かったなぁ。
「二人がただ喋ってるだけ!」という宣伝文句で、
確かに喋っているだけなんですけど
出てくる要素は結構多い。
喋ってるだけじゃなくて、面白い要素がたくさんあるよ〜ってのを
ストーリーに触れずに表現できないかなと思って
このようにしました。
結果、出来上がりには個人的にとても満足してるんですが
やはりこれ、観た人にはわかるけど
観てない人には意味わかんないので
広告としての機能は持ってないですね。。
ポテトの長さとか、観た人なら笑えると思うんですけどね。。
僕はホラー映画の四コマは描けるんだろうか、という疑問を解決するためにこの映画を観ました。
正直言うと映画自体は怖くなかったんです。
僕あまりホラー映画って怖くないんです。
でもこれを観てからというもの犬が深夜に突然吠えだしたり、
これのイラストを描いてる時にラップ音的なものが聞こえるようになったり
なんか2週間くらいずっと怖かったです。
まずアナベル(人形)を鉛筆で書きなぐってみたら結構似てたので、
この路線でいこうと思ったんですが、
上記の通り、ラップ音がするので怖くなって2と3コマ目はもはやホラーではなくただの絵日記。。
だって怖かったんだもん。。
17.トニー滝谷
「湯を沸かすほどの熱い愛」を試写で観せていただきましたが
果たして宮沢りえを描けるんだろうか、と不安になりまして
練習としてDVD持っていた「トニー滝谷」を。
何年も舞台で戦ってきた現在の宮沢りえの力強さとは、真逆の儚さを得意技としていた時期の宮沢りえですね。
これは映画のセリフをそのまま書いているのですが
これも自分がDVDを持っていて何度も見てメモをとれるからできることであって
実際に一回映画見ただけでは不可能な表現です。
この映画の儚さ、しびれるような孤独を描くよう努めました。
儚さや孤独というのは自分のイラストのタッチからするととても縁遠いものなので。。
映画自体は観客としてはとくに感動を持たなかったのですが、
「セトウツミ」のタッチでちゃんとストーリーを説明してみたいなと思いまして
それにはちょうど良い映画だったもので。
しかし4コマ目が唐突でしたね。
自分で考えた「宿題を片付けないまま大人になった2人」というコピーに酔って、それに頼り切ってしまった。。恥ずかしい。
大島優子さんを描くにあたって、
YOUTUBEなどで彼女の動画をいくつも観ました。
あまり興味はなかったのですが、ちゃんと見るとやはり多くの人の心をとらえるだけの魅力ある人ですね。
その後しばらくAKBのオールナイトニッポンとかYOUTUBEで聞いてました。。
19.ディアーディアー
劇場でも観ましたが、4コマ書くにあたってDVDで見返しました。
劇場で見たときはコメディだとわかっていなかったのでどうやって観たらいいかつかめきれずにいたのですが、
2回目は何度も笑いながら見れました。
設定もキャラもひとつひとつのエピソードも面白いので、
それを表現したいし、
「ぜんぶシカのせいだ」のコピーも活かしたい。
1コマ目をほとんど文章にして設定を説明。
2コマ目は長男のキャラ説明、
4コマ目は絶対このセリフを入れたかったので
3コマ目で次男と長女をまとめて。
これはなかなかうまくいったなと気に入っております。
20.アルビノの木
この映画の一番の特徴は大自然の映像美。
これを無視して描けない。。
え、でも大自然のイラスト描かなきゃいけないの??すげえ大変じゃん。。
とかなり悩んだ結果、大自然は捨てました。。
キャラクターの説明と同時にストーリーも説明して、
背景の色でキャラの特色も表しました。
1コマ目を印象的にしたかったので
実際はないんですが、銃口を正面に向けたポーズを。
4コマ目のコピーがなかなか決まらずしばらく悩みましたし、
もうちょっと切れ味のいいコピーにしたかったんですが、
結局思いつかずこれにしました。
コピー能力が欲しい。
これはものすっっっごく悩みました。
すっっっっっごく時間がかかりました。
この映画の中には珠玉のエピソードがたくさんあるし、どのキャラクターも大事で印象的でそれぞれが不可欠なので、どれを選んでどれを捨てればいいのか、何も決められず困ったいました。
映画の予告編が先日完成してそれを見まして
それを元に、自分が感動したセリフや笑ったシーンなどを追加してまとめました。
銭湯の煙が4コマを貫いてフワッと立ち上っていく様子は必須だと思ったので、何とか入れ込みました。
本当はりりぃさんとか手話とか、入れたいシーンはいくらでもあったのですが。。
で、この125分間怒涛の珠玉エピソードをつないでいってもほころびを出させなかった宮沢りえの力はやっぱすごかったです。
もう一回観たいな。
****
四コマ映画というものに手探りでやってきましたが、難しい分やりがいがあります。
映画関係者の方々の目にも止めていただいてますし、その映画の監督からメッセージをもらえたりもして、なんともこんなことが僕の人生に起こるのかぁと不思議な感動を覚えております。
手グセで適当に描かないよう、ひとつひとつ力込めて描いていこうと思います。
(仕事もしてますし、仕事もすげえ頑張ってますよ)